Harumichi Yuasa's Blog

明治大学専門職大学院ガバナンス研究科(公共政策大学院)教授・湯淺墾道のウェブサイトです

放送大学ラジオ番組ゲスト出演

2012年06月26日 | 情報法
放送大学大学院の科目「情報学の新展開('12)」の第13回「情報と政治」が、7月6日(金)16:45からラジオで放送されます。
担当講師は指宿信先生(成城大学教授)ですが、私もゲスト出演します。
番組の前半は指宿先生の講義で、後半に指宿先生との対談形式で出演する予定です。
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FTCが公正信用報告法違反で個人情報ブローカーに罰金

2012年06月18日 | 情報法
FTCが公正信用報告法違反で個人情報ブローカーに80万ドルの罰金という記事。
罰金を科されることになった"Spokeo"は、電話帳や各種の年鑑などのオフライン情報に、ソーシャルメディアのプロフィール欄等から収集したオンライン情報をマッチングさせて、それを提供する個人情報検索サービスであるという。
この記事だけでは内容が判然としないので、詳しく調べてみたい。

FTC Hits Seller of Internet and Social Media Data
http://www.venable.com/ftc-hits-seller-of-internet-and-social-media-data-06-14-2012/

People search engine Spokeo coughs up $800,000 to settle FTC charges
http://thenextweb.com/insider/2012/06/12/people-search-engine-spokeo-coughs-up-800000-to-settle-ftc-charges/?awesm=tnw.to_h0GM
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フラワーセンター大船植物園

2012年06月09日 | 自治体
神奈川県緊急財政対策本部調査会(神奈川臨調)が、107ある県有施設等について3年以内に全部廃止するという方針を固め、話題になっている。
このうち、フラワーセンター大船植物園は現在直営になっているが、私はこれまで一度も行ったことがなかった。

緊急財政対策本部 第2回調査会 資料によると、年間の利用者数は、平成23年度は210125名。
事業費総額6,090千円、維持管理経費総額68,239千円、合計で年間の経費は74,329千円。
職員数 29名(常勤19名、再任用2名、非常勤8名)で、職員給料 150,000千円となっている。
総計で224,329千円。
単純にかかっている経費を利用者数で割ると、ざっと1人あたり1000円強となる。ところが利用料は、20歳以上65歳未満が350円、高校生と65歳以上は100円、中学生以下は無料。この差額が県の「持ち出し」になっているのは確かである。
初めて訪れたフラワーセンターは、ざっと見て回るには1時間もあれば十分という規模だった。ちょうど菖蒲とバラが見頃で、こういう施設は是非残して欲しいと思わずにいられなかった。しかし、これに1000円の利用料を払うかといわれれば、正直なところ返答に窮する。民営化が難しい種類の施設であることは確かだろう。

フラワーセンターの花アルバムはこちら。
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.460222477323191.110190.100000063274224&type=1&l=ee22df1bdd
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瀬谷駅南口の再開発

2012年06月07日 | 自治体
先日、家の近くの瀬谷駅南口アーケード「瀬谷駅前名店街」の近くを歩いていて、ぽっかりと大きく土地が空いた駐車場を見つけた。駐車場になったのは、ごく最近のことのようである。妻と一緒に歩いていたので、「ここ、何があったっけ?」と二人で顔を見合わせた。



アーケードの中に入ってみて、疑問は氷解した。「スパーク瀬谷」というスーパーのあったところの建物が取り壊されていたのである。それで、ここが空き地になったというわけだ。





それにしても全国的に商店街の「シャッター通り」化が問題になっているが、瀬谷駅前名店街をみる限り、シャッター通りの段階を通り越して、空きっ歯通りとでもいうべき状態になっていく段階といわざるをえない。



