UO回想シリーズ 前回分
はじめに ~ UOについて ~
UO回想1 ~ KDKの歩み ~
UO回想2 ~ サクラ大戦(1) ~
UO回想3 ~ サクラ大戦(2) ~
サクラ大戦編はひとまず小休止で、今回は他のエピソード。
あれは、2003年秋ごろだったかな。
サクラ大戦終結直後ぐらいの話だったと思う。
UOでは、プレイヤーが経営する酒場やBAR・飲食店が数多くあった。
露天バーや屋台のように野外のもの、喫茶店や酒場のように屋内のもの、劇場があったり簡易PITがあったり、
ホステスみたいなのがいたり、店主がオカマだったり、店によって色々な趣向が凝らされた。
こういう場は知らないプレイヤー同士が気軽に出会い交流できる場でもあり、
店によって常連の顔ぶれは違うので全く違う空気があった。
そして人が集まる場には、それぞれのドラマが生まれる。
色々な出来事があったろう。
Sakuraには昔、"憩いの我が家亭"という飲食店があった。
首都ブリティン郊外の、通称ブリ西三叉路に大きめの店舗を構えていて、
この手の店の中では大手のほうで、当時はそこそこ知名度があるお店だった。
KDKメンであるyuznはこの"憩いの我が家亭"の常連であったので、
ある日、俺はyuznに連れられて"憩いの我が家亭"に行ってみたのだ。
当時の俺はPKキャラしかいなかった為、赤ネームで店に入った。
yuznはPKキャラじゃなく普通の青ネームだった。
当然、赤ネームが店に入ってくれば客からそれなりの視線を浴びる。
PvPに興味がなく普通に平和に過ごす人にとっては、赤ネームってのはめったに見ることのない珍しい存在だし、
PvPに興味がなくともPKに襲われた経験がある人にとっては、赤ネームってのは憎き存在なのだ。
また、人が集まる場なのだからPKを退治する仕事をしているPKKなどが客にいても不思議ではない。
ただ、わざわざフェルッカに店舗を構えているだけあって、さすがにマスターは慣れているようだった。
動じず、珍しがらず、普通の客として接客してくれる。
PKの客もそこそこ来るのだろう、きっと。 てかよく考えたらうちのyuzn自体そうだ。
それにこういう店では大抵は、PKKとPKが出会っても非戦という暗黙の了解がある。
お互いプライベートで来てるし、みたいな。
ということで、俺もしばらくはまったりと、yuznや他の客と飲んで語って騒いでどんちゃんしていた。
しばらくすると、店の前にゲートが開きギルドの団体さんが来た。
ギルド名は[JAX](うろ覚え、間違ってるかもしれない)。
そして、6人組の彼らは1人の女性を除いて全員赤ネームだった。 PKギルド御一行さんのようだ。
彼らは店に入ってくるなり、俺達の飲んでいる階より一つ上のフロアに上がっていった。
宴会予約していたのかな? 上のフロアはJAXの貸切状態のようだった。
まぁ有名な店だし、こういうこともあるのだろうと、またしばらく飲んでいた。
ま、でもやはりどこに行ってもトラブルメイカーの俺様です。
そのうちに、JAXの連中にちょっかいかけたんだったと思う。
するとたちまち、「やんのかごらぁ」みたいな険悪な雰囲気になってきた。
ま、喧嘩は酒場の華ってね。
口げんかから始まり、双方が一触即発にまでヒートアップした頃、
見かねた店主が「暴れるなら外でお願いしますよ。」と言ってきた。
そう言われちゃ出て行くしかない、戦うにしても店内は狭いし。
表に出ると、数人の客がこの喧嘩を見物しようとついてきていた。
そして俺が手を出すなと言ったのか、それとも「あ~ぁ、またうちの団長がなんか揉めてるよ」とでも呆れてたのか、
今はもう忘れたが、とにかくこの時yuznは加勢する様子を見せなかった。
相手は6人組だが、青ネームの女性は非戦闘員のようだった。 ので、実質は1vs5だ。
この時どちらが先に手を出したかは忘れたが、とにかく、殺し合いが始まった。
4年以上も前の戦闘の詳細なんて覚えてるはずもないから省略するが、
結果から言うと、さほど時間をかけるでもなく俺が勝った。
相手の赤ネーム5人は死体として店の前に横たわっていて、これはとんだ営業妨害だな。
JAXの青ネームの女性は、勝敗が決した時にどこかへリコっていった。(リコ=移動魔法)
見物してた客からブラボーとか言われた気がする。
店主は「店の前にいっぱい死体が・・・」とか言ってたけど。
JAXの連中の死体から物資をかき集め終わり、さあ飲みなおそうかなといった時、殺した5人のうちの1人が戻ってきた。
そして彼は言った。
負けたくせに、いやに馬鹿丁寧なやつだ。
俺達はPK同士だし、ここは圏外だし、現にさっきまで殺し合ってたんだし、
もう一度戦いたいのなら勝手に襲いかかってくればいいじゃないか、と思った。
でもまぁ、せっかく礼儀正しくリベンジしにきたんだ。
受けてやろうじゃないか。
「いいよ」と返事すると、今度はさっきまでの実戦的な殺し合いとは違い、
PITで行われるスポーツDuelのようなきれいな始まり方で戦いは開始された。
一度は1on5で勝ったんだ。
当然、1on1では、秒殺に近い形で俺が勝利を収めた。
しかし今回は、俺は相手の物資を奪いはせずに、その場で相手を蘇生した。
相手は起き上がり、「ありがとうございました」と言い残し去っていった。
ただの喧嘩から始まった醜い殺し合いが、何故かちょっとだけ爽やかに締めくくられた。
この時の丁寧なPKは、その後腕を上げ[PK?]や[JPN]などの大手PKギルドに入団し、
SakuraのPvPerの間でもその実力を評価されるほどになった。
彼の名前はVirginia。
その後俺と彼は、別の酒場でも偶然再会することになる。
そして、この出来事から一年以上後に彼はKDKに入団し、それから数年以上に渡り俺の相棒となった。
あのときはじめてジニアにあったのか・・・
あ、僕はご想像のとおり、『また揉めてるよ』ってまったりしてました
参戦してー。
ありがとう