大阪城での四季のうつろい

相棒や友人たちとの日々の行動を記録するため、2005年(平成17年)リタイア後ブログをはじめました。

犬山城・明治村

2017年04月18日 | 史跡
昨日、司馬遼太郎記念館ボランティアツアーで犬山城と明治村へ。
総勢80名ほどの参加者がバス2台に分乗、7時40分近鉄八戸ノ里駅前を出発。

大阪・京都・滋賀・岐阜・愛知を経由、木曽三川(揖斐川・長良川・木曽川)を越え、桜と共に新緑が美しい景観を車窓から望みながら小牧ICで下車して犬山城へ。
駐車場の満開の枝垂れ桜が迎えてくれています。

犬山城
五つある国宝の城の一つ。現存天守の中では最古。
望楼型の天守は高さ19m・内部4階地下2階(野面積石垣の中)。

天文6年(1537年)信長の叔父織田信康が築城。
天正12年(1584年)小牧・長久手合戦の際には秀吉がこの城に入って小牧山に陣を敷く家康と戦った。
関ヶ原後の慶長15年(1610年)頃、家康の9男義直が尾張に移封されると成瀬正成はその伝役となり、元和3年(1617年)尾張藩の付家老として犬山城を拝領。
その後幕末まで城主と付家老を務める。明治24年濃尾震災をきっかけに再び成瀬氏が天守の所有者となったが平成16年財団の所有となる。

垂直に近い急で段差のある階段を上って4階へ、眼下北側には木曽川・南に小牧山・四方に広がる平地が望める望楼型天守としては最適の場にあることがよく判りました。

明治村に向かっているうち窓外が暗くなった途端激しい雨。
昼食は車内で摂った後明治村入村。

私の目的は、夏目漱石・森鴎外住宅。
学習院長官舎・西郷従道邸を見ながら夏目漱石・森鴎外住宅へ。

明治中期のごくありふれた建坪39坪余りのこの建物には、数々の由緒が遺されている。
明治20年頃、医学士中島襄吉の新居として建てられたものであるが、空家のままであったのを明治23年森鴎外が借家、約一年半を過ごした。又、明治36年から同39年までは夏目漱石が借りて住んでいた。

鴎外は、ここに移り住む同じ年の1月、処女作小説「舞姫」を発表、この家では「文づかひ」等の小説を執筆し文壇に入っていった。その後数々の作品を残し明治の文豪の一人に挙げられる。

一方、約10年遅れてこの家に住んだ漱石は、ここで「吾輩は猫である」を発表、文壇にその名を高めた。
文中に描写された家の様子は、猫のためのくぐり戸をはじめ、よくこの家の姿を写している。

二人の文豪が相次いで住んだことは由緒のあることだが、この家が当時の典型的中流住宅であって、かつ現代住宅へ発展していく新しい芽がいくつか含まれている点も注目される。3畳の女中部屋の前に、ほんの短いものではあるが中廊下のはじまりが見られ、各部屋の独立へと一歩踏み出している。また、南の面に書斎を突き出して建てており、この形が後に洋間の応接室として独立していく。

現在は漱石居住時に再現されており、書斎は英文学者らしく本箱をはじめ部屋には原書が溢れていました。
座敷机に坐って漱石気分を味わえるようになっていましたので私も便乗させて頂き、子供の頃家にあった漱石や山本有三全集を読んでいたことを思い出していました。

同年生まれの子規とは、第一高等中学校で知り合って以来子規が死ぬまで、お互いの作品を批評し合う交流が続いた。
そんな関係なのでしょう投句箱が設置されていましたので私も真似て一句、
「春の雨 住み心地や如何 名の無い猫」

雨のお蔭で長時間滞在が可能となった幸運に感謝しつつ集合場所へ。
雨中の高速道路を一路八戸ノ里へ、渋滞には遭わず定刻の8時前には到着。
事務局長さんの「私の雨女振りも復活したようです」の挨拶に笑いに包まれた車内、毎年企画して頂く記念館の皆様及び本日お世話頂いた運営委員の皆様有難うございました。

現在新宿区に建設中の漱石山房記念館は今年の9月開館予定です。
その折には訪問したいと思っています。





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2 コメント

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明治村 (樋浦憲次)
2017-04-20 09:39:23
明治村良いですね。
以前2回行っているのですが、あまりに広すぎてほんの一部しか見られません。
ライト設計の旧帝国ホテルが有名ですね。2回とも見て中にも入り、ライトの天才ぶりに感心しました。
鴎外と漱石の住居があることは知りませんでした。
東京新宿に漱石ゆかりの施設が9月に出来ると知りました。私も行って見たいものです。
返信する
Unknown (akisetsu)
2017-04-20 17:19:07
今回は雨でしたので漱石・鴎外住宅でゆっくりして来ました。
明治村のような場所で歴史的建造物が保存されている事は素晴らしい事です。
返信する

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