サッカーを考える 「声」「連携」「意思統一」

サッカーというスポーツについてすこし私の考えを書いてみます。

最初に、私が読んだマンガの中でサッカーについて書かれた印象的な言葉を書きます。

高橋陽一「キャプテン翼」より
「サッカーは最も単純で、最も自由なスポーツ」
「サッカーは自由だ」

あだち充「いつも美空」より
「サッカーのルール知ってる？」
「何やっても良いんだよ。審判が笛を吹かなければな。」

つまりサッカーは非常に自由度の高いスポーツだということです。
そしてサッカーにはバスケやバレーのようなタイムアウトがありません。
監督が選手全員を集めて指示を出せるのはハーフタイムの時だけです。
ベンチから監督の指示がとんでくることはありますが、基本的に選手が自分で判断し行動しなければならないスポーツだといえます。

因みに、キックオフから試合終了までの間にハーフタイム以外でピッチ内の選手が全員集まって(監督は除く)話が出来る時間というのは非常に少なく以下の時だけだと思います。
・ 給水タイム(夏季開催試合のみ)※
・ 得失点(特に失点)直後
・ ファール等の怪我人で試合が長時間止まった時
以上の時以外は、試合中に選手全員が集まることは出来ません。
ちなみに失点直後に選手同士で集まって話をするのは非常に有効だと思います。相手が喜んでいる時間を使って、「この後どうするか」「修正点はないか」ということを話せます。
サッカーの試合において選手同士が集まり話が出来る機会は、非常に少ないということです。


前置きが長くなりましたが、「声」「連携」「意思統一」について考えます。
サッカーは１つのボールを１１人でゴールの枠の中に入れることを競うスポーツです。
ですから当然、ボールをゴールに入れるイメージを１１人が共有してプレーした方が得点できる可能性は高くなります。
それは、事前の練習であったりミーティングでイメージを植え付けていくことになりますが、試合本番は相手がいるので当然練習通りにはいきません。試合状況によって自分達のイメージを少し修正する必要が出てきます。その時に互いに声を出し合い各個人の要求を他の選手に伝え連携をとる必要があります。

「意思統一」については難しいように思いますが、意外と簡単です。それは、試合中に難しいことまで選手１１人が共通理解する必要はないからです。(サッカーの試合で細かいことまで１１人が逐一意思を統一することは不可能)
おおざっぱで良いのです。
「攻める」「守る」「つなぐ」「大きく蹴る」「カウンター狙い」「サイド攻撃」「パワープレー」 「前線からプレス」「ひいて守る」
事前にこんな感じでいくつか決めておいて、試合中に監督からの指示でピッチ内の選手が大声を出して選手全員の意識を統一すればよいのです。

昔、A代表のアウェー試合の時、同点の状態で、その後攻めて勝ち越し点を狙うのか、守って引き分け狙いで良いのかハッキリせずピッチ内で混乱が起こったことがありましたが、そのようなことが起こらないようにあらかじめハッキリチーム内で決めておいて、あとはピッチ内で確認しあえばすむ話です。
（思いつきですが、GKがゴールキックの時に( 野球のように)サインを出すのも面白いかもしれません。ゴールキックの時は選手全員がGKを見ますし、声では歓声などで全員が確実に聞き取れるとも限らないので）

そして、戦術とは別に大声を出して選手を鼓舞することも非常に重要です。どんなにうまい相手でも、まず気持ちで負けないことは勝つための絶対条件ですから。

サッカーは１１人が自由に動き回るスポーツなので、選手同士の相互理解であったりイメージの共有は非常に重要です。その為には声を出し合って連携をとり、意思を統一する必要があります。

※ 給水時間について
現在ユース年代の夏季のゲームに対して、前後半各１分給水タイムが設けられます。
私はこの給水タイムは反対です。それは給水タイムが監督からの指示の時間になっているからです。本来のサッカーの試合ではそんな時間はありません。本来なら選手達は、ゲーム中は監督の指示ではなく自分達意思で問題を解決していかなければなりません。
それが下手をすると、選手達がこの給水タイムの影響で「監督の指示待ち」になってしまいます。
インターハイのような真夏の炎天下の中で連戦するクレイジーな大会もあるのですぐに給水タイムを無くすことは不可能だと思いますが、直ちに「給水タイム中は、監督は選手達に指示を出してはいけない」という決まりを作ってほしいです。
給水タイム中に選手同士が自分達で話をする分にはいっこうに構わないと思います。