Harumichi Yuasa's Blog

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授・湯淺墾道のウェブサイトです

さっぽろ雪まつり

2013年02月10日 | 自治体
2月9日、さっぽろ雪まつり大通公園7丁目会場の「HBCタイ王国広場」で、大雪像「ワット・ベンチャマボピット(大理石寺院)」を見てきました。
http://www.snowfes.com/place/odori/index.html#07



この大雪像の制作は、陸上自衛隊北部方面通信群及び北部方面後方支援隊で、北部方面通信群長の堀江一等陸佐にご案内いただきました。

雪像のモデルとして何を選ぶかについては、スポンサーであるHBCと札幌市などが相談して決めているようです。今年はバンコクにあるワット・ベンチャマボピットが選ばれましたが、この寺院は屋根瓦を除いてほとんどすべての建材に大理石を使用しているので別名「大理石寺院」として知られています。
モデルが決まると、資料を収集して、木で模型を作りますが、屋根瓦の上の飾りや装飾の付いた窓枠、日本風にいえば破風の部分の彫刻も、すべて手抜きしないで再現されています。これをもとに雪像を作っていくそうです。



破風、屋根や窓枠の装飾の部分は、雪像を直に削って作るとこまかく再現できないので、木で型枠を作り、そこに雪を押し込んで固め、手作業で1個ずつ部品を作っていって、それを雪像に張り付けることで再現しています。







連日、150人~160人程度の隊員を投入して約1ヶ月かけて雪の輸送や雪像作りにあたるので、製作に要する延べ人数は数千人になるとのこと。
ところでこの雪像ですが、雪でできているので、当然気温が上がると溶けてしまいます。昨年は雪まつり実行委員会が制作したキャラクター「初音ミク」の雪像が倒壊してけが人が出るという事件もあり、安全には相当に注意が払われているようです。実は期間中にも、大雪像は少しずつ後ろに倒れてくるので、それを計算して制作に当たるそうです。雪像の裏側を見せていただきましたが、見た目にもわかるほどに後ろに傾いてきていました。



雪像の上に雪が積もると、せっかく再現した装飾も積もった雪に隠れて見えなくなってしまいます。そこで、雪まつりのライトアップの時間が終わった後、真夜中に雪像の周囲に足場を組み、雪像に登って積もった雪を取り除くという作業を定期的に行っているそうです。私が雪像を見たのは2月9日ですが、2月8日の22時すぎから足場を組んで徹夜で雪像をきれいにする作業を行い、再び足場を解体して観覧に供するための準備が終わったのは、朝方の5時頃だったとのこと。最も危険なのは、大雪像の屋根の部分の雪を取り除くことで、これは屋根に自衛隊員がまたがって作業をしたとのことです。
実際、前日の夜は吹雪になっていました。あの吹雪の中、雪像をきれいにする作業を行っていたのですね。





観光客が雪像を楽しんでいる裏では、大変な苦労があることがわかりました。
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