マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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丹生神社田楽三角跳び

2008年12月26日 12時57分18秒 | 奈良市(東部)へ
鳥居を潜って階段を登るとそこは丹生神社。

4年前は茅葺きだった舞殿は総ヒノキ造りに替わった。

真新しい舞殿に登壇すると一行は周回する。

里人が見守るなか早速行われる伝統芸能の田楽舞。

舞台中央にササラを置いて立たせると扇子で扇ぎながら三回廻る。

その際には周りの衆が尻を押したりして所作を邪魔する。

笑いが溢れるなかの田楽舞は最後に三角形の横跳び廻りで終える。

次の出番は小鼓。中央に小鼓を置いて同じように三回廻る。

このときも周囲が小鼓を転がしたりして邪魔をする。

いじられているように見えるが祭り遊びの余興。

神さんとともに祭りを楽しむという演舞は、楽器を稲に見立て、風雨に絶えて立派に実るさまを現しているという。

ラストの演者は太鼓打ち。

同じように田楽所作が演じられたあとは一団となって舞殿を周回。

神さんも大喜びの秋祭りは五穀豊穣と地域の安全を願う行事。

祭りは3年前から実行委員会が主体となって行われており、田楽舞のあとはビンゴゲームで盛り上がった。

(H20.10.19 Kiss Digtal N撮影)

丹生神社渡り衆遙拝古社参り

2008年12月25日 08時59分56秒 | 奈良市(東部)へ
奈良市東部の東山中と呼ばれている大和高原の秋祭りには、木や竹で小さな短冊形を紐で繋いだササラと呼ばれる楽器は回る、扇ぐ、跳ぶ、鳴らすなどの田楽芸能所作に用いられることが多い。

丹生町の丹生神社での秋祭りにもこれが使われる。

午前中に例祭を終えた祭りの衆らは当家の家で膳をヨバれるもてなしの時間。

大きな皿に盛った塩焼きタイが目立つが酒盃は見られない。

太鼓を打ち鳴らしヨーイトソーリャの掛け声とともに丹生の里を巡ってきた御輿がやってきた。

ねぎらいの酒やお茶などをいただき休息タイム。

そろそろ神社へのお旅だと渡り衆七人は侍烏帽子を被り素襖姿に着替える。

ササラ、小鼓、二人の太鼓、横笛は三人。

七人の渡り衆は渡行人(とぎょうにん)と呼ばれ、年齢順で役目が決まっている。

かつて竹だったササラは桜の木製。

神域内に生えていた桜が老木になったのでこれを伐採して昭和47年に作り替えたものだ。

当家の庭に砂盛りした四方竹のなかには当家の御幣とサカキの大御幣が置かれている。

サカキを持った総代を先頭に宮司、当家、渡り衆、御輿の行列が里を練り歩く。

ピュー、ピューと笛が吹かれるとヨーイトソーリャの掛け声。

太鼓はドン、ドン、ドンと打ち鳴らし里道を行く。

待ち受ける里人を見つけると、渡り衆は近寄って笛や太鼓を鳴らしてご祝儀を催促する。

鳥居までの道中は三ヶ所で立ち止まり遙拝する。

「旧社のハチマン」、「モリヤマ」、「フルシロ」と称される故地に向かって笛を吹き、太鼓は打ち鳴らして拝礼する渡り衆の古社参りとされている。

(H20.10.19 Kiss Digtal N撮影)