「夢屋いろはカルタ」も35日目となりまして…『て』
江戸カルタでは、「亭主の好きな赤烏帽子」あまり聞かない例えです。というよりも、通常では黒いはずの烏帽子をご亭主のひと声で赤い烏帽子に変える。つまり、主人の好みに家族が合わせなければならないということなのですが、この美しい国日本には、もはや存在しない光景ではないでしょうか…?
「お~い。お茶!お~い。風呂!お~い。酒・飯!寝る!」などと言っていたら、サザエさんちのフネさんでさえ「私の名前は、お~いではありません。」などと険悪な関係に陥ってしまうことでしょう^^;
さて、動物の世界での夫婦関係は一体どういったものでしょうか。私は、小学生の頃、ハトをつがいで飼っていたのですが、一旦ペアが形成されると夫婦関係は長く継続されるようです。鳩舎内でスワッピングが起こったとか、違う♀を求めて♂同士が争ったなどということを聞いたことがありませんので、概ね確からしい話です。また、今年春先、我が家の田圃を訪れたキジの夫妻は、夏場に5羽ほどの子どもを連れて畑の中を歩き回り、秋の稲刈り前の田圃に3羽ほどの子どもを連れて株間に逃げ込んで行きましたので、つがいのまま、子育てを行うようです。ある冬に庭の梅の木の下で、越冬したつがいがおりましたので、キジもまた夫婦関係は長く継続されるのかもしれません。かもしれません…などという不確定な表現をするのは、顔の見分けがつきませんので、今日連れている奥さんが、昨日の奥さんなのか、お隣の奥さんなのか、私には区別がつかない。きっと、昨日の奥さんも今日の奥さんも一緒の方だろうと思い込んでいるための発言であります。
画像は、古老が植えた「花虎の尾(フィソステギア)」を吸蜜に訪れた『ホシホウジャク』というスズメ蛾の仲間です。私の偶然性の撮影の腕前では、これが限界です。ハチドリの様に花を訪れてはホバリング(空中停止飛行)状態で、長い口吻を伸ばして蜜を吸って行きます。
「女もお金も同じ様なものでなぁ…。追いかければ追いかけるほど逃げて行くものなのよ。一流の男には、女もお金も向こうからやって来るわさ…。」などと、職場の部下にうそぶいている夢屋でありますが、もう、おネエさんのお尻よりも、昆虫やカエルのお尻を追いかける日々…。人様から気持ち悪がられるような生き物に目を奪われている中年男は、婦女子にモテルわけもありませんが、必死に生きている姿は感動こそすれ、蔑むようなところは何もありません。
そう、婦女子にはモテませんが、近所のばあさんたちの受けは良いんだよなぁ、俺。
古老の死を通して、私たち夫婦もお互いに労わり合える関係に成りつつあります。「亭主の好きな赤烏帽子」または、「夫唱婦随」などという関係というよりも、我が家の場合は、年取った悪戯っ子を抱えた母親の心境なのかもしれませんけどね。