今日のビデオツイートに大きな奇声で鳴く白い鳥を写したものがあった。映像だけで説明テキストはなく〈WHITE BELLBIRD〉というキャプションが付いている。聴いてみておもわず笑ってしまった。始めて聞くその鳴き声を文章で表現するのは困難だが、ベルバードだからといって、チリンチリンとかリンリンといった鈴を鳴らすが如き音でもない。
ウイキで WHITE BELLBIRD を調べてみる。鳥類の分類からすると、スズメ目、タイランチョウ小目、カザリドリ科、スズドリ属のシロスズドリということになるらしい。この鳥はギアナ、ヴェネズエラ、ブラジルの森林地帯に生息しており、白色はオスだけで、メスはカザリドリというように、オリーブ色に黄色のアクセントが入った派手な様子らしい。顎には鶏と同じような肉垂という飾りがついている。
こんなことを前段に書いたのは「ことばの歳時記」に「ピヨ」という鳥の鳴き声の項があったからだ。
北の山には雪が降りそうな時期になったが、山鳥たちはエサを求めて山里に降りてくるようになる。肌寒い日の午後になると、赤い実のなる庭木には必ずといっていいほど、こうした山鳥たちのサエズリ声が聞こえる。
金田一先生が言うには、ヒヨドリもその一種だが、奈良の昔には、その鳴き声から「ピヨ」と呼ばれていた鳥だった。時が流れてこれがいつの間にか「ヒヨ」となってしまったのは、PIという口をきっちり閉める発音が面倒くさいということで、FIとなり、さらにいまのような HIの音に変わったからだ。日本語でも、昔の「ゐ」や「ゑ」の音が今はすべてひっくるめて「い」や「え」で喋っているのとおなじ趣だとなる。
沖縄の一部には今も PIという音を使う古い発音が残っていて、「花」はパナ、「光」はピカリという。たしかに、ピカッと光る様子をあらわすのには「ピカリ」と言った方が「ピタリ」であると、親父ギャグでまとめている。
そういえば、東海道・山陽新幹線を走る特急は「ひかり」で、我々には特別の違和感もないだろうが、HIKARI と綴る英字表記だと 外国人たちにはハイカリと発音したい気持ちが起きそうだ。いまさらだが「ぴかり」なら超高速のイメージもあるし、英字もPIKARIとなれば、発音フラストレーションも多少は軽減されるだろう。無理にとは言わないが。
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