吉野と京都の桜巡りツアーを申し込んだ後、「平安神宮 紅しだれコンサート2014」の新聞広告を夫が見つけました。出演は東儀秀樹さん。10日が初日で 第1部は18時40分から、第2部は19時50分から。第2部には間に合うでしょうと早速申し込みチケットを手に入れていました。
しかし眠りから目覚めるとバスはまだ桜井あたりを走っていて、時間は16時30分になろうとしています。間に合うか心配になりました。
二条城前のANA CROWNE PLAZAホテルでの夕食はフランス料理を申し込んであり、 18時10分からの予定でしたが、添乗員さんに紅しだれコンサートに行く計画を前もって伝えてありましたので、私たち二人だけは早めに始められるように手配してくださったとのこと。
心配は杞憂に終わり、高速道路に乗るとバスは順調に走って、17時30分にはホテルに到着。17時50分頃レストランに行くと奥の席に案内されました。お客はまだ私たち二人だけ。フランス料理のフルコースなので生ビールの後は赤ワインとロゼワインを注文。 美味しいお料理に舌鼓をうちました。
お料理をカメラに収めていると「メインディッシュと一緒にお撮りしましょうか」と若いイケメンのスタッフがシャッターを押してくれました。
お料理にもスタッフのおもてなしにも大満足。19時半前には食事を終え、スタッフにお礼を述べてタクシーで平安神宮に向かいました。
平安神宮の庭園では しだれ桜がライトアップされ、人々がそぞろ歩きしています。一部はすでに終わっていましたが、入れ替えなしなので帰る人は少なく、池に面した場所の三列目ぐらいに並んで演奏を待ちました。やがて桜色の狩衣をまとった東儀さんが登場し、トークと演奏が始まりました。昨年のコンサート時はすでに桜は散ってしまっていたそうですが、今日は満開の桜と月の下での優雅なコンサートです。「ハナミズキ」「ジュピター」などが演奏されました。前の人が徐々に抜けて最後は一番前で演奏を聴くことができました。
3日目。最初に向かうのは洛北原谷苑。バスが入れないので大きな荷物をバスに預け、相乗りタクシーで向かいます。原谷苑は戦後、景色の良い丘を選び、数百本の桜や紅葉他数十種類の樹木を植樹したことに始まり、現在は梅・桜・紅葉のシーズンは一般に公開しているそうです。福島の花見山よりは規模は小さいけれどまさに桃源郷でした。
次にタクシーで仁和寺にむかいました。仁和寺は宇多天皇以来、皇子皇孫が門跡となられ、御室御所と呼ばれ親しまれてきたお寺。金堂は国宝、五重塔は重要文化財に指定されています。左の写真は宸殿よりの北庭、右が名勝 御室桜です。御室桜は土が粘土質のため根が伸びず枝も低いのが特徴。晴天に恵まれ大勢の観光客が訪れていました。
ここからはバスでの移動に戻り、妙心寺前の精進料理の店で昼食。
昼食後は妙心寺退蔵院庭園の枝垂れ桜を観賞。
最後に知恩院の駐車場にバスを止め、自由行動となりました。
知恩院の男坂を上がり、毎年大晦日に除夜の鐘が中継される大きな梵鐘と方丈庭園を見学した後、女坂を下って左手にある友禅苑を観賞しました。友禅苑は「京友禅」の祖・宮崎友禅斎の生誕300年を記念して昭和36年に改修造園された庭園で、茶室・白寿庵と華麓庵があります。訪れる人も少なく静かで趣のある庭園でした。
この後、京都駅までバスで移動し、17時頃桜満喫の旅は終了しました。
最後にこの旅で夫が詠んだ短歌と俳句を紹介します。
新緑の山を衣に線刻の崖弥勒仏彼の岸に立つ (大野寺)
石塁を確とつかみて立ち上がる又兵衛桜枝垂れて吹雪く (又兵衛桜)
桜鮎とは美しき吉野川 (吉野川)
花冷や御陵は北を向きて在り(後醍醐天皇陵)
狩衣の桜の色を重ね着て雅楽師一人月明に奏づ(平安神宮)