お二人さまの老後

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困難を乗り越え、Y先生の米寿のお祝い会を実現

2017-03-31 14:40:02 | 日記・エッセイ・コラム

 この3月19日(日)は茶道の40年来の恩師Y先生の87歳のお誕生日でした。

 Y先生は一昨年の2月、お茶のお稽古の準備中に台所から茶室に沸騰した湯の入ったやかんを運ぶ際に転び、腕や足に大火傷をされ、大変な移植手術などを経て、ようやく1年後くらいに回復されたのですが、「ご主人の介護は無理!老人ホームに入りなさい」と医師から宣言され、我々弟子も適当なホーム探しや入所をお手伝いし、昨年夏に同じ鎌倉市内の老人ホームにご夫婦で入られ、暮らしておられます。

 月に1度はお見舞いに伺っていますが、ホームでは上げ膳・据え膳で楽な反面、生きがいが無いように感じられ、お子様の居られないY先生の生きがいは茶道と思い、「先生がホームから家に帰られる時間が持てるように、また、何とかお茶のお稽古が続けられるように」と考えた末、3か月に1度くらいはY先生宅に集まって、「複数集まらなければできない七事式などのお稽古をしたい」と社中の皆さんに提案しました。

 お稽古をするとなるとお掃除や準備・後始末が必要です。私は一番年長ですが自分一人ではとても不可能です。幸いお仲間に賛同を頂いて、若い元気な仲間がお掃除やお稽古の準備を手伝ってくださり、昨年3月19日、先生の86歳のお誕生日に1年1か月ぶりにお稽古と「快気祝いの会」が実現したのでした。

 3日前にお掃除や準備に横浜栄区在住のFさんと葉山在住のMさんが行ってくださいました。Fさんは高校の茶道部を永年指導しており、和服にモンペを履いてバイクに乗って移動する頼もしい大和撫子です。

 当日は午前中に利休忌・茶かぶきの稽古を、昼から午後にかけて「快気祝いの会」を片瀬の「かくれ家わたなべ」で行いました。先生は「私はしあわせ!」ととても喜んでくださいました。

 それ以降、6月「初風炉と花月」、9月「天然忌と且坐」、12月「炉開きと花月」というように3か月に1度は何とかお稽古を続けてきました。

 そしてこの3月19日(日)は先生の87歳のお誕生日ということで、「米寿のお祝い会」を計画したのです。

 弟子たちも高齢の親の介護や夫の介護などそれぞれに事情を抱えています。幸い先生を含めて8人が(お祝い会には9人が)集合できました。

 今回も3日前の準備ではいつものFさん、Mさんの他、着付けの先生をしているNさんも少ないお休み日を割いて横浜旭区から駆けつけて来てくださり、お掃除や先生の着物の準備などをしてくれました。先生はもう一人で着物を着られる状況ではありませんが、米寿のお祝い会なので、着物姿でお稽古やお祝い会に参加し、記念写真にも写ってほしいと思い、無理にNさんにお願いしました。

 しかし、あろうことか間近になって肝心の私が体調を崩してしまいました。準備の際の水仕事は3人にお任せして何とかしのぎ、翌16日(木)にかかりつけ医を受診しましたところ、体温は37,6°でしたが初期のインフルエンザA型と診断されてしまいました。

 12日に横浜に出かけた際、東海道線の中で近くで咳をしている人がいていやだなあと思ったのですが、11日から15日まで出ずっぱりで疲れていたのもいけなかったようです。

 医師には「19日のお茶のお稽古と先生の米寿のお祝い会を何としてもクリアしなければいけないので治したい」とお願いすると「一発で効く薬を処方するから薬局に行ったらすぐ吸引するように」とのこと。

 確かに熱はそれ以上上がりませんでしたが、気分は良くありません。横になって回復を待ちましたが、18日になって右の顔半分の感覚が麻痺し腫れてきてしまいました。しかし3連休の休診日で受診ができません。解熱剤や咳止めを処方していただいてありましたが、熱はそれほど高くなく咳も出ません。この顔の麻痺と腫れはなぜ?

 とにかく明日に備えて、美容院に出かけシャンプー・ブローをしてもらい、また休みました。

 そして19日当日を迎えました。体調不良で着物を着る元気もありませんので、洋服で参加することにし、99,9パーセントウイルスをシャットアウトするというマスクをして車で出かけました。

 9時頃、Y先生邸に着くとすでにFさん、横須賀のOさんが準備をして下さっていて、実家が七里ガ浜のTさんがMさん、Nさんと共にY先生のお迎えに行ってくれています。

 かねて手配しておいた菜の花を象ったきんとんを丁度西鎌倉の和菓子屋さんの若奥様が届けてくださいました。「お天気でよかったですね」と笑顔で・・・。

 やがて先生も到着し3人が介助してやっと家に上がることができました。そして別室でNさんが先生の着付けをしてくださる間に茶室の準備。Fさんが炭を起こし、湯を沸かしてくれたのを釜に入れました。

