Harumichi Yuasa's Blog

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授・湯淺墾道のウェブサイトです

情報ネットワーク法学会

2005年11月27日 | Weblog
 情報ネットワーク法学会のため名古屋へ。
 機内で「空弁」を食べ、朝食と昼食を兼用。「ごりょんさんの玉手箱」なるもので、中身は、ふぐ、明太子、ちりめん、鯖などの具が載った小さなピンポン玉ほどのむすびめしが9個(具は9種類で、具1種類に付きむすびめし1個)入っているというもの。

 山口英・内閣官房情報セキュリティ補佐官・奈良先端科学技術大学教授の基調講演「情報セキュリティの役割拡大と方向性」は、政府の情報セキュリティ対策の経緯と現状に関するもの。
 特に内閣官房を中心とするセキュリティ対策を推進する過程において、実務的には立法化を極力回避している現状が紹介された。
 その理由は、立法化作業は膨大なコストを要する割には、法律による諸問題の解決は終局的場面が中心であり、一般国民にとって立法化は必ずしも有意義とならないという山口氏の私的な見解が示された。換言すれば、法律は「使いにくいツール」であり、「顧客」である国民にとっては満足度の低いものであるため、政府の情報セキュリティ対策を推進する上で膨大なコストを費やしてまで立法作業を推進する必然性は低いというものである。

 上田修一・慶應義塾大学教授の基調講演「日本型ロー・ライブラリーは可能か」は、日本とアメリカの法科大学院の図書館(ロー・ライブラリー)を比較した上で、日本型のロー・ライブラリーのありかたを探求するものである。アメリカの法科大学院の図書館と比較すると、我が国のそれは人的・財政的基盤がすこぶる貧弱であることが紹介された(たとえばアメリカ法曹協会認定の法科大学院185校のロー・ライブラリーの平均的な専門図書館員数は8名)。
 それだけではなく、アメリカのロー・ライブラリーは独立性、専門性、管理手法、予算面の担保等の面において、我が国とは大きく異なっていることが指摘された。
 我が国の法科大学院が発足して以来、教員および学生の双方から不満の声が上がっているが、アメリカの法科大学院制度に類似する法科大学院を導入する上で、それを支える人的・財政的基盤の整備については意図的に看過されてきた面があり、それが今日の我が国の法科大学院の現状を現出したのではないか。ロー・ライブラリーに関する配慮の欠如(法科大学院設置基準における数値基準を避けた抽象的な言及)もその一例であると思われる。
 ただ、大学図書館のあり方として、学部・大学院の専攻に呼応する専門図書館がよいのが、総合的な図書館を一つ造る方がよいのかという問題は、なかなか即答はできないと思われる。法律を学ぶ学生と研究者にとっては前者のほうが使いやすいだろう。しかし、ちょっと専門外の専門の文献が必要になったときには、わざわざ別の図書館に足を運ばなければならないことになってしまう。

 パネルディスカッションは、フォレンジックに参加するか法学教育に参加するかで悩んだが、結局、指宿 信・立命館大学教授の司会により、フランク・ベネット(名古屋大学助教授)、門 昇(大阪大学講師)、石川万里子(筑波大学講師)の各会員がパネリストとなったパネルディスカッション「法学教育とライブラリー」に参加した。
 本パネルディスカッションでは、法情報の電子化の過程において紙の法律情報と電子情報をどのように使い分けるべきか、法学教育(法科大学院および学部)において図書館と連携した教育をどのように行うべきか、ロー・ライブラリアンをどのように養成していくか、法科大学院の図書館の設置基準を作るべきか、という点が中心に討議された。
 指宿先生の司会が巧みで、会場の参加者に上手に発言をうながしながら、スムーズに討論が展開していった。

 宿泊は、名古屋の定宿にしている名古屋観光ホテル
 近年でもシティホテルは意外にインターネット接続環境が整っておらず、ビジネスホテルのほうが環境は充実していることが多いが、名古屋観光ホテルは比較的に早い時期から全室高速インターネット接続可能になっていた。やや古いが、このホテルで不愉快な思いをしたことはないので、名古屋に来るときはここに泊まることにしている。

