ネムの葉に 宿る命 (by 夢屋)
50過ぎのオッサンが、Sexについて赤裸々に語る…な訳ないでしょう。ウケ狙いのタイトルにしてみました^^;
オジさんも約30年前は学生さんをしていたから、研究テーマは昆虫(鱗翅目…特に蛾)の性行動(Sexual Behavior)に興味を持っていました。コンラート・ローレンツやニコ・ティンバーゲンに始まる動物行動学という分野を昆虫の世界で実証できたら…あの頃は実に純粋で夢に満ち溢れておりましたよ。それでもまだ、遊び心や好奇心は失っていないのでありまして、私が自宅から1km程離れた田んぼに毎朝通い続けるのも、生業としてイネの生育を見るだけでなく、ちょっとした偶然の出会いがそこに存在するからでもあります。
2014.08.20 AM5:58 曇天 東寄りの微風
『夢屋本田』のお隣、『トヨハラさん』が畑の畦道の草刈りを終えたところ…『夢屋国王』は、いつものように捕虫網を持ってカメムシの生息状況を確認するのでありますが、刈り終えた草むらに「マドガカノコガ♂」が数頭飛び回っております。ホバリング…明らかに定位飛行中。
「マドガカノコガ」は日中にも活動する蛾なので、性行動を観察するには絶好の素材なのです。
これは明らかに「マドガカノコガ♀」が近くでコーリング(性フェロモンの放出)しているに違いないと直感した『夢屋国王』は、軽トラックからデジカメを持ち出して、♂たちがたむろする草むらの草を少しずつ慎重に除けてみました。
案の定、1頭の♀が中から出て来まして、オヒシバの葉に止まってくれました。
(興味のある方はこちらをクリックしてください。)
微風に逆らって飛んで来た♂2頭の格闘シーンがご覧頂けるはずですが…何度交尾を試みても♀に拒否される哀れな♂と、ものの数秒で交尾に成功した♂…もうそこには存在しない♀の残り香に興奮する数頭の♂ども…昆虫の世界にもモテる♂と冴えない♂が存在するのでしょうか^^;
コマ送りでその時の♀の行動や♂の行動の違いを比較し、パターン化出来れば、この実験は成功です。また、別の事例で再検証出来れば、マスコミに叩かれることもないでしょう…アハ。
こんな事をやっているから、田んぼに居る時間が長くなり、畑仕事が遅れてしまうのでありまして、毎朝、田んぼに長く居るものだから、息子が農作業で悪戦苦闘しているのではないかと、今は亡き我が家の古老が心配しておりました。悪戦苦闘も対象が違っているんですけどね。
生物学を志すなどという人は、このように変わり種であったり、社会の落ちこぼれ的な要素を多分に持っておりますが、性フェロモンの研究によって、♂を誘引捕殺(結果的に生息密度を下げる。)したり、圃場での♂と♀の交信をかく乱したり(交尾を妨害することで産卵数を減少させる)というように、農薬(殺虫剤)の使用を総合的に減少させ、安心・安全な作物の生産に結びつけることが出来るのではないかなどと農学士は考える訳です。
身近にある幸せや出来事に気付かないことって多いものです。巻頭画像の「タネム」の葉先に小さなハエ(双翅目)が止まっていることにお気づきでしょうか^^;
追記)2015.05.17 ブログを訪問していただいた「しぐま」様より、「マドガ」ではなく「カノコガ」ではないかとのご指摘を頂戴しました。私の安易な思い込みで「マドガ」とした蛾は、ご指摘のとおり「カノコガ」のようです。安易な同定をお詫びし訂正いたします。
凄い!(何が?)
動画を撮ること、UP出来たこと。
お褒め(バカにされたのか…)に与り、
誠にありがとうございます。
日々の努力と実力(じつりき)の成せる技であります。
「じじぃも煽てりゃ若返る。」ということで、
また、コメントお願い申し上げます^^;
ところでこの蛾はマドガではなく、カノコガだと思います。
誠にありがとうございます。
翅の模様で「マドガ」と思い込んでおりましたが、
ご指摘のとおり、「カノコガ」ですね。
お陰さまで、田んぼ周辺の食草を見当違いで探して
いたことに気づきました。
思い込みは非常に怖いです。恐縮です。
コーリング、求愛から交尾に至る一部始終を私は未だ自分の目で見たことがないので羨ましいです。
私もブログで色んなミスを散々やらかしては色んな人に教えてもらったり御指摘を受けたりしてるので、お互い様です〜。