8月30日に、学術総合センターで一般財団法人行政管理研究センター主催の情報公開・個人情報保護審査会等委員交流フォーラムが開催された。
情報公開請求に関するこの数年の最大の問題は、営利的な目的による大量請求であるが、今年もこれがメインとなっている感があった。
非常に多くの示唆を得たのは、西南学院大学教授の石森久広先生による「地方審査会の運営の実情について-最近の審査会・審議会からの「自主」解釈・運用例」という講演。
地方自治体の個人情報保護条例や情報公開条例は、自治体間で条例の構造や文言がかなり違うことは知られているが、石森先生は「全国共通解釈」と「地方自主解釈」という概念を提示され、条文の構造や文言が同じであるのに審査会における解釈が違っている例を挙げられた。
そして、このような解釈の違いについて、自治体規模や条例の規定の違いという地方の実情により、解釈のあり方が違うことはあり得るとしつつも、基本的に同じ構造・条文の解釈について、自治体間でほぼ共通解釈ができあがりつつあるときに、特に地方の事情を参酌する必要もないのに地方自主解釈を行うことが適切であるかという疑問を提示された。
地方自治体は地方独自の解釈を奨励しているようにも読めるが、情報公開条例、個人情報保護条例は究極的には情報公開や個人情報保護の目的や理念を実現することを義務づけられている。したがって地方の自主解釈は認められてよいが、法の目的や理念に即したものとして展開していかなければならない。このことから、条文の構造や文言が同じである場合に共通解釈とは異なる自主解釈が認められるのは、共通解釈よりもすぐれた自主解釈を行いうる場合であり、それは認められる。しかしそうであれば、他の自治体もその自主解釈を採用することによって逆に共通解釈はそれに近いものに修正していかなければならず、そうすることによって共通解釈と自主解釈の差は昇華する、というのが先生の結論であった。
その後、懇親会で堀部政男先生と自治体における取扱いについてかなり長時間意見交換をさせていただき、非常に有意義な一日であった。
情報公開請求に関するこの数年の最大の問題は、営利的な目的による大量請求であるが、今年もこれがメインとなっている感があった。
非常に多くの示唆を得たのは、西南学院大学教授の石森久広先生による「地方審査会の運営の実情について-最近の審査会・審議会からの「自主」解釈・運用例」という講演。
地方自治体の個人情報保護条例や情報公開条例は、自治体間で条例の構造や文言がかなり違うことは知られているが、石森先生は「全国共通解釈」と「地方自主解釈」という概念を提示され、条文の構造や文言が同じであるのに審査会における解釈が違っている例を挙げられた。
そして、このような解釈の違いについて、自治体規模や条例の規定の違いという地方の実情により、解釈のあり方が違うことはあり得るとしつつも、基本的に同じ構造・条文の解釈について、自治体間でほぼ共通解釈ができあがりつつあるときに、特に地方の事情を参酌する必要もないのに地方自主解釈を行うことが適切であるかという疑問を提示された。
地方自治体は地方独自の解釈を奨励しているようにも読めるが、情報公開条例、個人情報保護条例は究極的には情報公開や個人情報保護の目的や理念を実現することを義務づけられている。したがって地方の自主解釈は認められてよいが、法の目的や理念に即したものとして展開していかなければならない。このことから、条文の構造や文言が同じである場合に共通解釈とは異なる自主解釈が認められるのは、共通解釈よりもすぐれた自主解釈を行いうる場合であり、それは認められる。しかしそうであれば、他の自治体もその自主解釈を採用することによって逆に共通解釈はそれに近いものに修正していかなければならず、そうすることによって共通解釈と自主解釈の差は昇華する、というのが先生の結論であった。
その後、懇親会で堀部政男先生と自治体における取扱いについてかなり長時間意見交換をさせていただき、非常に有意義な一日であった。