5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

桜のジャージー

2019-09-20 22:35:29 | スポーツ

ラグビーワールドカップが始まった。日本の対戦相手、最初はロシアだ。TVの画面を見ているが日本が3トライでリードしている。ロシアも必死に食らいついていっている。観客席には安倍総理の姿も見える。なんと赤白のジャージーを着ているのは、目立ちたがり屋の彼らしいが、逆に貧相に見えてしまうのは何故だろう。

フィールドの日本チームももちろん赤白模様。盛り上がった筋肉でジャージーがはちきれそうだ。厚い胸板の左側にはピンク色の3本桜が存在感をアピールしている。〈ブレイブ・ブロッサムズ〉という愛称らしい。

今日の中日夕刊はこの桜のエンブレムについてその由縁を書いている。リードは「桜の誇り胸に咲け」だ。日本代表チームがはじめての海外遠征をしたのは1930年のカナダというからすでに90年ちかくになる。しかも6勝1分の好成績だった。

桜のエンブレムはこの時の監督と選手たちの話し合いで決まったのだそうだ。桜に込めたメッセージは「正々堂々と戦え。負けたら潔く散れ」というのも極めて日本的である。

デザインは「つぼみ、半開き、満開」の三本をあしらい「いつかラグビーの生まれたイングランドと戦えるようになったら全部満開にしよう」という合議。その約束どおり桜が満開になったのは1952年のオックスフォード大チームとの対戦だった。

その後の国際試合では、いまひとつ奮わなかった日本チームだが、2015年のイングランド大会で強豪南アフリカにみごと勝利。桜エンブレムが再び花開いた瞬間だったといえる。

NHKのラグビー紹介番組では、日本チームのジャージーの秘密を解説していた。日本チームの体格のハンディをジャージーでカバーできないかというのだ。チャージの多いゲームだけに、相手からジャージーを掴まれてしまうと、こちらの動きが阻害される。「掴まれない」ジャージーにするには「体にぴったりフィットし、シームなどの手がかりを極力なくすこと」ということで、特別な織りの布をつかった選手ひとりひとりのオートクチュールという贅沢なものになったらしい。日本のテキスタイル技術の見せどころがラグビーにもあったというのは驚きである。

午後9時45分。ロシア戦が終わった。結果は30対10の幸先の良い日本一勝だ。初のベストエイト進出を目指す〈桜の戦士たち〉は試合後も余裕さえ見られた。

1930年のカナダで現地メディアに「閃光きらめくあざやかなランニング、正確なハンドリング」と褒められた妙技を、2019年の日本でも見せてほしいものである。









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