山口 英先生が52歳で逝去され、いろいろなところで追悼記事が出ている。6月15日にはお別れの会が開かれるとのことである。
http://www.wide.ad.jp/suguru-0615/index-j.html
情報ネットワーク法学会では、2005年11月に南山大学を会場として開催された第5回研究大会の際に、山口先生に基調講演をお願いしている。
http://www.in-law.jp/bn/2005/20051001.html
私自身もこの研究大会には参加しているので、
ブログに記事を書いていた。
山口英・内閣官房情報セキュリティ補佐官・奈良先端科学技術大学教授の基調講演「情報セキュリティの役割拡大と方向性」は、政府の情報セキュリティ対策の経緯と現状に関するもの。
特に内閣官房を中心とするセキュリティ対策を推進する過程において、実務的には立法化を極力回避している現状が紹介された。
その理由は、立法化作業は膨大なコストを要する割には、法律による諸問題の解決は終局的場面が中心であり、一般国民にとって立法化は必ずしも有意義とならないという山口氏の私的な見解が示された。換言すれば、法律は「使いにくいツール」であり、「顧客」である国民にとっては満足度の低いものであるため、政府の情報セキュリティ対策を推進する上で膨大なコストを費やしてまで立法作業を推進する必然性は低いというものである。
上記が、山口先生の基調講演に関する私のブログ記事である。
ご講演の内容からは、山口先生が、立法というきわめて煩瑣な作業と格闘しておられた様子がうかがわれる。まさに「膨大なコストを費やして」、立法作業を推進しておられたのであろう。それが山口先生のお命を縮める一つの原因になったのではないかと思う。
あらためてご冥福をお祈りしたい。