「今年は、これ頼もうかしら」数日前オバサンから1枚のチラシを見せられた。
なんとそれは、今まで彼女が見向きもしなかった、おせちのチラシ。
厚手の紙に美々しく印刷されている、見事に盛りつけられた料理の数々。
それを見た時、思わず長年の夢が叶ったと心躍った夢さんであった。
と言うのは、おせちはずっと自分で重箱に詰めて来た彼女。大変だったと思う。
孫達も成長し、家族毎の行事も増えたようで、我家に集合するのも減った。
「もうそろそろ止めたら」ここ数年そう言い続けて来たのだが彼女は馬耳東風。
思えば年末の紅白をやっている時間でも、台所からは煮物の匂いがしていた。
冷ました煮物や買い揃えた物、それらを詰めてお重の完成は元日の午前中。
そして孫達の来訪を待つのが常であった。はてさて、今年はどうなる事やら・・・