5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

災害時のツイッター利用

2010-03-02 22:49:59 |  経済・政治・国際
「日本のツイッター利用率は8%どまり」という富士通総研のデータが朝日のCNETブログ記事に載っている。

調査対象は15歳から64歳までの5451人、1月中旬にインターネットを使って調べられたというが、だいぶん普及したのだろうと思ったツイッターを実際に利用している人が8.2%と少ないのに少し意外な感じがした。「ツイッターなんて知らない」という答えが29.8%、「聞いたことはあっても利用していない」という答えは59.3%にも上る。

年代別の認知具合は40代が73.5%と最も高いが、実際の利用度は10代の14.9%がトップ、12.4%の20代が続く。30代以上は8%以下と低い。職業別では「学生」が16.6%と高く、大学生を中心にした若者にツイッター利用が多いという結果である。

携帯メールなら大得意の若者たちには、同じプラットフォームで発信するツイッターには「苦手感」が最初から少ないのだろう。中高年がリアルタイムのコミュニケーションツールとしてのツイッターを使いこなせないのは判らぬでもない。なにせ彼らの多くが未だにPCでさえ微妙な抵抗感があるのだろうから。

ツイッターのメリット回答としては、「リアルタイム発信がでる」(52.5%)、「ブログより更新が簡単」(52.2%)、「新しいメディアは面白そう」(26.8%)、「有名人をフォローできる」(21.9%)となり、「流行に乗って新しいメーラーを使ってみようか」というほどの「面白半分」的利用が多いようである。

フォローされる有名人としては、鳩山由紀夫首相で23.2%、堀江貴文の15.2%、勝間和代が12.7%という結果だそうだ。政治家のツイッターは一種流行の様子もあって、自分も首相のほかに、民主の藤末健三、自民の山本一太代議士をそれぞれフォローしているが、これもいわば「面白半分」である。

この調査結果を読めば、日本のツイッターは未だ新しいソーシャルメディアとして市民権を得てはいないということがいえそうだ。ところが、このツイッターを極めて有効に使いこなしている国が、地震に見舞われたチリであるというニュースがUSAトゥデ゛ィの記事に見える。

インターネットでツイートが始まったのはM8.8の地震直後のこと。「迷子になった子供の親を探すツイート」「店を開けているスーパーのリストを載せたツイート」などが続々とアップされ、家族の行方探し、食べ物や水の情報、移動手段など、ごく身近な情報交換の前線としてフェイスブックやツイッターのようなSNSが今も大活躍中だと云う。

電源が復旧したあと、SNSに「自分は元気で安全」というメッセージを1度アップするだけで、つながりにくい電話を何度もかけなおす面倒さの無いのも、忙しい被災者には楽だ。グーグルの「ピープル・ファインダー」というハイチ地震の際に導入されたばかりの新しいSNSも大活躍で、一日に35000件というポスティングがあったそうだ。

死者数、救援状況、政府声明、略奪の映像など、マスメディアが送出する無機的な「ハードな情報」とはまったく違う、地域重点・個人中心の情報ばかり。被災者やその家族・友人たちにとっては貴重な生命線ともなっているわけだ。

チリの総人口は1670万人と少ないが、PC利用は極めて一般的で、約40%の家庭がインターネット接続され、ITによるソーシャルネットワーキングの浸透度は世界第4位にランクされているのだそうだ。さらに、インターネットを常に利用するチリ人の9割近くがツイッターなどのSNSを活用しており、フェイスブックのアカウントは580万件と、頭割りでは世界で5位というほど、インターネット利用に抵抗感のない国情なのだ。

地震災害からの復旧に大きな陰の力を発揮しているツイッター。公式の地震統計や政府発表には現われない被災地でのSNSの状況をつぶさに学習し、緊急時のコミュニケーションツールとしてのSNS価値を認識しなおす必要がありそうではないか。すでに約35万人からフォローされている鳩山首相ならお判りだろう。






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