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藤枝MYFCを中心としたサッカー観戦記やサッカーに関する個人的な意見の書き込みが中心です。

第96回高校サッカー選手権について

2017年12月27日 22時26分25秒 | 高校サッカー・クラブユース
第96回高校サッカー選手権について

日テレG+で各都道府県予選決勝戦の録画放送を視聴。
各出場校に関する感想などを簡単にまとめた。
なお、各出場校名の隣に記載した数字は100点満点で各校のチーム力を独断と偏見で個人的に採点したもの。
得点の見方は以下のとおり
55~:選手権大会で戦える一定以上のレベルを有している
60~:選手権大会で1勝出来る力を持っている
65~:選手権大会でベスト8まで勝ち上がれる力を持っている
70~:選手権大会優勝候補、プレミアリーグ残留できる
75~:選手権大会優勝候補筆頭、プレミアリーグで中位に入れる
80~:プレミアリーグで優勝争いできる
85~:プレミアリーグ優勝候補


北海道:旭川実 (2年連続6度目)66
ボールを奪ってからの縦に速いスタイル。圓道など前線に速い選手が多く前線の打開力が魅力のチーム。旭川実業らしい粘り強い守備もありインターハイのベスト8を超える成績を狙うポテンシャルは十分ある。

青森:青森山田 (21年連続23度目)82
プレミアで終盤まで優勝争いを演じた疲労感が気になるがチームのポテンシャルは優勝候補筆頭と言って間違いない。各ポディションにタレントを揃え選手層の厚さもある。

岩手:遠野   (5年連続27度目)62
パスサッカースタイル。阿部のドリブル、太田のテクニックが良い。GK菊地の飛び出しも良い。両ワイドの佐々木、立花は共にドリブルで仕掛けられる選手。パスで中盤作り両ワイドで相手DFを崩す。ボールを奪われてからのカウンターでの失点多い。

秋田:秋田商  (3年連続43度目)
未確認

山形:羽黒   (6年ぶり6度目)
未確認

宮城:仙台育英 (5年ぶり32度目)
未確認

福島:尚志   (4年連続9度目)66
しっかりパスをつなぐスタイル。ここ数年で福島県では確固たる地位を固め、東北内でも実績十分のチームに成長した。インターハイでは長崎総科大附と互角の戦いを演じたがベスト16敗退。動き出しの鋭いFW加野、中盤底でパスサッカーの中心となる石井を中心に上位進出を狙う。

東京A:関東第一(2年連続2度目)64
試合ごとにメンバーやフォーメーションを変えるチーム。全体的にコンパクトに保ち連動した組織的な守備でボールを狩り獲る。小関のテクニックと具瀬のスピードが良い。ボランチの中盤での潰しがやや弱い。

東京B:実践学園(5年ぶり3度目)61
主に守りのチームで連動した守りからボールを奪いワイドに攻撃を仕掛けるタイプ。尾前が守備の中心となり見事なカバーリングを見せ、ボランチの北條が持ち前の技術でボールを前に運ぶ。攻め上がったウィングの裏のスペースが空きやすい。

千葉:流経大柏 (3年ぶり5度目)74
全体的にプレス早く、相手の攻撃の芽を摘み相手に攻撃の形を作らせない守備が見事。攻撃に関しては鬼京と菊地の2列目2人の攻撃力が高い。例年に比べると佐藤と齋藤の両SBの攻め上がりが多い。

茨城:明秀日立 (2年ぶり2度目)63
ハイプレスからボールを奪い取り縦に速い攻撃を仕掛けるサッカースタイル。3バックは全員身長180㎝以上で今大会一番高いDFラインを形成している。また県大会でもらったイエローカードはチーム全体で1枚のみ。

栃木:矢板中央 (2年ぶり8度目)
未確認

群馬:前橋育英 (4年連続21度目)77
前年の選手権では2年生中心のチームで全国準優勝。ただ、決勝戦の青森山田に0-5の大敗を喫したところからスタートしたチーム。昨年の主力が大量に残っておりチーム力は非常に高い。伝統の14番を付けてボランチでチームをまとめる田部井涼とその双子の兄弟の田部井悠、エースFWの飯島、プロ内定のCB松田とSB渡辺など個々にタレントが揃う。

埼玉:昌平   (3年ぶり2度目)70
しっかりパスをつなぎビルドアップするサッカー。裏を突くのが得意な佐相と高い技術を持つ山下の2枚看板が攻撃の中心。それに加え両ワイドの渋谷と森田はともにサイドから仕掛けられる選手。レベルの高いパスサッカーを見せられるチーム。

