5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

手羽先の値上がり

2010-03-01 22:29:33 | たべもの
名古屋の街を歩けば、繁華街のどこにでも見つかる「世界の山ちゃん」や「風来坊」の大きな看板。名古屋B級グルメ、鶏の手羽先唐揚である。

名古屋メシは今時の流行の様子だが、この手羽先唐揚、もとはといえば、廃棄される部位を安価に仕入れ、安価に提供した結果のヒットというわけだから、その出来上がりからして名古屋的である。こんな手羽先の流行は日本だけかと思ったのだが、なんとアメリカでも同様の動きがあるらしい。

今日のUSAトゥディには「チキン・ウイング大好きのアメリカ人が増えて値段も上昇」という記事が掲載された。

アメリカ各地のバーや大衆食堂で出されるチキンウイングの価格急上昇でウイング・マンたちは困っているという書き出しである。ウイング・マン(女性の場合はウイング・ウーマン)とはなかなか面白い英語表現だが、アメリカの手羽先好きのこと。記者の造語だろうか。

プロの料理人なら捨てる部位で、いままで見向きもされなかったチキンウイングが、最近の流行で逆に品薄になり値段は天井知らず、だから料理メニューの値上げはやむを得ない結果だということのようだ。流行のわけについては記事ははっきり書いてはいない。

名古屋同様に、ジワジワと人気が出てきたのだろうか。全国チェーンのレストランなどが、続々とメニューにチキン・ウイングを入れてきたからだという業界意見が引用されていることからすれば、やはり、昨今の経済不況による消費者の財布の紐の具合も大きいのだろうか。

農務省のデータだと、2009年のチキン・ウイング(1ポンド=450グラム)の卸価は1ドル47セントで08年比で39%の上昇で、70年代以降で最大の値上幅だという。ところが、鶏肉全体では値安方向にあるというのだから、鶏業者もレストランも困惑気味だと記事はコメントする。

別の記事には、全国チェーンのKFCが新しい「フィアリー・グリルド・ウイング」の広告宣伝を、地方都市の消火栓を使って始めたとあるが、「ホット&スパイシー」な味付けで「口の中の火事を消そう」ということに掛けているわけだろう。日本のKFCには、未だチキン・ウイングを使ったメニューは出現してはいないようだが、この「フィアリー・グリルド・ウイング」の販売計画はあるのだろうか。

KFCのほかにも、フーターズ、ピザハット、セブンイレブンといったチェーンがチキン・ウイングを拡販中だといい、鳥の胸肉を「ボンレス・ウイング」と、食品偽装のような苦肉の策で逃げ切ろうとするところも出始めているのだとか。

「世界の山ちゃん」や「風来坊」の手羽先も、今では輸入品も多いと聞くが、利に聡いアジアの輸出国あたりなら、アメリカの手羽先の値上りはちゃんと読んだ価格交渉を始めようとするかもしれない。名古屋の手羽先の値段も知らぬうちにジワジワと上昇しているなんてことにはならないだろうか。日本のウイング・マンも気をつけねば。





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