5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

横綱のキャリアパス

2014-04-13 21:46:35 | スポーツ
「横綱の日馬富士が大学院で新たな挑戦を始める」というラジオニュースを聴いて、ホホウと意外な感じがした。意外などとは本人に失礼かもしれない。

相撲の世界では、これまでにも大学の相撲部出身の横綱もいるのだが、現役の横綱が自ら大学院に入って学問をするというのは前代未聞なのではなかろうか。スポーツの他分野でも前例はそれほど多くはないはずだ。あっても体育学関連の学問分野だろう。

ニュースによると日馬富士は法政大の大学院政策創造研究科に社会人対象のAO(アドミッションオフィス入試で合格し、専修するのは「地域経済学」だそうだ。

今日が初めてのゼミ出席、前橋の巡業を終えて大学に到着した横綱はゼミ生たちの地域活性化策についての発表を聞きながら熱心にノートをとっていたという。ということは、報道陣が取材に入ったのだから、横綱と一緒のゼミ生たちの方が緊張したのではなかろうか。

AO枠だから社会人の院生が多いのだろう。取材された54歳の会社員は「時間的に制約があるのに大学院に通おうという気持ちには敬服する。一緒に学ぶことは自分の刺激になると思う」と語っている。

日馬富士はすでにモンゴルの大学通信過程で法律を学んで去年卒業しており、「文武両道」で進みたい気持ちがつよいようだ。「横綱という最高位を張ることができた今、いろいろな意味で一人前の人間になるように、《人間道》に向かって頑張る」と語ったというから、動機付けは出来ているというわけだが、本業現役の横綱相撲と両立しながら(週1、2回とはいえ)大学院に通って修士課程の修了を目指すというのだから、ことは簡単ではない。

入試審査用に提出した研究計画書には「モンゴルが急速に発展するなか公害や貧富の差などに問題が起きている。日本とモンゴルを比較しながら、どうしたら安心、安全で人を信じて暮らせる場所を作れるかということ
について、より深く考えたい」とあるという。将来はモンゴルの経済界で活躍したいと考えているのだろう。

アメリカの場合には、プロとして活躍する野球やフットボールの選手に一流大学のリベラルアート学部出身という者が結構いるし、引退後に大学に戻ってから実業界に転進する者もいる。日馬富士のケースもこうしたアメリカ型のキャリア可能性を示唆する日本での好例になってくれるといい。

だがしかし、大学院修士というインテリ肩書きを社会的に活かすには、土俵上での活躍を世間に認めさせるのがまず第一だろう。








最新の画像もっと見る

コメントを投稿