神奈川:桐蔭学園(14年ぶり9度目)68
選手個々の能力が高く連動した守備からボールを奪いパスをつないで攻撃を組み立てる。最近全国から遠ざかっていたチームとは思えないくらい選手個々の能力は高く基礎技術はしっかりしている。

山梨:山梨学院 (2年連続6度目)69
加藤と宮崎の2トップが強力。攻撃に圧力がある反面守備に関してはやや甘さが残る。世代別代表の加藤が前線でエンジンのようにチームを引っ張る姿が印象的。

新潟:日本文理 (初出場)62
パスをつなぐスタイル。中盤の選手配置は流動的に変化する。個々の基礎技術はしっかりしていて、久住のドリブル、横山のスピードが良い。GK相澤はキックが良い。なお、GK相澤は元々FWでGKを始めてまだ10ヶ月程度。

長野:上田西  (12年ぶり2度目)50
縦に速いショートカウンタースタイル。攻撃時は前線に残った3トップにボールを当てる形が多い。FWの根本のドリブル、新田のスピードが攻撃の中心。ボランチ宮下のキックもチームの武器。守備はボールウォッチャーになる傾向がある。

富山:富山第一 (3年連続28度目)72
とにかく坪井と大竹の2トップが強力。県予選をFW2人で36得点。3バック1ボランチという攻撃的布陣。舵取り役の1ボランチ多賀の出来がチームの命運を握る。プリンス北信越で首位を独走した隠れ優勝候補。

石川:星稜   (2年ぶり27度目)62
後方からパスをつなぐスタイル。今年は波に乗れずに苦しんだがCBの敷田、津野が安定した活躍を見せ、高岸が持ち前の技術でチームに落ち着きを与える。例年に比べると突出した個が少ない。

福井:北陸   (2年連続5度目)54
パスサッカースタイル。スタメンに1年が3人、2年が3人の若いチーム。ボランチの坂東がチームの中心で能力が高い。小幡のフィジカル、吉田のドリブルも注目。

静岡:清水桜が丘(6年ぶり13度目)61
粘り強い守備からの鋭いカウンターが武器。清商時代からの短期決戦での勝負強さがあり、全体的に日程がコンパクトな今大会は、波に乗れば勝ち方を知っているチームだけに上位進出も可能。

愛知:中京大中京(2年ぶり16度目)54
ボールをどんどん前へ運ぶ守備より攻撃のチーム。攻撃の中心は本山で個で仕掛けられる選手。GK吉田も存在感のあるポテンシャルの高い選手。選手交代を積極的に行ってくるチームでもある。守備に関しては甘さがある。

岐阜:帝京大可児(5年ぶり5度目)64
個々の能力は高いが組織力はやや甘い。これまでの技術偏重のスタイルから粘り強さを身に付け強敵相手にもロースコアゲームを展開できるようになった。両SBは積極的に上がりウィングと併せてワイドに攻撃を仕掛ける。

三重:三重   (初出場)56
ポゼッションからのパスサッカースタイル。平嶋のスピード、藤村のキック、南出の突破がよく前線の3人で得点を奪いに行く。守備に関してはマークがやや甘い。

滋賀:草津東  (3年ぶり9度目)59
ドリブルとパスを多用する技術を活かしたチーム。県予選決勝はピッチに水が浮きなかなか持ち前の技術を試合で活かせなかった。ボランチは攻撃の組み立てに加わるが守備への切り替えが遅い。1年生FW渡辺は存在感あり。

京都:京都橘  (6年連続7度目)64
つなぎのサッカー。組織的に全体をコンパクトにして攻撃と守備を連動させる。GK高木の飛び出しが良い。梅津と篠永のダブルボランチがチームの心臓。例年に比べると個の力は見劣りする。

大阪:大阪桐蔭 (9年ぶり2度目)72
縦に速い攻撃を仕掛ける。DFからの縦パスが多い。個々の能力が高く今岡の裏へ抜けるスピード、大塚のドリブル、西矢のキックなど個で仕掛けられる選手が多い。

兵庫:滝川第二 (2年連続20度目)62
3トップ1ボランチの攻撃的システムで縦に速い攻撃を仕掛ける。FWは選手層が厚くどんどん選手を交代してくる。ボールを奪ってから縦に速く人数をかけた分厚い攻撃が魅力。1ボランチ朴のカバーが命綱。

