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ラムは、輿に突き刺された剣を掴みました。
チョンギは、必死に口を押えて悲鳴を堪えました。
開けろとチュヒャン大君の声がし、手下が開けようと近づいた時、ラムは自らよろっと輿から出て行きました。
皆の視線が血にまみれたラムに集まりました。
その隙に、チョンギは輿から逃げ出したのです。
いや・・・ねぇ、これも、そんな簡単に逃げられるもんじゃないと思うんですけどね。
ラムは、自分を信じろとチュヒャン大君に言いました。
そして、泰然と構えているように・・・と。
その言葉でチュヒャン大君がラムを信じたわけではありません。
封印式が終わったら、ラムの命も無いと思っているので、傍若無人な言動を今は許してやろうと思っただけでした。
輿の中で、ラムはチョンギに言いました。
魔王はチュヒャン大君に渡すと。魔王を封印する事だけを考え、チョンギの事を全く考えていない王とヤンミョン大君には従えないと。
チョンギにとってチュヒャン大君は父を殺そうとした人物です。
信じることは出来ません。
ラムの考えが上手く行くとは思えませんでした。
チュヒャン大君の屋敷に匿われたラム。
チュヒャン大君は、神物を探せと言いました。魔王を宿す者が身につけるものだと。
魔王の力を自由に操れるようになるものだと。
先王の指輪がそれだと言いました。
前の封印式後持っていたのは、ラム父ハ・ソンジンだとされていました。
ラムは、先日チョンギに渡した母の形見の指輪がそれか?・・・と思い当たりました。
ラムの体は徐々に魔王によって侵略されています。
チョンギは、ラムが心配でなりません。
封印式でチュヒャン大君が魔王を取り込んだとするならば、ラムはどうなるのか・・・と。
ヤンミョン大君に、聞いてみましたが、分かる筈もなく・・・。
ヤンミョン大君は、予定通り御容に魔王を封印することだけを考えています。
だから、チョンギもヤンミョン大君も、今、自分がすべきことを、精一杯することだけだと意思を確認しあいました。
チョンギには、自信ありげに封印式を成功させると言ったヤンミョン大君ですが、不安ではありました。
御容に魔王を封印することが出来ず、チュヒャン大君が取り込んでしまったら、どうなるのかと言う事です。
ウォルソンは言いました。
「魔王を宿せば、正常ではいられません。方法は一つだけです。その場で息の根を止めるしかありません。」
ウォルソンは、懐に忍ばせられる大きさの剣をヤンミョン大君に渡しました。
どんな鬼や神でも斬れる宝剣だと言いました。
魔王は消せないけれど、人なら誰でも容易に斬れる・・・と。
「ただ、怨念で力を発揮するので、大君の命も保障出来ません。」
ヤンミョン大君は覚悟を決めました。
ラムは、封印式でこれまで秘めて来た復讐を、一気に行動に移そうと考えています。
王、チュヒャン大君、ヤンミョン大君、そしてミスに対して。
ムヨンに対して、身の回りの整理と、準備を進めるよう命じました。
王宮では、チュヒャン大君が王の代理を務めるようになりました。
御容が完成しました。
チュヒャン大君は、突然封印式の日程を変え、早めることにしました。
ラムから魔王が現れたら、御容を燃やすつもりでいます。御容に封印されるのを防ぐ目的でもありますが、退路を断つと言う覚悟ゆえだとか。
それだけじゃなく、封印式に関わった者たち皆を始末するつもりのようです。
おいおい・・・ 無謀だ。
封印式の前に、一度月星堂に戻りたいとラムがチュヒャン大君に言いました。
神物の情報が入ったと言われれば、認めるしかありません。
ラムはムヨンに最後の指示を与えました。
魔王がチュヒャン大君に乗り移ったら、合図を待たずに行動に移れと。
そして次にチョンギに会いに行きました。
チュヒャン大君の指示を受けた監視の者を撒き、2人だけになった時、ラムは指輪を渡してくれとチョンギに言いました。
魔王に関わる物らしいので、危険だからと言いました。
チョンギは指輪をラムに渡しました。
そして言いました。御容を描いたのは、ラムのためだと。魔王が封印されることを願っているからだと。
ラムを助ける事ができるのなら、精神を病んでも良いと・・・。
それでも、ラムは、チョンギに言いました。封印式には来ないようにと。
ラムはチュヒャン大君に指輪を渡しました。
でも、それは偽物のようですね。
チュヒャン大君は、その指輪をはめて封印式に臨みました。
チョンギは、最後に御容の王の目を描き、完璧に完成しました。
そして、封印式が始まりました。
苦しみ始めたラムから魔王が姿を現しました。
黒い悪の気をまとった魔王。しかし、この時は、ラムの意識も残されていたのです。
ラムは初めて魔王の止めようのない力を感じました。
それは、懐に収めた指輪の力だったようです。
チュヒャン大君は、ラムの胸に輝く指輪を見ました。
となると、今自分が指にはめているモノは偽物かと。
しかし、途中で止める事は出来ません。
すぐさま、魔王を自分の体に宿らせるよう、ミスに命令しました。
ミスの念力で黒い気がチュヒャン大君に向かって解き放たれましたが、それは宿るどころか、攻撃に転じました。
チュヒャン大君や周囲の者たちは首を絞められ、挙句の果てに吹き飛ばされてしまったのです。
ウォルソンは、この瞬間を待っていました。
御容に封印するための術を唱え始め、魔王の気が御容に向かって吸い込まれようとしました。
ところがです。
次の瞬間、御容が破れてしまったのです。
行き場を失った魔王の気は、ラムに戻りました。
その時、駆けこんで来たのは、チョンギ。
「しっかりしてください。魔王に勝たねば」
魔王の動きが止まりました。
しかし、魔王は見つけたのです。自分の目を。
ゆっくりとチョンギに近づきました。
ラムの意識は、必死にチョンギを救おうとしていました。が、魔王に支配されている体は言う事を聞きません。
魔王がチョンギに襲い掛かろうとしました。
その時、ヤンミョン大君が例の剣をラムの背に突き立てたーっ