5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

満巷の蝉声

2013-07-25 21:45:09 | 自然
「朝方の雨の後には蝉しぐれ」

昨日の午後の公園、午前中に降った雨が上がり、水を含んだ緑の樹木の通りを抜ける風は涼しい。湿度はたかくても体感はらくだ。熱暑だと黙って我慢するのは蝉たちも人間と同じ感覚なのだろうか、一斉に大合唱を続けている。朝方、脱皮したばかりの新参蝉が一斉に鳴き出したのだろう。

最初の下手句は、そんな賑やかな蝉のコーラスをツイートしたもの。やはり、早速お仲間の戻しツイートが返ってきた。KSさんは「数日前に「クマゼミ」の声を聞いたと思ったら昨晩はもう「ヒグラシ」が鳴いていた。何か変だ。」と云い、MTさんは「庭の隅は穴だらけ。その数だけの蝉が鳴く。蜘蛛も巣を張り蝉が掛かる。毎朝2~3匹逃がすのが日課だ。」と書いた。

「満巷の蝉声 槐影の午 山童戸に沿うて 香魚を売る」

江戸後期の儒学者、菅茶山の詠った漢詩である。日常の情景を実感どおりに鮮明に詩にして新風を開いたというのは、「折々のうた」の大岡信。

うだるような暑さの夏の午後。村の中には蝉の声が溢れ、えんじゅの樹影を伝いながら、山を降りてきた子供が自分で獲った鮎を売って家々を巡ってゆく。 茶山は備後の人。山陽道の夏の暑さが見事に感じられるようだ。デジャヴュ効果がある。

通り抜ける公園にはえんじゅも鮎売りの男の子もいないが、「蝉声」だけは巷に溢れて日没まで続いた。









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