奈良:一条   (2年連続8度目)53
ハイプレスからボールを奪ってからのパスサッカー。主将の生成は怪我で全国から復帰予定。川崎がボランチでバランスを取り2トップが連動して得点を狙う。

和歌山:初芝橋本(2年ぶり15度目)59
前プレスからのショートカウンタースタイル。ボールを奪ってからはワンタッチの少ない手数で攻撃を仕掛ける。SBの高見の攻め上がり、谷口のキックが良い。

鳥取:米子北  (8年連続13度目)72
持ち前の粘り強い守備に個の高い技術が加わり高度なパスをつなぐサッカーが出来るようになった。注目はボランチの佐野。中盤の底でレベルの高い攻守のつなぎ役の仕事を見せる。

島根:立正大淞南(2年連続16度目)67
全体をコンパクトに保ち全員攻撃全員守備でハードワークするチーム。過去のチームに比べるとトリックセットプレーが少なく粘りとハードワークのチームになった印象。選手層は厚い。

岡山:作陽   (3年ぶり23度目)65
縦パスをFWに当てて落としたところから2列目が攻撃を仕掛けるスタイル。飯原が前線で体を張り味方ロングボールを落とす。それを2列目の吉中のドリブル西山のキックで攻撃を組み立てる。組織力は相変わらず高い。

広島:広島皆実 (5年連続14度目)67
組織的守備が見事なチーム。守備時の選手同士の距離感が非常に良い。チームの中心の若宮が県大会は怪我で欠場。ボランチの大石チームをまとめ上げた。攻撃は藤原が高い個人技からの仕掛けを見せる。

山口:高川学園 (2年連続24度目)58
組織的守備で守りダブルボランチからじっくり組み立てる。ボランチの長廣が正確なパスで組み立てエースFWの土信田につなげる。守備は組織的ではあるがほころびが見え後半は中盤のプレスが緩む。

香川:高松商  (2年連続23度目)53
パスをつないで相手DFラインの裏を突くスタイル。目立った個は無いが、チーム全体で粘り強く戦うスタイル。堀内のドリブル、池谷の裏への抜け出し、前線で体を張る西村に注目。DFは相手に裏を取られやすい。

徳島:徳島北  (初出場)59
富士と小林の両ワイドからの攻撃が魅力のチーム。GK儀宝のシュートストップも良い。池田のテクニック、富士のドリブルスピードも注目。

愛媛:松山工  (2年ぶり6度目)59
守備から縦パスのチーム。CBの志摩、GKの伊藤はプロ注目の素材。しっかり守って2トップに縦パスをあてる。攻撃は向井のドリブルが魅力。GKの伊藤は中学まではDH。

高知:高知西  (初出場)55
守備からカウンター狙いのチーム。3年生21人の内5人は高校からサッカーを始めた。FW梅原は中学時は野球部所属。高知県で公立校の優勝は19年ぶり。

福岡:東福岡  (5年連続19度目)74
中盤全体的にプレス早く、ボールを奪ってからの攻撃のパススピードが速い。スタメンは3年生が多いが控えの2年生にも好素材がズラリ。沖野と木橋の両ワイドからの攻撃が多い。

佐賀:佐賀東  (2年連続10度目)62
ポゼッションスタイルのパスサッカー。パスの意識が高くSBのポディショニングも高い。ダブルボランチがテクニックがあり攻撃を組み立てる。FW中里、MF小野、CB中村が中心で縦のラインがしっかりしている。相手のハイプレスにひっかかりショートカウンターを受けやすい。

長崎:長崎総科大附(2年連続5度目)68
国見を思い出させるフィジカルと縦に速いサッカースタイル。安藤と荒木の2人の攻撃力が魅力。個の力を活かすサッカー。

熊本:東海大星翔(初出場)61
守りからのカウンターで縦に速い攻撃を見せるチーム。県予選では大津相手に速い時間帯にセットプレーで先制し、その後の大津の猛攻を最後までしのぎ切った。攻撃はFW渡辺がフィジカル強く前線で存在感を見せる。MF吉岡は世代別代表候補選出経験あり。

大分:大分西  (初出場)59
パスサッカースタイル。初出場だが大分の下部組織出身者が多く基礎技術はしっかりしているが個の打開力には欠ける。3年生の半分はインターハイ後に引退。最終ラインでチームをまとめる宮崎、左足のシュートが良い幸の活躍が見所。