 床の間にはすでに利休像が掛けてあります。そこに用意していった矢筈板に青磁の鶴首の花入れを置き、利休さんのお好きだった菜の花を入れ、菜の花のきんとんをTさんが供えてくれました。

 着付けを終えた先生にはソファーに座っていただき、利休忌・茶かぶきのお稽古開始。

 久しぶりにOさんに供茶の亭主をして頂き、Y先生と茶かぶきで亭主を務めるNさんと執筆を務めるKさんと私がお相伴させていただきました。先生は久しぶりのお茶を「美味しい!」と言って喜んでくださいました。

  

 次は「茶かぶき」のお稽古です。「茶かぶき」とは試し茶で濃茶を2種類飲んでから、お茶名のわからない3種類のお茶を頂いてお茶名を当てる七事式で、お家元などでも利休忌の後のお稽古でするのが習いになっているようです。

 

 執筆者は畳の上で墨を擦り、小奉書に筆で茶かぶきの参加者の名前を書いて準備します。客は試し茶で2種類のお茶を味わい、「本茶」でいただいた3服のお茶を味わい、上林か竹田か客を判断して、前もって配られた名乗り札を折据に入れて投票します。試茶は2種類で、本茶は3種類なので味わったことのないお茶が含まれ、3種類とも当てるのは難しいのです。

 今回はさすがFさんが全部正解し、筆で書かれた「茶かぶきの記」をいただかれました。

 Nさんが用意してくださったお雛様の和三盆と仙台の銘菓「霜柱」を皆さんでいただき、お稽古が終了したのは会食場所に予約した12時半を回っていました。

 炉の火とお釜だけを始末し、後の片づけはFさんがお祝い会の後、片づけてくださるというので、急いで3台の車に分乗して向かいました。連休中で海岸道路は混むので、地元出身のTさんが忍者のように我々の知らない裏道を案内してくれて1時過ぎころ片瀬の「かくれ家わたなべ」到着しました。

 大分遅れましたが女将は快く迎えてくれました。インフルエンザをうつすといけないので先生から離れたところに座らせていただきました。おしゃべりを楽しみながら美味しい懐石料理を頂きました。

   

 最後にピンク色の薔薇を中心としたお花のアレンジを先生にプレゼントして、全員で記念撮影をしました。

 

 女将からも赤いバラを2本プレゼントされました。若いTさんが皆さんだけでなく、わたなべの女将にもフクロウの絵のチョコレートを配っていて、気遣いができることに感心しうれしかったです。

 2時半過ぎにお祝い会は終了。帰りはOさん、Tさんに先生のお送りをお任せし、私は直に帰宅させていただきました。

 着物の着替えやお稽古の後始末など皆さんができる最大限のことを自発的にして下さり、さすがY先生の薫陶を受けた弟子たちと有難かったです。

 先生もとても喜んでくださって、米寿のお祝い会と利休忌・茶かぶきのお稽古を無事に済ませることができ、ほっとするとともに皆さんに感謝しています。

 なお蛇足ですが連休明けの22日に内科を受診したところ、W先生は顔の腫れを見て「これは大変だ!」とすぐに近くの脳神経外科医院を紹介されました。脳神経外科での脳のMRI検査では異常がなくウイルスが顔面神経に悪さをしたためとのこと。ステロイド剤や麻痺を鎮めるビタミンB12や胃腸薬などを処方され飲んでいます。味覚が失われにおいも感じなくて食欲なく体がだるくて参りました。。

 1週間後の27日に内科を、28日に脳神経科を受診したところ大分よくなっていいるのでステロイド剤を減らしながら様子を見ることになりました。

 夫と27日から29日まで参加する予定だった瀬戸内の桜巡りの旅はキャンセル料6万余円を出してキャンセルせざるを得ませんでした。しかし健康には替えられません。

 昨日ぐらいから味覚も戻って来て食欲も少し出てきたので後1~2週間で回復することを期待しています。

 インフルエンザも怖いですね。来年からは予防接種をするとともに、後期高齢者になったのだから、外出はせいぜい週に2回までと決めて、特に冬から春への季節の変わり目には無理をしないようにしなければいけないことを学びました。

 

 

 

 


2月のお稽古 台目棚を用いて

2017-03-07 14:08:04 | 日記・エッセイ・コラム

 2月のお稽古は12日(日)と25日(土)に行いました。お稽古も「一期一会」と思い、お茶事のように炭点前、濃茶、薄茶の流れで稽古をしています。

 道具組は両日とも同じでした。

 お掛物は 円覚慈雲筆 「宜黙」 25年ほど前にY先生と共に円覚寺に老師をお訪ねした際に老師から頂戴した墨蹟を表装させていただきました。「宜黙」は「黙が宜しかろう」の意と教えていただきました。思ったことをすぐ口に出してしまう私への戒めにぴったりの言葉で、有難く頂戴しました。拝見するととても穏やかな心持になる大切なお掛物です。

 