ところで、瀬谷区役所からは「幸せが実感できる瀬谷づくりのために~平成24年度 瀬谷区の主な取組~」が公表された。「幸せが実感できる瀬谷づくり」というのは、何か安倍晋三首相の「美しい国へ」を連想させるような抽象的な表現だが、中身は具体的なものになっている。
その中で、瀬谷駅南口A地区の再開発(都市整備局)という項目があり、「瀬谷駅南口の地元再開発準備組合等を支援していきます。」とある。ちなみに「※瀬谷駅南口A地区とは瀬谷四丁目の一部(約2.8ha)です」と記載されているが、瀬谷駅周辺では、相鉄線をはさんで瀬谷駅北口の再開発のほうが先行した。その経緯は都市整備局のホームページに記載されているが、「瀬谷駅周辺街づくり協議会」が発足したのは昭和60年のことだそうで、ちょうど私が瀬谷に引っ越してきたころ。
それから実に30年、北口は再開発が完了したが、南口はなかなか再開発が進まなかった。
平成11年3月に瀬谷駅南口A地区(約2.8ヘクタール)で、地権者組織である「瀬谷駅南口A地区再開発協議会」が発足し、同22年7月には、そのうち瀬谷駅南口A地区第I街区(約1.1ヘクタール)において「瀬谷駅南口A地区第I街区再開発準備組合」が設立されたとある。
このうち、第I街区のほうでは、老朽化した建物の取り壊しに向けて所有者とテナントとの間で立ち退きに関する話し合いが進んでいると聞く。
ただ、再開発するのはよいが、どのようなまちづくりを基本方針にしているのかは、よく見えない。北口と同じようなものを目指しても、南北で商店が競合するだけだろう。環状4号線沿いに住宅地がスプロール化している現状を考えると、そもそも南口に再び人がやってくるのかどうかも疑問で、商店街として再開発するのではなく、駅近の住宅地としての再開発という方向もあるかもしれない。
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6月16日(土) 情報セキュリティ大学院大学秋葉原説明会開催のお知らせ

2012年06月06日 | 情報法
情報セキュリティ大学院大学では、秋葉原コンベンションホールにて下記の日程で「大学院(情報セキュリティ研究科)説明会」を開催いたします。

当日は、カリキュラムの特色や育成人材像、通学プラン、入試などについての説明に加え、本学での講義やゼミの雰囲気を少しでも感じていただけるよう、本学の専任教員による模擬授業も組み込ませていただきました。

2012年10月入学、2013年4月入学をお考えの方はもちろん、次年度以降の進学を検討されている方もぜひお気軽にご参加ください。

日時 2012年6月16日(土) 14:00~16:30(開場 13:30)
会場 秋葉原コンベンションホール 5Fカンファレンスフロア
 (JR秋葉原駅西口・電気街口より徒歩1分)
 http://www.akibahall.jp/data/access.html

主な説明内容

大学院紹介 (50分)
カリキュラム/育成人材像/4コース概要/学生生活/修了後の進路/入試/学費・奨学金制度について等

模擬授業 (20分×2)
佐藤直教授「サイバー攻撃の動向と対策のポイント」 
湯淺墾道教授「不正アクセス禁止法改正のポイント」

個別相談(希望者のみ)

詳細は、こちらのページをごらんください。
http://www.iisec.ac.jp/event/20120616setsumeikai.html
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武雄市図書館問題の論点メモ 2

2012年06月06日 | 情報法
 以前に武雄市の図書館問題についての論点をまとめてみたが、まだ論じていない点があった。それは、指定管理者による管理に切り替えた後の個人情報の取扱いである。
 以前に書いたように、一口に民間委託と言っても、業務委託なのか指定管理者なのかによって手続は相当に異なる。またサービス全体を委託するのか、カウンター業務等の一部だけを委託するのかという問題もある。ここではひとまず、図書館の運営全体について、自治体の出資法人ではない株式会社などの民間事業者を指定管理者とし、管理・運営させることになった場合について考えてみる。

1 民間事業者が指定管理者となった場合、指定管理者が指定管理業務に係わって保有する個人情報は、自治体の個人情報保護条例の適用対象となるか
 「そもそも」論である。指定管理者とは、従来地方自治体や出資団体に限定されていた公共施設の管理運営を、株式会社等の民間事業者に包括的に代行させる制度であり、地方自治法第244条の2 第3項に規定がある。
 
3 普通地方公共団体は、公の施設の設置の目的を効果的に達成するため必要があると認めるときは、条例の定めるところにより、法人その他の団体であつて当該普通地方公共団体が指定するもの(以下本条及び第二百四十四条の四において「指定管理者」という。)に、当該公の施設の管理を行わせることができる。
 
 指定の法的性質は、行政の事務の委託ではなく、行政処分であるとされている。
 したがって、指定管理者の業務はあくまでも当該指定法人が自治体との協定に基づいて自らの業務として行うものであって、自治体の業務を委託されて行っているわけではない。したがって条例に特段の定めが無い限り、指定管理者が指定管理業務に係わって保有している個人情報には直接個人情報保護条例は適用されない、というのが一般的な理解であろう。しかしこの点は、さらに綿密に考えなければならないと思っている。
 
