Harumichi Yuasa's Blog

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授・湯淺墾道のウェブサイトです

ビィー・トランセ、山万 見学

2012年11月27日 | 自治体
昨日は、大分大学の大井先生、北九州高速鉄道株式会社代表取締役社長の岩科さん、株式会社光タクシー社長の石橋さん、八幡駅前開発株式会社代表取締役の井上さん、九州国際大学の神力先生と、ビィー・トランセホールディングス株式会社、山万株式会社を訪問してきました。

ビィー・トランセは、千葉のバス事業者で、地方のバス事業者が軒並み業績を悪化させている中で、非常に先駆的な経営によって業績を伸ばしていることから「ガイアの夜明け」に取り上げられた会社です。この会社の珍しいところは、タクシー会社からスタートし、コミュニティ交通を経て、バス事業者へと成長していったことでしょう。バス事業者が子会社でコミュニティ交通やタクシー事業を持っているところはありますが、この会社の成長の歴史はその逆なのです。
吉田平・代表取締役社長にお話を伺いましたが、常識を疑うこと、できない理由を探すのではなくできるように頑張ってみること、潜在的なマーケットを自ら掘り起こすこと、というあたりに成長の秘訣があるように感じました。
また、地域のコミュニティ交通がなかなかうまく行かない理由として、公共交通と事業との違いが欠けているとの指摘がありました。公共交通は、地域の足を確保するために税金を投入するので、最低限の運行、一定レベルのサービスということになりがちですが、それではビジネスとして成り立つはずがなく、事業として行うのであれば高頻度運行、需要に応じた効率運行、各種サービス実施をやらなければならないとのこと。

その後、山万株式会社に移動し、常務取締役の林 新二郎氏にお話を伺いました。
山万は、ユーカリが丘という想定人口規模35000人のニュータウンを開発・分譲していることで知られていますが、民間デベロッパーが公共交通機関(山万ユーカリが丘線)を作ってしまい、まちづくりとその後のタウンマネジメントをすべてデベロッパーがやってしまうという非常に珍しい形態の事業を展開しています。鉄道、医療、セキュリティ、介護などすべてを自社グループで展開し、ニュータウン内の学校も敷地や建物はデベロッパーが用意して、それを公立の小中学校にしてもらうという形態です。よく「公設民営」という言葉を聞きますが、この会社がやっていることはむしろ「民設民営」が基本で、部分的に「民設公営」が取り入れられています。公共サービスのうち自治体に頼っているのは、消防ぐらいのようです。
その後、法人営業部副部長の小谷訓弘氏にニュータウン内を案内していただきましたが、なるべく車を使わないで済むようなまちづくり、子どもが一人で出歩けるまちづくりなど、非常に先駆的な例を実際に見せていただきました。

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瀬谷銀座通り商店街で「商店街プロレス」

2012年11月23日 | 自治体
11月4日(日)に、瀬谷銀座通り商店街で「商店街プロレス」が開催された。
「商店街プロレス」は、これまで大日本プロレスが六角橋商店街で興行を続けてきたが、今年から横浜市内の他の商店街でも行われることになったとのこと。
http://www.townnews.co.jp/0106/2012/09/06/156521.html

銀座通りでは、商店街の中にあったスーパーの跡地の駐車場が会場となり、近くのビルの屋上には「ギャラリー」が出るほどの盛況だった。



それにしても、商店街の中の建物がなくなると、それに面していた両隣の建物の壁面が露わになって、意外に痛みが激しいので驚く。



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次回の国勢調査

2012年11月14日 | 情報法
火曜日は、情報セキュリティ大学院大学のゼミの日ですが、昨日は廣松研究室のゼミとの合同ゼミを実施しました。
わが国の統計データや統計調査の重要性を理解する機会として、総務省統計局の岩佐哲也・国政統計課長にご講演いただきました。

戦前は「国籍」と言わず「民籍」と呼んでいたこと、学生が多い京都のようなところでは住民基本台帳上の人口と国勢調査による人口との間で10%程度の開きがあること(住民票を移さない学生が多いため)、調査事項の変遷、基本単位区の導入の経緯など、大変に興味深いお話を伺いました。
特に個人情報保護意識の高まりに伴い、2010年国勢調査から、封入提出の全面的導入、郵送提出方式の導入(都市部では郵送提出の割合が高く神奈川県は全国最高の73.5%)、インターネット回答方式の試行(東京都の全世帯を対象、8.3%の世帯がインターネットで回答)を行ったそうです。それをうけて次回の2015年国勢調査ではオンライン回答調査を推進することになっているそうで、次回2015年国勢調査ではぜひ全国的にオンライン回答調査を実施したいとのことです。
また今後実施する国勢調査第二次試験調査では、スマートフォンやタブレットにも対応する方式について検証する由です。世界的にみても、現在国勢調査をスマートフォンで実施している国はほとんどないそうで、もし本格的に国勢調査で導入できれば画期的な取組になるとのことでした。
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情報セキュリティ大学院大学オープンキャンパス

2012年11月05日 | 情報法
情報セキュリティ大学院大学では、学部新卒者はもちろんのこと多様な職域から多くの意欲的な社会人学生が集い、情報セキュリティに関するさまざまな問題意識や立場で学習・研究に励んでいます。
本学に関心をお寄せいただいている皆様に学内の雰囲気や各研究室の活動内容等をご紹介させていただきたく、下記の日程でオープンキャンパスを開催いたします。
一部のプログラムのみへのご参加も可能ですので、ぜひお気軽にご来場ください。

日時 11/10(土) 11:00~17:00

会場 情報セキュリティ大学院大学
(横浜市神奈川区鶴屋町2-14-1 横浜駅きた西口より徒歩1分)
主な内容
(予定)
11:00~11:50  大学院(情報セキュリティ研究科)説明会(2013年4月入学 入試情報 他)
12:30~13:50 所属院生による研究室紹介(暗号技術、セキュアシステム、セキュリティマネジメント 他)
14:00~14:50 OB&在学生スピーチ
             OBスピーチ(14:00~14:20)
               名越潤也氏(株式会社ツナギ 代表取締役)
                ※情報セキュリティ研究科 修士課程 2007年3月修了
             在学生スピーチ(14:20~14:40)
               羽田大樹氏(NTTコミュニケーションズ株式会社)
                ※情報セキュリティ研究科 博士前期課程 2年在学中

11:00~17:00 ポスター展示
14:00~17:00 教員・在学生等による個別相談(入試・学生生活・研究テーマ・オススメ講義等)

など

詳細はこちらをご覧下さい
http://www.iisec.ac.jp/event/20121110opencampus.html
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個人情報保護法第11条

2012年11月05日 | 自治体
ウェストロージャパンのLC Clubに、個人情報の保護に関する法律第11条の解説をアップロードしました。

http://lc.westlawjapan.com/index.php/%E5%80%8B%E4%BA%BA%E6%83%85%E5%A0%B1%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E6%B3%95_%E7%AC%AC11%E6%9D%A1

本条は、地方公共団体が保有する個人情報の保護について、適正な取扱いが確保されるように必要な措置を講ずる努力義務を定めると共に、その設立に係わる地方独立行政法人についても、その保有する個人情報の保護について適正な取扱いが確保されるように必要な措置を講ずる努力義務を規定したものです。
しかし、ここでいう「地方公共団体」の中には特別地方公共団体も含まれるのか、個人情報保護条例の制定義務があるのか等については、議論が深まっているとはいえません。
私自身ももう少し考えてみたいと思っています。

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