お二人さまの老後

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還暦を過ぎた教え子からの素晴らしい贈り物

2016-12-27 10:49:45 | 日記・エッセイ・コラム

 11月からブログに載せたいことがいろいろありながらその時間がなく10月山行も前半の蓼科山だけ、四国旅行も前半だけしか報告できませんでした。ブログを覗いてくださった方には申し訳ありません。

 年末の家事で忙しい最中ですが、遅ればせながらできるだけ頑張って記します。

 きょうは還暦を過ぎた教え子たちからの素晴らしい贈り物のことを記したいと思います。

 25歳で担任した中学1年生はすでに還暦を過ぎた62歳。夫もその学年の3クラスの内2クラスの国語を担当しました。

 彼らから「中学校に入学して50年になります。先生、授業をもう一度やってもらえませんか」と夫が依頼されたのです。

 私も担任として招かれ、11月6日(日)に横浜の港が一望できるイタリアンレストランでの同期会の中で30分ほどの授業が組まれました。

 皆さんには一昨年発行した夫の著作(表紙絵や挿絵には私の描いたスケッチを使用)「戦後教育、70年を振り返る」~実践の言葉を綴りながら~をお配りし、教材として使ったのは夫の敬愛する詩人長田弘氏の「最初の質問」です。

 この随想は「今日、あなたは空を見上げましたか?」で始まります。

 それぞれの卓上には準備した教材と筆記用具や一筆箋・便箋などが用意されていました。

 そして長田弘の詩の中で印象に残った問についてその答えを皆さんに書いてもらったのです。皆さんの答えはそれぞれの人生からにじみ出る重い言葉でした。そしてその答えを書いた一筆箋や便箋は幹事の計らいで何人分かずつ封筒に入れて渡されました。

 「人生の材料は何だと思いますか」と問われてA君は「自身、家族、友人、そしてご縁のあった人です。先生と同じ、出会いだと思います」

 「あなたにとっていい一日とはどんな一日ですか」B君は「この年までサラリーマンを続け、毎日が怒りと喜びと、その他あらゆる感情のくり返し、これで一日が終わります・・・これすべてがいい一日と思える年齢になりました」と歩んできた人生を述懐します。

 「幸福って何だと思いますか」という問いが歩んできた人生を振り返るきっかけにもなりました。いろいろ思いをめぐらした後で「苦難の後に到達する遊仙境」と定義づけたCさん。

 「幸福って何だと思いますかはとても難しいです。毎日何かに感謝できる日々はとても幸福だと思います。ちいさなことにも感謝できるように豊かな気持ちを持ちたいです」とDさん。

 Eさんは「私の一番心に残った質問は『わたしたち』というのは誰ですかという質問です。これは自分をどう位置づけるのか どこから周りのすべてのことを眺めるのかということで、いろいろな質問の根底になるテーマのような気がします」

 「何歳の時のじぶんが好きですか」と問われて「62歳、今の自分が好きです」とF君。

 42名の62年間の人生に裏打ちされた重い言葉を胸に今日の出会いの有難さをしみじみ感じながら帰路についたのでした。

 加えてその1か月半後の今月16日の夜、幹事4人がお礼に藤沢で一席設けてくれたのです。その中に「わたしたち」というのは誰ですかという質問についてじっくり答えを書いてくれたEさんも加わっていました。

 少ない人数での会食は個人的な話も聞けてまた良いものです。そして美味しいご馳走を頂きながらの談笑の後、思いがけずEさんから真心のこもった手作りの贈り物を頂きました。開けてみて感激!2枚のタオルに可愛らしいクリスマス仕様のアップリケを施したものでした。

 彼女たちには中学1年生から3年間、フランス刺繍や編み物・ろうけつ染めなどを教え、自らも数多く作品を作りしましたが、今はそのような根気もありません。本当にうれしい贈り物でした。

                 

 以上、中学50年生に授業をさせてもらいその重い答えと併せて教え子から素晴らしい贈り物を頂いたうれしい報告です。

 


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