Operation Flash Point: Dragon Rising (以下OFP:DR)
10月6日に発売されて少し経ったのですが、プレイしたので遅ればせながら簡単なレビューを書こうと思います。
前作OFPの続編、Arma2とOFP:DRの二大作がこれで出揃ったことになり、比較すべき点もやはり多いと思います。
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実際にプレイしてみてまず最初に気づいたのは、動作の軽さ。
前作OFPといえばとても重いゲームであり、今作に先んじて発売されているArma2もかなりのスペックを必要とするゲームであった。
なのでカクつきまくりならまだいい方で、もしかしたらまともにゲームにならないかもしれない・・・
とまで覚悟してたのだけど、思いのほかかなりサクサク動作してくれてとても軽く、スペック面ではストレスを感じなかった。
ちなみに俺はE6600、2G、8600GTSと今となっては旧式な構成。
まともにゲームにならなかったArma2と比較すれば、動作性という点では圧倒的と言わざるを得ない。
低スペックPCゲーマーからすれば、この点は嬉しかったです。
プレイ感のことを言えば、良くも悪くもOFPから変わったなと。
一言でいうなら、だいぶカジュアル、一般向けになりました。
CoD4とかの影響があるのかな?といった挙動。
実際に動かしてみると、手軽に部下に命令を出せるインターフェースといい、カジュアル層を意識した作りといい、
プレイ感としてはGhost Recon: Advanced Warfare 2 というFPSによく似てるなと思った。
良くいえば、シリーズ初心者にとっては馴染みやすい・入り込みやすくなった。
悪くいえば、OFPらしさが薄まった。
敵兵の死体などが時間経過で消えるようになったことも人によってはマイナス点かもしれない。
まぁそれでもOFPらしさという点は残されている。
異常に広いMAP、他FPSでは有り得ない遠距離での銃撃戦など。
一般的にOFP(Arma)シリーズと他のあらゆるFPSとでは、射程距離の概念が異なるわけです。
100Mも200Mも先の豆粒のように見える敵に向けてアサルトライフルを構え、なかなか当たらない銃撃戦で弾薬を浪費するのがこのシリーズです。
キャンペーンの出来はというと、正直に言うとけっこう微妙。
まぁこの点はライバルのArmaも微妙だったけど。
面白くなくはないけど、どうも前作に比べるとスケールダウンしたような?
少なくとも大規模戦闘といったものではない。
どちらかというとMAP各地に点在する小規模拠点を潰していく感じで、
ほとんどの戦闘は分隊規模、時たま小隊規模の戦闘があるといった感じ。
防衛戦闘など面白いシチュエーションもあるけども、キャンペーンのボリューム自体不足している感が否めない。
ユニットに関して固定翼機が出てこないのも戦闘のこじんまり感に拍車をかけてるかな。
AH-1などの攻撃ヘリは出てきて近接航空支援もしてくれるけども、A-10やAV-8、F-35なども登場するArma2に比べるとやはり登場ユニットという点では一歩譲らざるを得ない。
インターフェイスに関しては全体的に、前作OFPやそれをそのまま継承してるArmaシリーズと比べると洗練されて使いやすくなった。
わざとやってんじゃないか?って思えるぐらいわかりにくいインターフェイスとはとうとうおさらばしたのだ。
部下に指示も圧倒的に出しやすくなった。
ただ、シングルプレイにしてもマルチプレイにしても、難易度をハードコア設定にするとあらゆるHUDが表示されなくなる。
それは他ゲームでもよくある手法としても、自分の現在の姿勢を表示するインジケーターや、所持マガジン数なども表示されないのは不自然といわざるをえない。
これはさすがに隠さなくていいものだろう。
ただ不便になるだけで、プレイにリアリティーが増すものではない。
まぁパッチで改善されるかもしれないけど、調整が甘い部分といえるかな。
マルチはなかなか楽しい。
チームで分かれての占領戦ではなかなか激しい戦闘が展開されるし、分隊長の指示に従うのも、
衛生兵になってそこらから聞こえてくる「Medic!!」の叫びに応えて奔走するのも面白い。
Coopもよくできてる。
占領戦やデスマッチにしてもCoopにしても、ボイスチャットなどで連携がとれる仲間がいるともっと面白くなるかもとは思った。
しかし、マルチプレイにはひとつの重大な欠陥がある。
前作OFPでは、プレイ中のサーバーには途中参加できない仕組みだった。
これは大きな欠点であり、Armaシリーズのほうでは改善された。
が、今作OFP:DRではこの点を引き継いでしまっているのだ。
これは惜しい・・・
おかげで、マルチに参加しにくいどころか、戦闘中のサーバーはブラウザにも表示されないため、
現在どれぐらいの日本サーバーが立っているのか?すらもわからないといった状態。
もちろん、この点においての改善は世界中のユーザーがいの一番に言うだろうし、やはりパッチで改善されるんではないだろうかと期待したい。
最後に軽くまとめる。
OFP:DRとArma2の比較。
前作OFPのゲーム性においての正統後継作という点では、Arma2のほうが前作OFPに近い。
OFP:DRはカジュアル向けにかなりの方向転換をしたので、プレイ感はもはや別物である。
シリーズ初心者はOFP:DRのほうがプレイしやすいだろうし、前作OFPのようなものを望むならArma2だろう。
プレイの快適さ。
動作の軽さという点で圧倒的にOFP:DRに軍配が上がる。
Arma2は重過ぎる。
現行のハイスペックマシンを組んでもArma2にはまだ十分ではないだろうし、
凡庸なPCを使う大半のユーザーにとってはOFP:DRのほうが快適にプレイできるだろう。
インターフェイス関連もOFP:DRのほうが親切ではある。
戦闘の大規模さ。
Arma2に軍配が上がるかな。
登場ユニット数や兵器の種類などを見ても。
またOFP:DRでは登場AI数にも制限があるようで、大規模な戦場の再現という点では何百人も出せるArma2のほうがはるかに向いてると思う。
といったところかなー。
まあOFP:DRとArma2、どちらにせよ、大元の前作OFPがあれだけ息が長く続いた要因は、色々なMODやアドオンの存在である。
なので、不満点はパッチでそれなりに改善されるかもしれないし、このシリーズはMODやカスタムミッションがたくさん出てきて色々な遊び方ができるようになってからこそ本番といった見方もある。
どちらを買うかは好みがはっきり分かれるほど差別化がされた両作、いずれにせよ時間が経てばまだまだ熟成されていくでしょう。