 朝食券を昼食に振り返ることができるのもこのホテルのよいところで、朝食ビュッフェはやめて昼食にしてもらった。1800円相当のランチが供された。
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年報政治学

2005年11月25日 | Weblog
 『年報政治学』2005年度版1号が届いた。
 『年報政治学』はこれまで岩波書店から刊行されてきたが、今号から木鐸社に版元が変更になった。日本政治学会もご多分に漏れず財政難であり、また出版社もあえて売れない学会誌の刊行をかかえ込んでおく必然性が無くなったということなのであろう。

 2004年学界展望(318頁)に、拙稿「電子投票の諸問題」(『判例タイムズ』1169号)をとりあげていただいた。これは望外のことだった。
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藤よし

2005年11月24日 | 食事
箱崎本通りの焼き鳥「本家藤よし」に行く。焼き鳥は妻の大好物。先日同僚と黒崎の焼鳥屋で飲んだといったところ、自分もどこかで焼き鳥を食べたいと言い出した。
「本家藤よし」の値段は少々高め(1本150円~)だが、焼き物の種類がかなり多く、また旨い。黙っているとタレをつけて焼いてくれるが、このタレが秘伝なのだそうである。
あんきもと鶏のササミの叩きも取ってみたが、あんきもは大きさが立派でしつこさがなく、鶏の叩きは表面のあぶり加減がちょうどよく肉の歯ごたえもしっかりとしていた。
魚の料理もできるようで、カウンターの隣の客は刺身用の鰯を焼いて欲しいと頼み、反対側の隣の客は鯛のかまの煮付けを頼んでいた。鍋物などもできるようである。

箱崎界隈では、台式中華屋台料理亜洲界世にも行ってみたいのだが、まだ機会を得ていない。
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LS出でて...

2005年11月20日 | Weblog
「民法出でて忠孝亡ぶ」と批判されたのは今は昔の物語り。
中山研一・京都大学名誉教授のブログで、中山先生が「法科大学院出でて研究亡ぶ」と批判されたのが話題になっている。
 法科大学院の教員からおだやかな反論もあるが、教員のほうからは「こんな筈じゃなかった」「これでは研究が出来ない」というような中山先生に同調する声が多いのではないだろうか。

 語呂合わせからいえば「LS(エル・エス=略称としては、ローとか、LSと呼ばれることが多い)出でて研究亡ぶ」のほうが良さそうだけど、それはともかくとして、「LS出でて院生減少」には私も困っている。ここでいう院生とは、研究者志望の法学研究科の大学院生のことである。
 何が困ったかと言えば、たとえば、学会開催の手伝いをお願いする人がいない。今年の情報ネットワーク法学会の予稿集編集の手伝いをお願いした大学院生も来年LSに行くそうで、そうなるとこの手の仕事を頼むわけには行かないだろう。
無理に頼んではいけないが、学会の開催の補助などは、研究者志望の院生にとっては学界の内情などを知る良い機会であろう。しかし、LSの学生にとっては単なるアルバイトに過ぎないかもしれないし、貴重な予習復習の時間を喰われるだけかもしれない。
さて、来年は誰に頼んだらいいのだろう。
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今年のボージョレー

2005年11月19日 | 食事
ボージョレー・ヌーボーの季節がやってきた。
昨年は自宅で楽しんだが、今年は香椎のビストロに行き、久々に妻と二人でディナーを楽しんだ。
最近、フランス料理の本格的なレストランに行く機会が減っているが、堅苦しいところで食事をするのに肩が凝るようになってしまったと言うこともある。妻と二人で行くのだから、二人で別々の前菜を頼んで取り合って食べてみたり、気楽にやりたい。イタリア料理のレストランであれば許されるだろうが、本格的なフレンチの店ではそれはまずいだろう。
ワインも食事も美味だったが、柿の中身をくりぬき、その中に帆立のシチューを詰めた一品が面白かった。柿は軽く焼いてあるそうで、中身のシチューを食べた後、容れ物になっている柿も食べられるという仕掛けである。
 
