顔ぶれ

不定期に、ある場所に行く。
そこに来る人は
何も共通点は無い。
ただ、その場所に
来ているというだけで。

趣味の集りだとか
仕事と関係があるとか
何も共通点はない。

自分の部屋がないのか
静かな場所が
確保出来ないのか。
色々、そこに来る
理由は、人によって違う。

ただ、一定の時間
同じ空間にいる。
名前も知らないけれど
知っている顔が沢山ある。

まるで、毎朝通勤に
通る道で出会う人、
同じ時間の同じ車両に
いつも乗っている人。
それは、出勤するという
共通項で結ばれている。

出社の時間が、
この電車でなければ
遅れてしまうという
同じ理由で、この
同じ電車に毎日乗り
見かける顔なのだ。

別に、会いたくなくても
知っている顔が
そこに行けば
居ると言うのも
考えてみれば
不思議な気がする。

覚える気がなくても
何度も見れば
自然に覚えてしまう。
人の記憶は、あいまいで
時には鮮明である。