5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

どぶ板を歩く

2020-04-21 21:28:35 | スポーツ

スーパーへ買い物に出かけた。もちろん不要不急な外出ではない。住宅地のいわゆる生活道路の路肩を歩きながら考えた。「平坦な完全舗装を我が物顔で走る車に比べて、歩行者はどうして何十年も「ドブ板」の上を黙って歩かされているのだろうか」と。社会がこの状態を永劫に続かせようとするのであれば、高齢化する日本の未来はあまり明るくはない。

生活道路の側溝には「ドブ板」がすべてあるというのならいいが、場所によっては、突然そのドブ板がなくなる箇所も多いのだ。こうした箇所では歩行者は車の方へハミ出すしかない。夜間などなら足を踏み外して側溝に落ち込むなんてことも起きる。

この前も国道から側道に入った途端、アッという間に、見事ドブ板のない側溝にはまり込んだ。手足を擦りむき、タブレットのガラスに罅が入っただけで、骨折などの面倒なことにならなかったのは幸いだ。自分の不注意ではあるのだが、道路行政の不備はないのだろうか。

今日のNHK富山局が「県内の用水路や側溝で94人死傷」という記事を載せている。

NHKは県内の8消防本部に対して去年1年間に用水路や側溝などへの転落によるとみられる患者の救急搬送や捜索で出動した件数、けがの程度などについて取材をした。その結果を纏めると、通報によって出動した件数はあわせて97件にのぼった。このうち現場や搬送先の病院での死亡は19人で前の年より1人増えたほか、怪我は75人で前の年より16人増えている。死傷者94人のうち70%にあたる67人は高齢者だった。

「用水路事故は県警や消防、自治体それぞれが把握していると思うが、事故の概要をまとめた統計を作り、ヒヤリハット事例などをもとに事故防止を啓発していくことが必要だ」という災害リスク評価研究所の代表の指摘が引用されているが、これは県警、消防、自治体が用水路や側溝で起きた事故統計を共有していないということだろうし、事故防止への啓発活動もおろそかになっているということになるのではないのか。

自分の場合などのように、救急車を呼ぶほどではなく事故として届けられなかったハプニングだったり、ヒヤリハットな事例は、この何十倍、何百倍あるのか想像もつかない。

研究所代表は「高齢者には年齢とともに体力や運動機能の低下に気づかずに、体がついてこないということを特に自覚してもらう必要がある」とコメントしたようだが、狭い側溝のドブ板の上を、凸凹の激しい路肩を、電柱を廻りこみ、アオる車を避けながら、雨の日には車輪の水はねから逃げながら、オロオロ歩く経験はしたことがないのだろうか。

 


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