2 民間事業者が指定管理者となった後に、新規に収集した個人情報の取扱い
 個人情報保護法が適用されるのか、当該自治体の個人情報保護条例が適用されるのか。
 個人情報保護条例や指定管理者条例の中に、指定管理者の保有するに関する条文がある場合は、当該条例が適用されることになると思われる。この場合、いわゆる上乗せ、横出しの可否が問題となる。具体的には利用者が死亡した場合の死者の個人情報の取扱いや、DV被害者の個人情報の特別な保護措置、同和問題や宗教問題など地域の固有の事情に基づく措置等について、自治体が保有する個人情報の場合と同様に事業者に対して義務を課すことが妥当であるかという論点がある。
 個人情報保護条例や指定管理者条例に指定管理者の保有する個人情報に関する条文がない場合、当該個人情報を自治体が「保有」しているとみなすことは困難であり、民間事業者規制法である個人情報保護法が適用されるであろう。この場合、利用者である住民にとっては、公の施設の利用に係わる個人情報であるにもかかわらず、開示や利用停止の求めについては個人情報保護法に基づいて行うことになる。

3 指定管理の期間が終了した場合の個人情報の取扱い
 指定管理者には指定管理期間中に収集した個人情報の廃棄義務があるか。
 自治体の場合は、文書管理規程等で文書類の保存期間が定められており、それが過ぎれば廃棄される。したがって、個人情報保護条例で廃棄のことが定められていなくても、特に問題が生じない場合が多い。
 しかし、民間事業者が指定管理者となった場合で、指定管理に関する契約等で特に指定管理の期間が終了した場合の個人情報の取扱いが明示されていないとき、廃棄義務まで生じるであろうか。この点で、新保先生と夏井先生の『個人情報保護条例と自治体の責務』(ぎょうせい、2007年)では、廃棄義務があるとされているが、当然の義務的な書きぶりで、根拠は明示されていない。廃棄義務が生じると考えるには、なお検討が必要となるのではないか。

4 指定管理者が変更となる場合、旧指定管理者は新指定管理者に指定管理期間中に収集した個人情報を第三者提供することが可能か
 指定管理者に代行することを止めて行政直営に戻す場合、旧指定管理者は指定管理期間中に収集した個人情報を自治体に第三者提供することが可能か。
 また、指定管理者に代行させることを止めて行政直営に戻す場合、旧指定管理者に対して指定管理期間中に収集した個人情報を提供するように求めることが可能か。指定管理者は民間事業者等が自治体に代わって包括的に管理運営を行うものであり、指定管理の期間がすぎた後は当該事業者等には指定管理に係る事業の継続義務はない。採算性が取れないと事業者が判断した場合、指定管理者の公募に応じる事業者がいなくなるという事態が発生することも想定されるからである。
 これについては、条例の根拠があれば可能であると思われるが、条例にこの種の規定が全くない場合には、個人情報保護法の第三者提供の制限が適用されることになると思われる。

5 他の指定管理者では問題は生じていないのか
 公立図書館の自治体直営から指定管理者による管理への移行は、すでに多くの例がある。
 にもかかわらず、これまで武雄市の事例のように全国的な注目を集めることがなかったのはなぜか。
 その一因は、これまで公立図書館の管理運営を代行する指定管理者となった事業者の多くが、自治体の出資法人(いわゆる外郭団体)であるか、丸善、TRC等の図書館や書籍流通の専門業者だったからだと思われる。もちろん、図書館関係者からは公立図書館への指定管理者の導入に対して根強い反対がある。しかし、公立図書館への指定管理者導入による弊害を指摘する声は、必ずしも大きなものにはなっていないのが現状であろう。