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日曜日の過ごし方

2005年11月13日 | Weblog
 学生と話していて、「先生は授業のない日は何をしているんですか」と聞かれた。
 
 今日の過ごし方は、下記の通り。

2006年世界政治学会福岡大会関係
 旅行宿泊小委員会委員とプログラム小委員長をつとめているので、今日は参加者向けのホテル案内(予約方法、価格その他)の執筆。
 福岡大会では、あるセッションの討論者もつとめることになっている。

Policy Making Processes
Chair: Young Rae Kim, Ajou University
Papers: Naoko Taniguchi Teikyo University
Munenori Ichisima, Cyukyo University
Michio Muramatsu, Gakushuin University
Ethan Scheiner, University of California, Davis
Disc : Harumichi Yuasa, Kyusyu International University

 発表者は、谷口尚子(帝京大学)、市島宗典(中京大学)、村松岐夫(学習院大学)、イーサン・シャイナー(カリフォルニア大学デービス校)の各位。この方々の報告の討論をするわけである。
 村松岐夫(学習院大学)とあるのは、もちろん行政学の大家・村松先生(京都大学名誉教授・学習院大学教授)であり、私が討論をしてコメントするというのもおこがましいが、とにかくせっかく指名されたのでお引き受けした次第。学生には休講が増えて申し訳ないが、担当教員の学会活動がさかんであるということは、それが授業に還元されるということでもある。また、勤務する本務校の評価を上げるのに、ささやかではあっても貢献したいという思いもある。

情報ネットワーク法学会関係
 予稿集の責任者になっている。
 実際の編集は慶應の大学院生にお願いしているが、原稿の督促などは私がやらないと...。入稿されていない原稿のチェック、未定項目についての確認など。



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シンポジウム終わる

2005年11月13日 | Weblog
 13日、九州国際大学現代法政研究室の第4回市民公開シンポジウム「わが国における刑事手続の現状と改革の課題----裁判員制度の導入を踏まえて----」で、パネリストとして「裁判員制度とIT--日米の比較を通じて--」を発表。
 準備不足で、話す予定だったことの半分も盛り込めなかったような気がするが、シンポジウム自体は成功裡に終了した。
 その後、O教授、T教授、T教授(学部主事)、O助教授、S講師と戸畑の寿司屋「寿志一」に行って、打ち上げ。座敷に大きなハエがいて閉口したが、このシーズン初の鍋物をいただいた。
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会議、会議・・・

2005年11月09日 | Weblog
 休講が多くて学生には申し訳ないと思うが、とにかく会議が多いので身動きが取れない。
 10時から法学部人事委員会、14時30分から17時半ごろまで法学部教授会、18時から21時30分まで法学部教務委員会。
 疲れました・・・。
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研究会

2005年11月05日 | Weblog
 11月12日に開催を予定しているシンポジウムの準備の研究会。

 私もパネリストの一人に名を連ねているけれど、これはまあ落語の前座のようなもので、メインはやはり刑事手続の改革だろう。とにかくこの領域では改革のスピードが速く、ついてゆくのが大変。
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36年もの

2005年11月03日 | 食事
 同僚のO先生、S先生と黒崎のBar Water Clubへ。
 36年ものというボウモアを飲んだ。
 ボウモアも数年前に日系資本下に入ってからはすっかり値段も味も低下し、最近ではディスカウントストアで叩き売られているような有様であるが、さすがに36年ものとなると、口中に広がる芳醇な香りがすばらしい。
 最近ではイギリスでもウィスキーの消費量が減り、品質も落ちていく一方だという話がある。お楽しみは今のうち、ということなのであろうか。

 
コメント (2)
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