11月3日(土)に炉開のお稽古をしました。「炉開」は立冬の後、初夏から秋まで使っていた風炉を仕舞って、炉を開く行事で、茶道のお正月にあたります。今年は都合で立冬の前の11月3日(文化の日)に炉開き・口切をしました。
炉開では、初夏に摘み取った濃茶の茶葉を詰めておいた茶壺を床の間に飾っておきます。その茶壺の封を切ってお客様の所望する茶葉を取り出し、擦って抹茶にした濃茶を点ててもてなしますので「炉開」は「口切」とも言います。
初座では床の間に「開門落葉多」の掛け軸と共に茶壺を飾っておきます。
お客は席入りの前に蹲で手を浄めます。
席入りでは床の間の掛け軸や飾り壺を拝見してから、炉の前に進みお釜や炉縁、棚と棚の飾り物を拝見して席に座ります。
今回は小袋棚に唐三彩の杓立・蓋置・唐金の鍛金の建水を飾りました。
全員席入りしましたら、亭主は正客はじめお客と挨拶をかわし、正客は最初に飾り茶壺の拝見を所望します。
亭主は床の前に行って茶壺を茶道口近くの道具畳に持っていきます。茶壺の口覆を外して茶壺と口覆を拝見に出します。
口覆は名物裂で作られているので拝見に出すのです。写真は正客が茶壺を拝見しているところです。
正客はお客を代表して茶壺の由緒やどちらの焼き物か、また口覆いの裂地について尋ねます。
茶壺の入っていた箱の蓋には茶師が半紙に筆で書いた「入日記」が貼ってあります。正客は茶壺を返した後、入り日記の拝見も乞います。そして入日記を下げる際、亭主は「どちらのお茶を差し上げましょうか」と尋ね、正客は「芳雲をお願いいたします」などと答えます。
次に炭点前をAさんにしていただきました。炉開はおめでたいので、格の高い瓢(かんぴょうの実)の炭斗を用います。
炭点前が終わると本来、茶事では懐石が供されます。懐石を頂いている間に炭の火が起きて、美味しい濃茶が点てられるわけです。
濃茶点前はSさんにしていただきました。お菓子は白菊という名の上品な甘さの柚子餡のきんとんでした。
次にAさんに薄茶点前をして頂き、その後写真は撮りそこないましたが、Tさんにも薄茶点前を稽古していただきました。
楽しく充実した炉開・口切のお稽古でした。
今回都合で参加できなかったNさんとM.Aさん、Hさんには11月23日(勤労感謝の日)に同じお稽古を体験していただく予定です。
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