宮崎:日章学園 (2年ぶり13度目)64
DFラインから組み立てワイドに展開する攻撃スタイル。恩塚の突破力、佐藤のスピードが良い。GK小原はボールを取ってからのキックが早い。SBは積極的に攻め上がるが戻ってくるのが遅い。

鹿児島:神村学園(4年ぶり5度目)67
相手を圧倒できる攻撃力が魅力のチーム。前線で仕掛けられる選手が多くベンチの層が厚い。清水内定の高橋は動きながらのボールコントロールが非常に良い。和田のドリブル大山のポストも効いている。DFがしっかり無失点に抑えればベスト4進出は十分可能。

沖縄:宜野湾  (19年ぶり3度目)53
守り中心のチーム。守備については組織的に守るのではなく個の力で守る感じ。中盤の動きは連動が少ない。


その他各都道府県予選決勝戦の放送に関する雑感
福井県:解説が松原良香氏
宮崎県:鵬翔は大会中に発覚した選手の居酒屋での飲酒喫煙問題で辞退。今年の宮崎県大会のトーナメント表を見ると、鵬翔が準決勝で辞退となっている。
大阪府:最近の大阪府の決勝戦はレベルが高いとしみじみ感じた。
香川県:高松商業はSBとFWの2人が大学受験で不在だった。
鹿児島県:(J1清水内定の)高橋の携帯の待ち受けは、前年の決勝戦で自身がシュートを外した写真。「人間は悔しさを忘れる生き物だから」
岐阜県:やたらスタンドの女子高生の顔をアップで映し出す回数が多い。
三重県:ハーフタイムに暁高校バトン部のショーあり。
島根県:大社高校の応援幕「神々の国島根 ご縁を胸に頂点へ」
山口県:実況の高橋良氏が良かった。
奈良県:フォーメーション紹介のフォーメーション図が選手の顔写真入り。
和歌山県:宮澤ミシェル氏と県高体連の坂本氏のダブル解説が非常に良かった。互いに対話するように自身のサッカー論を紹介していく解説は聞きごたえがあった。
滋賀県:皇子山陸上競技場が水はけ悪く水たまりが非常に多い。過去大雨の日が決勝だった時には水球のような状態になったこともあった。
愛知県:中京大中京のチアリーダーのレベルが高い。
埼玉県:実況の上野晃氏が良かった。
広島県:出場選手紹介時、控え選手を紹介する時に1人1人の特徴も紹介していた。また、広島皆実の応援は浜松開誠館の応援を参考にしたもの。
福岡県:今年の決勝戦の会場は、初めて北九州のミクニワールドスタジアムで開催された。


色々監督の話やエピソードが紹介されたが、一番良かったのは新潟県。
日本文理の駒沢監督の言葉が良かった。
・「対戦する相手は敵じゃない、ライバルだ。優勝するのは君たちがふさわしい」
相手をリスペクトしつつ、選手のモチベーションを上げる言葉
・「キツイ時は自分の目的を見つける事。そしてそれを具体的にイメージしろ」
 普段の練習で選手に投げかける言葉。何を目的にやっているのかはっきりイメージさせる。

一番良くなかったのは、徳島県。
選手の不幸の話を持ってきた。
「●●選手のお兄さんは同じ高校のサッカー部でしたが卒業後に不幸があり亡くなってしまいました。その弟さんが現在お兄さんが背負っていた背番号を引き継いでいます」
→ そ~ゆ~のいらないから!


全体感想
青森山田、東福岡、流経柏の横綱が戦力的には抜けていると見て良いだろう。個の3校に市船を加えた4校が現在高校サッカー界で抜け出した感がある。その4校に何とか追いつこうと後を追うのが前橋育英、昌平、米子北、大阪桐蔭、富山第一の6校。さらにそれを神村学園、長崎総科大附、広島皆実、立正大湘南、山梨学院、桐蔭学園、尚志、旭川実業が追うという構図。
今大会は横綱4校以外の大関・小結の高校が横綱入りを目指して結果を残しに来る大会という見方が出来る。
その中で最もチャンスなのが組み合わせに恵まれた大阪桐蔭、うまく4強入りできれば今後の視界が開けるかも。一番組み合わせに恵まれなかったのは東福岡。尚志、富山第一、前橋育英と難敵が続く最悪の組み合わせ。
個人的に今大会ダークホースとして推しているのが富山第一。組み合わせには恵まれなかったが強力2トップを中心に見ていて面白い攻撃的サッカーを仕掛けるチームとなっている。
コメント (1)
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