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ユミとウンは順調な交際を続けています。
ある時、ユミはもっと愛嬌を示したいと思うようになりました。
でも、ルビと違って元々そう言うのを苦手としてるユミは、チャレンジしては失敗します。
ウンなんぞ、失敗した時のユミを可愛いと言うくらいですから、必要無いと思うんですけどね。
ユミは、ウンとの日々や生活の中で感じた事等、些細な話題をSNSに載せています。
別に、誰かに読んでもらおうとか、注目を浴びたいとかいうのではなく、日記代わりのようなモノです。
そんなユミのSNSを、ユ・ボビーが読んでいる事が分かりました。
毎日“いいね!”を押してるとボビーは言いましたが、ユミは全く気付いていませんでした。
「文才がありますよ。」
と、ボビーが言いました。
ユミは思いがけない称賛をもらい、戸惑いました。
細胞村には、“称賛宅配”と言うのがあります。
褒められると、該当する細胞に届けられるモノなんです。
称賛宅配の箱の中には魂が入っています。魂が細胞にプレゼントを贈るのです。
ナム課長に仕事で褒められると、理性細胞にプレゼントが宅配されました。
でも、箱は空っぽ。つまり、ナム課長の称賛は本心からのモノじゃないって事です。
魂が入った称賛を受けるのは、まれなのです。
ボビーの称賛は、真実のように聞こえます。
作家細胞に称賛宅配が届けられました。魂が入っていました。
そして、魂が作家細胞にプレゼントしたのは、今夜12時まで作家細胞の自信が最高に高まる薬で、別名“シンデレラの薬”と呼ばれるモノでした。
ボビーは、ユミにマーケティング部が計画している新生SNSをユミに頼みたいと言いました。
ユミの文章がぴったりだとボビーは言いました。
“シンデレラの薬”のせいで、ユミはすっかり自信をもってしまいましてね。ボビーの依頼を引き受けてしまったのです。それも、その日の内に提出するとまで言っちゃった。
4行の文章だからと、甘く見たユミ。
でも、書けば書くほど悩んでしまって・・・。
30分もあればと言っていたのが、2時間経っちゃって。
ウンからのメールが来て、10時までには終わらせて会う約束までしたのに、結局それも断る羽目になっちゃったんですよ。
結局、薬の効果のタイムリミットの12時も過ぎ、才能の無さを思い知る結果となってしまったのです。
ユミは、諦めて家に帰ろうとしたとき、ボビーに今夜中に送ると約束してあったことを思いだしました。
辞退のメールを送ろうとしたら、ボビーからメールが届きました。
依頼した仕事は業務外なので、部長が手当てを出すと言っていたと言う連絡でした。
それなりの額だと思います・・・と。
ガックリしてお墓に入ろうとしていた作家細胞を、ケチ細胞(・・・だったかな?)が、引きずり出しました。手伝うから一緒に頑張ろうと。お金が貰えるのに、諦めるなと。
ユミの手が俄然活発にキーボードを打ち始めました。
あれほど悩んでいたのに、報酬がちらつくと、あっという間に終わっちゃったじゃありませんか。
ユミが書いた文章のおかげか、会社のSNSのフォロワー数が急激に増えました。
その効果を知ったマーケティング部の部長が、会いたいと言って来ました。
部長は、ユミにマーケティング部に来ないかと言いました。
突然の話に、ユミは驚きました。全く考えたことが無かった事ですから。
マーケティング部は社内一人気の部署です。ある意味、ユミにとって、チャンスです。
ボビーは、悩む事無いと言いましたが・・・。
少し怖いのです、ユミは。勇気を出すのが。
ユミの勇気の甕は、随分前に細胞村に埋められたままになっていました。
これまで長い間勇気を使う事が無かった証拠です。
でも、甕の中に残された勇気の水は、ひしゃく2杯だけ。
部署異動に使う勇気は、ひしゃく7杯は必要だと、感性細胞が言いました。
勇気の水は、人から貰う事が出来ます。
まず、ナム課長は、良い機会だから悩む必要は無いと言ってくれたので、プラス1杯。
同僚のイダからもプラス1杯。
あとは、ウンから・・・と思ったユミ。
ところが、ウンは否定的な意見ばかり言うんですよ。
貯まった勇気の水は一杯、また一杯と消えていきました。
ユミはすっかり機嫌が悪くなってしまいました。で、せっかくのデートだと言うのに、そのままウンと別れて帰ってしまったのです。
ストレスが最高潮に達したユミは激辛トッポッキを食べました。
そのおかげで、ユミの細胞村では『エンドルフィン』と言うグループのライブが開催され、細胞たちがこぞって駆け付け大盛り上がり
爆笑しちゃいました、あたくし
ちなみに、エンドルフィンと言うのは、脳内で働く神経伝達物質の一つで、モルヒネと同じような作用をするものだそうです。モルヒネの数倍の鎮痛効果があり、気分が高揚したり幸福感が得られると言う作用があるんだとか。
ユミはすっかり気分が良くなりました。
さっき、気マズイ雰囲気で別れたウンにも、この気分をお裾分けしてあげようと思ったユミは、トッポッキを持ってウンのマンションに行きました。
ところが、家に居ると言っていたのに、ウンがいません。
連絡すると、なんだかウン焦ってます。
いったいウン、どこにいるの