お二人さまの老後

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

知覧・桜島を訪ねて

2014-02-04 17:13:48 | 日記・エッセイ・コラム

  1月18日(土)~19日(日)に鹿児島を旅してきました。

  昨年まで8年間は京都や奈良の歴史探訪の旅だったのですが、長年案内役を務めてくださった方が仕事上無理となり、お国自慢ツアーと形を変えて、会長さんはじめ会員の3名が出身ということから鹿児島ツアーが実現したのです。

  コースの中に知覧特攻平和会館が入っていることから、夫も参加させていただくことになりました。

  幹事のSさんが百田尚樹著「永遠のゼロ」を読んでおくとよいと知らせてくださったのですが、途中までしか読めないまま当日を迎えました。

  8時15分出発予定の飛行機は整備のため30分以上遅れましたが、案内役のNさんとおしゃべりしながら楽しい時間を過ごし、鹿児島空港には11時頃到着。

  迎えのマイクロバスで一路枕崎に向かう。枕崎にはNさんの高校時代の同級生が社長夫人の薩摩酒造がある。そこの花渡川ビアハウスで昼食をとり、文化資料館で芋焼酎の作り方などを見学する予定だ。

  鹿児島空港は県の中央北部にあるので九州自動車道を鹿児島ICで下りてから、知覧などがある南九州市を経由して南端の枕崎までかなりの道のりだった。南九州市は日本最大のお茶の産地とのことで、車窓に茶畑が広がっていた。

  昼食場所に着いたのは午後1時を回っていたと思う。 昼食は海鮮フランス料理だった。紫いもが原料の珍しい赤いビールを注文した。

  社長夫人のご挨拶をうかがってから、文化資料館・明治蔵に向かう。ここでしか買えないという焼酎の「白波」を試飲し、お土産に送ってもらう手配をした。

Dscn4184_2

  残念ながら時間不足で焼酎の作り方の説明などは聞けなかったが、 社長夫人が全員に焼酎やみかん・知覧茶などをお土産に持たせてくださったのには大変恐縮する。

  この後、知覧特攻平和会館に向かう。知覧に近づくにつれ道の両側におびただしい数の石灯籠(献灯)がならんでいた。

曇天の下、人気のない桜並木に献灯が並んでいて、寂しく異様な光景だった。Dscn4189

  平和会館には、特攻として18~19歳の若さで命を落とした若者の笑顔の写真や筆でしたためた父母に宛てた遺書などが展示されていた。ビデオなども視聴したが涙なしには見ることができなかった。外に出ると小雨が降ってきた。

  私はもっぱら写真を撮っていたが、夫は俳句や短歌をひねっていた。

    【特攻の知覧へ続く冬木道】

    【特攻の遺影の笑顔目交に館を出づれば知覧は冷雨】

  5時の閉館ぎりぎりまで見学し鹿児島市内に戻る。関東より日没が遅いが、さすがにホテルに到着する頃には暗くなっていた。

  城山観光ホテルは桜島に面した高台にあり、とても立派なホテルだった。すぐに宴会になったが支配人が幹事のKさんの同級生ということで青リンゴのシャンパンをサービスしてくださった。とても口当たりがさわやかでお料理も美味しかった。

  最後に20人全員が感想などをスピーチした。

  2日目。ぐっすり眠ってしまい目覚めると6時を回っていた。急いで温泉へ。設備も行き届き、露天風呂から桜島が望めるロケーションも抜群だった。

  朝食会場は同じく桜島の展望の良いところ。仲間が庭に出て桜島の向こうから上がる日の出を待っていたので私たちも出てみた。素晴らしい風景だった。

      F1000277_2

     【城山のいで湯は溢れしらしらと火の桜島明け初めにけり】

   昨日のバスが迎えに来て、9時のフェリーで 桜島に向かう。お天気は快晴。気温も関東地方より暖かい。素晴らしい風景を堪能しながら15分間の船旅を楽しむ。

  桜島はいつ噴火するかわからないので避難できるように15分間隔で船が出ているとのこと。幸い今は水蒸気が上がっているだけだ。バスで時計と反対周りに裏側まで行く。

  鍋山の噴火口から噴煙が上がり 城山から見た桜島とは異なる荒涼とした風景だった。    大正の大噴火で神社の鳥居が50センチほど頭を残して埋まっている場所も見学した。

         【降灰にかすむ火の島巡りつつ放射能降る暮らしを思ふ】

  同じ道を戻り、道の駅でお土産を探す。安納芋が4~5本入って200円と安い!桜島大根の切干と溶岩焼きの黒い急須も求めた。

  錦江湾に面した 広い公園の中に、無料で自由に入れる足湯がある。景色を眺めながらのんびりと足湯。都会では考えられないことだ。

         【足湯して錦江湾に冬の潮】

Dscn4238_2

  幹事のE氏が熱心に「あれが韓国岳、あれが高千穂峰」などと教えてくださった。韓国岳は大学4年生の時、高千穂峰は数年前に登った山なので懐かしかった。

  フェリーで戻って、島津家の別邸・仙巌園(磯庭園)に向かう。展望レストランで郷土料理を頂いた。温かく美味しいお料理だった。

  その後ガイドさんの説明を聞きながら庭園を散策し、御殿や望嶽楼などを外から眺め、島津家ゆかりの品々が展示されている尚古集成館を駆け足で見学した。Dscn4254

  お母さんのお墓参りをするNさんなど連泊する人たちと別れ、鹿児島空港から帰路に就いた。ご尽力くださった幹事の皆さんに深く感謝!

  今、また危うい状況になりつつあるが、「冷たい石灯籠になったらおしまい!二度と若者を戦場に送ってはいけない」と強く感じる旅であった。