 花は竹の一重切にNさんがお持ちくださった木瓜と庭の水仙を、25日には庭の木瓜の緑の枝とクリスマスローズ・太郎冠者侘助を入れました。

 台目棚は小間の三畳台目席などのお稽古が広間でもできるように作られたお棚です。

 表千家不審庵が三畳台目席で、次の写真がその不審庵でお点前をされるお家元の而妙斎宗匠。「同門」の今年3月号に掲載された宗匠喜寿のお祝いのお茶事のひとこまとのことです。

 最初にSさんに炭点前を稽古していただきました。台目棚は大棚の扱いなので、羽の置き方やお釜を上げた後、後ろ障子近くまでお釜を移動することなどが小棚と異なります。

 

 次にNさんに組合点の濃茶点前を稽古をして頂きました。組合点は建水が名物とか由緒ある品を用いた時にするお点前です。準備で柄杓・蓋置を棚に飾り、建水に茶入を入れた茶碗を重ね、茶杓をのせて飾っておきます。

  

 次はAさんに筒茶碗で絞り茶巾の薄茶点前を平棗で稽古していただきました。筒茶碗も絞り茶巾も寒い時期にお客様に熱いお茶を差し上げたいという配慮からなされるお点前です。その後、Tさんに梅紋茶碗で薄茶点前をして頂きました。

  

 25日の稽古では炭点前をSちゃん(左利きなので炭を火箸で挟むのに苦労していました)、組合点をH.Aさん、筒茶碗でしぼり茶巾の薄茶をM.Aさんに稽古していただきました。男子の点前は女子と異なる点があり、M.Aさんがいらしてくださると男子点前の勉強ができ、また楽しいです。

 久しぶりにお稽古に見えたS.Tさんには薄茶点前を途中で替わっていただきMさんのために薄茶を点てていただきました。

 Sさんには皆さんが帰られてから、帛紗捌き、棗の浄め方、茶杓の浄め方、茶巾のたたみ方、茶碗の拭き方、柄杓の扱い、畳の上での足の運び方などの部分稽古をして頂きました。キャリアウーマンでお忙しく、なかなかお稽古に来られませんが、茶道の魅力を感じ取っていただき、気分転換になるとうれしいです。たたずまいがとても素敵なTさんでした。

     

 

 

 

 

 

 

 

 


 蝋梅に始まり、梅に彩られた早春2月

2017-03-06 17:35:19 | 日記・エッセイ・コラム

 山酔会のグループやお茶の稽古仲間にラインで写真や近況をアップするようになってから、ついブログが疎かになりました。感動を小出しにするとまとまった記事を書くエネルギーが失われることを実感しています。訪れてくださった方には申し訳ありません。蝋梅に始まり梅に彩られた2月の報告をします。

 早めにバレンタインチョコレートをプレゼントしたのですが、お返しにと夫がいつも行く湯河原温泉に予約してくれて13日から一泊で出かけました。寒がりの夫が温泉に入りたかったのが本音だったのかもしれませんが・・・。

 温泉で温まった後、翌日は早めに宿を出て湯河原梅林を訪れました。宿で入園券を頂くことができました。

 湯河原梅林は幕山の麓にあります。一度国道に出てから二つ目の信号を左に入り坂道を登っていきました。開場は9時。先着の車が一台待っていてました。間もなく開場になり車で登っていくと一番上の第一駐車場に留めることができました。駐車料金は500円でした。

 まだ観光客が少なかったのでゆっくり梅林の散策路を歩きながら梅を観賞しました。開花は白梅が早いようで東屋の近くの白梅にはメジロが沢山群がっていました。

 

「鶯宿」という素敵な名前の梅は淡いピンク色でした。まだ5分咲きくらいで「梅の宴」は

3月上旬まで続くようです。売店でネーブルを売っていました。5~6個入って200円と安く、お隣へのお土産を含め3袋求めました。湯河原梅林は初めてでしたが、規模が大きく一度は訪れたい素晴らしい梅林でした。

 2月18日には元同僚の女性たちとの食事会で片瀬の「かくれ家わたなべ」に11人が集合しました。懐石料理にに舌鼓を打ちながら旧交を温め、近況報告に花が咲きました。現役の人は苦労を語りながらも前向きにそれぞれにがんばっているようでした。退職した人たちからも再任用で仕事を続けている人、趣味や健康維持に努めている話などを楽しく聞くことができました。

 食事の後、片瀬の常立寺に案内しました。常立寺は元使塚があり大相撲藤沢場所の後、モンゴルのお相撲さんがお参りすると新聞記事に出るのですが、この時期、紅梅白梅のしだれ梅が見ごろになるので知る人ぞ知るお寺です。

 

 この後、日蓮ゆかりの龍口寺まで足を延ばしました。神奈川県で唯一の五重塔があり、各層のレリーフには日蓮の一生が木彫りで表現されています。毎年9月12日は龍口法難会が盛大に行われ、東京などからも講中が集まって纏を振り回しながら太鼓をたたいて参道を上がっていき、国道の両側は縁日で賑わうのですが、この時期の龍口寺は静かでした。

 こうして集まれるのも仲間との絆を大切に労を惜しまない幹事のT.Sさんのお蔭と常々感謝しています。