お二人さまの老後

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26年の桜巡りの旅 その2 京都で過ごした優雅な時間

2014-05-20 13:31:39 | 日記・エッセイ・コラム

  吉野と京都の桜巡りツアーを申し込んだ後、「平安神宮  紅しだれコンサート2014」の新聞広告を夫が見つけました。出演は東儀秀樹さん。10日が初日で 第1部は18時40分から、第2部は19時50分から。第2部には間に合うでしょうと早速申し込みチケットを手に入れていました。

  しかし眠りから目覚めるとバスはまだ桜井あたりを走っていて、時間は16時30分になろうとしています。間に合うか心配になりました。

  二条城前のANA CROWNE PLAZAホテルでの夕食はフランス料理を申し込んであり、 18時10分からの予定でしたが、添乗員さんに紅しだれコンサートに行く計画を前もって伝えてありましたので、私たち二人だけは早めに始められるように手配してくださったとのこと。

  心配は杞憂に終わり、高速道路に乗るとバスは順調に走って、17時30分にはホテルに到着。17時50分頃レストランに行くと奥の席に案内されました。お客はまだ私たち二人だけ。フランス料理のフルコースなので生ビールの後は赤ワインとロゼワインを注文。 美味しいお料理に舌鼓をうちました。

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  お料理をカメラに収めていると「メインディッシュと一緒にお撮りしましょうか」と若いイケメンのスタッフがシャッターを押してくれました。 Dscn4529 Dscn4548

お料理にもスタッフのおもてなしにも大満足。19時半前には食事を終え、スタッフにお礼を述べてタクシーで平安神宮に向かいました。

   平安神宮の庭園では しだれ桜がライトアップされ、人々がそぞろ歩きしています。一部はすでに終わっていましたが、入れ替えなしなので帰る人は少なく、池に面した場所の三列目ぐらいに並んで演奏を待ちました。やがて桜色の狩衣をまとった東儀さんが登場し、トークと演奏が始まりました。昨年のコンサート時はすでに桜は散ってしまっていたそうですが、今日は満開の桜と月の下での優雅なコンサートです。「ハナミズキ」「ジュピター」などが演奏されました。前の人が徐々に抜けて最後は一番前で演奏を聴くことができました。

  3日目。最初に向かうのは洛北原谷苑。バスが入れないので大きな荷物をバスに預け、相乗りタクシーで向かいます。原谷苑は戦後、景色の良い丘を選び、数百本の桜や紅葉他数十種類の樹木を植樹したことに始まり、現在は梅・桜・紅葉のシーズンは一般に公開しているそうです。福島の花見山よりは規模は小さいけれどまさに桃源郷でした。

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  次にタクシーで仁和寺にむかいました。仁和寺は宇多天皇以来、皇子皇孫が門跡となられ、御室御所と呼ばれ親しまれてきたお寺。金堂は国宝、五重塔は重要文化財に指定されています。左の写真は宸殿よりの北庭、右が名勝 御室桜です。御室桜は土が粘土質のため根が伸びず枝も低いのが特徴。晴天に恵まれ大勢の観光客が訪れていました。

  ここからはバスでの移動に戻り、妙心寺前の精進料理の店で昼食。

  昼食後は妙心寺退蔵院庭園の枝垂れ桜を観賞。

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  最後に知恩院の駐車場にバスを止め、自由行動となりました。

  知恩院の男坂を上がり、毎年大晦日に除夜の鐘が中継される大きな梵鐘と方丈庭園を見学した後、女坂を下って左手にある友禅苑を観賞しました。友禅苑は「京友禅」の祖・宮崎友禅斎の生誕300年を記念して昭和36年に改修造園された庭園で、茶室・白寿庵と華麓庵があります。訪れる人も少なく静かで趣のある庭園でした。

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  この後、京都駅までバスで移動し、17時頃桜満喫の旅は終了しました。

  最後にこの旅で夫が詠んだ短歌と俳句を紹介します。

    新緑の山を衣に線刻の崖弥勒仏彼の岸に立つ (大野寺)

    石塁を確とつかみて立ち上がる又兵衛桜枝垂れて吹雪く (又兵衛桜)

    桜鮎とは美しき吉野川 (吉野川)

    花冷や御陵は北を向きて在り(後醍醐天皇陵)

    狩衣の桜の色を重ね着て雅楽師一人月明に奏づ(平安神宮)

 

 


