5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

ムクドリのねぐら

2009-06-21 20:34:28 | 自然
駅前広場に立っている数本の街路樹、欅だろうか。青葉を拡げてちょうどいい木陰を作り、潤いの一角だとおもったのだが、なんと、先週半ばには大きな枝が切り落され、葉の全てがむしり取られた惨めな裸木になってしまった。樹高がいっぺんに半分くらい縮まったようだ。大胆すぎるトリミングが終わると、待っていたように白いムクドリ避けのネットが裸になった幹に掛けられた。ネット掛けかえの為の伐採だというわけか。

暑い夏を迎える準備で枝を伸ばし、葉も拡げたはずの樹木にとっては迷惑至極のことだろうし、快適な寝床を突然奪われたムクドリたちも、周辺の電線につかまりながら、人間の身勝手な振る舞いを声高に非難し続けている。

夕方のムクドリの合唱は確かに姦しいし、枝下は落下物がタイルを汚すこともあろう。ムクドリ避けのネット張りは、たぶんどこかの誰かからの迷惑投書に市側が対応したことに始まるのだろうが、静かな住宅地とは違い、商業地で交通量も多く夜遅くまで人通りの多い駅前のこと、まして鳥たちの合唱は夜っぴて続くわけでもないのだから、ことさらに気にするほどのこととは思えないのだ。事実、ムクドリの鳴き声よりも、交通騒音の方がやかましいほどなのである。

鳥たちが好んで集まってくる環境が、駅前に残っていることをこそ悦ぶべき時代に変わりつつあるはずなのに、なんでも迎合型行政のなさけない部分を見てしまったような気がする。ただでさえ、緑の少ない我が街の玄関口の「貴重な緑」を丸裸にして「市民サービスに努めております」もないではないか。一度バッサリやってしまえば、ひと夏の管理費が安く浮くというケチな役人意識が動いたか。

近頃はやりの「エコ推進」だが、駅前広場に樹木は不要と考える行政なら、「都市緑化」は標語だけのこと、公園拡充と植樹推進より、自動車拡販と道路整備の方に力が入るのは間違いない。

かくして街の中心から樹木が消えてなくなり、地上はすべてコンクリートで埋められ、舗装された生活道路という名の自動車道路を不必要にデカイ《エコ》カーがラジエーター熱を周りに振りまきながら走り回る。思うだけでも暑そうじゃないか。トヨタに推された民主党の市長だからしょうがないか。ああヤダヤダ。

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