6 民間事業者である指定管理者には、どこまでの「行政の透明性」が求められるのか
 独立行政法人(エージェンシー)、指定管理者やPFIなど、いわゆるNPMによる行政の運営は、民間の原理や手法を公的機関のサービス提供部門に取り入れるものである。この種のサービス提供部門(いわゆる「現業」の多くもここに該当する)については、効率性や柔軟性、創意工夫という観点から民間の原理や手法に親和的であると同時に、自治体の現場においては、自治体の厳しい財政事情を背景として特に効率性が重視されているという側面がある。サービス向上ということもさることながら、行政が直営でサービスを提供する場合よりもコストを下げるということが、指定管理者やPFI導入の至上命題となっている。
 ところで、指定管理者やPFIなどによるサービス提供については、非権力的行政であるので、権力的行政ほどには行政の透明性や公正性、情報公開、説明責任等は要請されない、ということが暗黙の了解となっているように思われる。
 このことは、指定管理者やPFIなどの手法の解説本には明示的には書かれていない。しかし、行政の透明性や公正性、説明責任を権力的行政と同程度に民間事業者に要求するのであれば、民間事業者が営利性や効率性を追求しつつ行政による直営よりもコストを下げてサービスを提供することは困難であろう。営利企業として利潤を追求する民間事業者に、行政と同程度の責任を負わせつつ行政自らが行うよりも低廉なコストでサービス提供させるということ自体に、無理があるといってよい。したがって、民間の原理や手法を導入するということは、実態としてはその分だけ行政の透明性や公正性、説明責任は軽くならざるを得ないということなのである。このことに、行政、議会、住民は自覚的であるべきだろう。
 もちろん、権力的行政と同程度にさまざまな責任や要求を民間事業者に科すことは不可能ではないが、はたしてそんな条件の下で、行政直営の場合よりもコストを下げるということを実現して参入してくる企業があるだろうか。指定管理者となったとたん、企業活動のすべてが原則として情報公開の対象になるということになれば、多くの企業が尻込みするはずである。不正競争防止法上の営業秘密のほかにも、企業には多くのノウ・ハウや営業戦略など公開したくないものが多く存在するのは当然である。
 また、指定管理者の選定については、一般に利用者の平等な利用の確保及びサービスの向上が図られるものであること、公の施設の効用を最大限に発揮するものであること、公の施設の適切な維持及び管理並びに管理に係る経費の縮減が図られるものであること、公の施設の管理を安定して行う人員、資産その他の経営の規模及び能力を有していること等の基準に照らして審査される。その際、個人情報の保護と利活用のあり方については、十分な検討がなされていない場合も多いと思われるし、「効率性」の要請の方が勝っているというのが実情であろう。

7 個人情報保護審議会等の役割
 上記のような論点は、公立図書館運営の実務に即して事前に想定することができる範囲であり、自治体が個人情報保護条例や指定管理者条例で規定したり、指定管理者を公募する際の要件や仕様書に記載したりして、あらかじめ問題を回避することができるものである。
 また多くの自治体の個人情報保護条例では、保有する個人情報の第三者提供等に際して個人情報保護審議会等に諮問したり、審議会の意見を聞いたりすることとしている。したがって、審議会の委員が専門的な見地からきちんと意見を述べるようにすればよいのである。
 ところが、学識経験者の委員については、中小規模の自治体では当該自治体の元職員が学識経験者として委員に就任している場合がある。その理由の一つには、適任者が見つからないということがあるようだ。この種の審査会、審議会等の委員の報酬は、単純に会議の拘束時間で考えれば、時給数千円程度になるが、実際には往復の所要時間や事前の準備時間などを考えると、多忙な弁護士さんなどからは敬遠されがちである。また大学の教員も、以前よりも担当コマ数が増え、休講もしにくくなっているので、自治体の審査会、審議会等の委員の依頼を嫌がる人も多い。
 他方で、自治体の元職員であれば、自治体の行政に通暁し、一定の法制・法務に関する知識を有すると思われるので委員には適任であると考えられるものの、元職員という立場であれば、実施機関の職員とはかつての同僚という関係になる。自治体の規模が小さければ小さいほど、お互いに顔見知りというのが普通であろう。実施機関の職員と親密な関係を残したままで、はたして中立的な立場でいられるかという疑念がある。中立性という観点からは、すくなくとも当該自治体の元職員を学識経験者として任命することには問題があるといえる。
 なお小規模自治体においては、個人情報保護はもとより、専門的な法制・法務に関する知識を有する職員が少ないのも実情である。
 人口5万人以下の自治体では、そもそも総務部門において「文書法制担当」職員が1、2名しか配置されていなかったり、他の業務との兼務でしか配置されていなかったりする場合もある。そのような自治体では、事務局の職員が参照できる資料類もすこぶる貧弱である。私自身、ある小さな自治体の審議会の委員を務めたときは、自分で参考文献・判例の収集、類似事案の調査等を行って、事務局に提供した。事務局にはほとんど資料がなく、担当職員も専門的な資料の収集方法について研修を受けているわけではないので、Googleで場当たり的に検索して資料を集めているという状態だったためである。

8 条例の役割
 このように考えてみると、個人情報保護条例や指定管理者条例において、指定管理者に係る個人情報の取扱についてきちんと定めておくことが非常に重要であることをあらためて感じる。ただし、約1700の自治体(普通地方公共団体)がそれぞれ独自の規定を置くことについては、特にそれが民間事業者を規制するものであるときには、民間事業者にとっての過大な負担となるという見方もあるだろう(鈴木正朝先生がこの立場)。
 私自身は、自治体自身が保有する個人情報の取扱い、当該自治体の事務の一部を包括的に代行する指定管理者における個人情報の取扱いについては、自治体の条例による個人情報保護法への一定の上乗せ・横出しを許容すべきではないかと考えている(この点については別の機会に詳述したい)。
 
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