平成26年の桜巡りの旅 その1 本郷又兵衛桜と吉野山

2014-05-15 16:50:58 | 日記・エッセイ・コラム

  4月9日から2泊3日で奈良・吉野山と京都の遅咲き桜を巡るツアーに夫と二人で参加しました。

  1日目は 名古屋駅に10時10分集合。近鉄特急に乗り、名張からは迎えの貸し切りバスで奈良・大野寺の枝垂桜と本郷の又兵衛桜をめぐり、五条市のホテルに宿泊。

  2日目は吉野山の中千本から下千本の桜を見物した後、京都に向かい二条城前のホテルに宿泊。

  3日目は原谷苑や仁和寺の遅咲き桜などを愛で、17時頃京都駅で解散という贅沢な旅でした。

  参加者は20名。3日間天候に恵まれ、満開の桜を堪能しました。

  最初に訪れたのは室生寺近く、宇陀 川の清流 に臨む大野寺。見事な満開の枝垂桜が迎えてくれました。宇陀川を隔てた彼岸の岩に弥勒摩崖仏が線刻されています。

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次に向かったのは本郷の又兵衛桜。NHKの大河ドラマ「黒田官兵衛」にも登場している息子と一緒に育てられた後藤又兵衛が植えたという壮麗な枝垂れ一本桜です。

歴史を感じさせる石垣に段々畑の黄Dscn4448色い菜の花と桃の花が彩を添え、樹齢約300年の薄紅色の枝垂桜が存在感を放っていました。今回の旅で最も印象に残った桜です。

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  最後に吉野川に沿った道を五条に向かいました。五条は江戸時代の町並みと建物が残っており伝統的建築保存地区に数年前に指定されたところ。和歌山県に近い吉野川(紀の川)沿いの町です。ボランティアガイドの説明を聞きながら1時間ほど歩いて見学してから、リバーサイドホテルに到着。

一日の 歩数は12,800歩に達し、さすがに疲れて、夕食後は9時台のスポーツニュースを見届けることなく眠ってしまいました。

  二日目は今回の桜巡りで一番の目的地・吉野山です。

バスは吉野川沿いの国道を少し遡り吉野大橋を渡って吉野山に入りました。最初に訪れたのは如意輪寺。バスを降り坂道をかなり下ったところにありました。最初に住職の説明を伺いました。建武の中興を成し遂げた後醍醐天皇が足利尊氏との争いを逃れて吉野に行幸。如意輪寺は南朝の勅願寺とのこと。早朝で観光客も少なく境内は清らかな空気が流れていました。

夫は如意輪観音を拝観したかったようですが御開帳の時期ではないとのこと。 石段を登ったところにある多宝塔の枝垂れ桜は何とも言えない風情がありました。

宝物館には楠正成の子・正行が辞世の句を刻んだという木の扉や蔵王堂の蔵王権現のモデルとなった仏像などが安置されていました。吉野は葛の名産地で、住職自ら手作りされたという葛の干菓子をお茶のお稽古に求めました。

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後醍醐天皇の御陵が石段を上った裏山にありました。京都に戻る願いもかなわず吉野で身罷られ、 御陵は北(京都)の方角に向けて建立されているとのことでした。

  次に歩いて金峯山寺蔵王堂に向かいました。金峯山寺は今も修験道の中心道場になっているとのこと。大きな本尊の蔵王権現がご開帳されていて多くの人と一緒に参拝しました。

  吉水神社に向かう途中、一目千本という桜の眺望が開ける場所があり、多くの人が見入っていました。吉野山の桜は若葉と同時に開花するヤマザクラで、ソメイヨシノと異なり花の色は白または薄紅色。芽吹きのころ芽の先が赤く染まるのも吉野桜の特徴だそうです。

  昼食は急坂道を上ったところにあるお寺で精進料理を頂くことになりました。ここからの眺めがまた美しく、桜の木々の間に先ほど訪ねた如意輪寺の青い屋根が見えます。時間の余裕があるので、お寺の方の許しを得てスケッチをさせていただきました。

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この後自由行動となり、吉野名物の葛切りをいただくことにしました。店は盛況で椅子に座って待ちましたが、葛切りの滑らかさと黒蜜の甘みがマッチしてとても美味しく大満足でした。さらに歩きながらお土産を探し、お茶のお稽古用と留守番を頼んだ甘党の甥に桜の花入り羊羹、茶道のY先生に葛の干菓子、Sちゃんに吉野和紙製の起き上がりこぼし、夫は弟に生のにごり酒を求めていました。

  蔵王堂の下の石段に集合し、下のバスの駐車場まで坂道を下りましたが、この頃には吉野山は 観光客であふれていました。

  14時50分にバスは京都に向けて出発。坂道を上ったり下ったり、15.000歩も歩いたのでさすがに 疲れ、バスに乗ると間もなく眠ってしまいました。

 

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