Harumichi Yuasa's Blog

雑記帳Blog版
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8月27日(月)情報セキュリティトピックセミナーのお知らせ

2018年07月10日 | 情報法
日置巴美先生を講師にお迎えして、個人情報保護法・GDPRの講演を、8月27日(月)18:30より情報セキュリティ大学院大学で開催します。
受講料は無料です。
参加ご希望の方は、下記のチラシの申込先宛にお申し込み下さい。

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EUのフェイクニュース規制

2018年05月06日 | 選挙制度
欧州委員会によるフェイクニュース規制の内容が4月26日に公表された。
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-18-3370_en.htm

ロシア政府が背景にあるとされるSNSを利用した世論誘導による選挙への干渉問題について、アメリカ連邦議会における議論は、当初問題視されていたロシア政府や関係者がスポンサーになっていると見られる広告出稿やアカウントの開設問題から、プライバシー保護問題に焦点が移行した感がある。ケンブリッジ・アナリティカ社への大量の個人データの流出問題がその背景にあることは言うまでもなく、選挙への干渉について特別検察官による捜査が継続しているという事情もあろう。
これに対してEUは、虚偽情報の流布は表現の自由という基本的人権の侵害であると捉えると同時に、SNSの個人データが世論誘導や選挙干渉に悪用されることを排除してセキュアでレジリエントな民主的手続を確立する必要があるとして、フェイクニュースの流布に対する規制にも熱心である。
具体的には、フェイクニュース対策は、デジタルシングル市場創設という政策領域の一分野として位置づけられており、今回の規制案もこの枠組みの中で提案されたものである。

この間の経緯を、簡単に整理してみる(以下は英語版を参照している)。

2017年5月16日
ジャン=クロード・ユンケル(Jean-Claude Juncker)委員長がデジタル経済・社会担当のマリヤ・ガブリエル(Mariya Gabriel)委員(ブルガリア選出)に対して書簡を発出。
市民を保護するため、第一副委員長(より良い規制、組織間関係、法の支配と基本的人権、表現の自由、情報の自由、メディアの多様性と自由、インターネットの公開性、及び文化的・言語的多様性担当)と密接に連携して、オンライン・プラットフォームによるフェイク情報の流布によって民主主義を脅かしている実態についてEUレベルで調査する必要があると指摘。
https://ec.europa.eu/commission/commissioners/sites/cwt/files/commissioner_mission_letters/mission-letter-mariya-gabriel.pdf

2017年11月13日~2018年2月23日
フェイクニュースとオンライン虚偽情報に関する意見聴取(Public consultation)を実施。
https://ec.europa.eu/info/consultations/public-consultation-fake-news-and-online-disinformation_en#about-this-consultation
意見聴取項目は、第1にフェイク情報とそのオンラインでの拡散の定義、第2にオンライン上でのフェイク情報の拡散に対してすでにプラットフォーム、ニュースメディア、市民組織等が実施している対策の調査、第3はフェイク情報のオンラインでの拡散を防止して情報の質を高める方策についての将来の行動の射程。
意見聴取結果は以下に公開されている。
https://ec.europa.eu/digital-single-market/en/news/synopsis-report-public-consultation-fake-news-and-online-disinformation
意見聴取を受けて、ユーロバロメーターによる世論調査も実施。調査結果は下記に公開されている。
http://ec.europa.eu/commfrontoffice/publicopinion/index.cfm/survey/getsurveydetail/instruments/flash/surveyky/2183

2017年11月13日・14日
意見聴取の一環として、マルチステークホルダーによる会議を開催。
https://ec.europa.eu/digital-single-market/en/news/recordings-multi-stakeholder-conference-fake-news

2018年1月15日
フェイクニュース及び虚偽情報に関する有識者会合(High-Level Group on Fake News and online disinformation)が設置され、第1回会合開催。
メンバーの中にはFacebook、Twitter、Google代表も含まれる。
https://ec.europa.eu/digital-single-market/en/news/experts-appointed-high-level-group-fake-news-and-online-disinformation

2018年2月7日
有識者会合の第2回会合開催。

2018年2月14日
2019年欧州議会選挙に向けた欧州委員会勧告が発出される。
https://ec.europa.eu/commission/sites/beta-political/files/recommendation-enhancing-european-nature-efficient-conduct-2019-elections_en.pdf


2018年3月12日
有識者会合の最終報告書が公表される。
https://ec.europa.eu/digital-single-market/en/news/final-report-high-level-expert-group-fake-news-and-online-disinformation
有識者会合は、公的にも指摘にも検閲は明確に排除されるべきであること、インターネットの分断や憎悪をもたらすような技術的方策は避けるべきであることを前提として、「多元的な対応(multi-dimensional approach)」が必要とする。
報告書は、次の5点を勧告。
1 オンラインニュースの透明性を高めること。オンラインでの流通を可能にするシステムに関するデータの適切かつプライバシーに準拠した共有を含む。
2 虚偽情報に対処するためメディアリテラシー及び情報リテラシーを促進し、ユーザーがデジタルメディア環境をナビゲートできるようにすること。
3 ユーザーとジャーナリストが虚偽情報に対抗し、急速に進化する情報技術との積極的な取組を促進するためのツールを開発すること。
4 欧州のニュースメディアのエコシステムの多様性と持続可能性を保護すること。
5 異なるアクターによる措置を評価し、必要な対応を常に調整するため、欧州における虚偽情報の影響に関する継続的な調査を実施すること。

2018年4月26日
このような経緯をへて、今回のプレスリリースでは、虚偽情報に対する「多元的な対応(multi-dimensional approach)」が提案された。
今回提案された多元的対応は、次の各段階からなる。

虚偽情報に関する行動規範
各ファクトチェッカーの独立ネットワークの構築
虚偽情報に対するセキュアなヨーロッパのオンラインプラットフォーム
メディアリテラシーの強化
加盟国に対する選挙のレジリエンス強化支援
質の高い多様な情報の支援
戦略的なコミュニケーション政策の調整


第1に求めているのが、プラットフォーマーに対して2018年7月までに共通の行動規範(a common Code of Practice)を策定して遵守することを求めるというものである。直接的な法規制はひとまず回避されているが、実際にはEU委員会とFacebook等のプラットフォーマーとの交渉が行われている模様である。
行動規範は、具体的には以下を目的とするとしている。

スポンサードコンテンツ、特に政治広告についての透明性を確保すること、また政治広告のターゲティングオプションを制限し、虚偽情報の提供者の利得を削減すること。
アルゴリズムの機能と第三者による検証を可能にすることについて、明確に説明すること。
他の視点を代表する異なるニュースソースをユーザーが発見してアクセスしやすいようにすること。
フェイクアカウントの特定と閉鎖対策、自動ボットの問題への取組を開始すること。
ファクトチェッカー、研究者、および公的機関がオンラインの虚偽情報を継続的に監視できるようにすること。


さらに、今後の対応として、EU委員会は至急マルチステークホルダーのフォーラムを開催するという。このフォーラムは、オンラインプラットフォーム、広告業界、主要広告主などの関係者間の効率的な協力の枠組みを提供し、虚偽情報への取組を調整することを目的としており、フォーラムの最初の成果は2018年7月までに公開されるとしている。したがって、前記の共通の行動規範は、おそらくこのフォーラムにおいて議論されて策定されることになると思われる。
また2018年12月までに、委員会は進捗状況を報告するとしており、これらの方策の有効性が検証されることになる予定である。
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情報法制研究会第7回シンポジウム  サイトブロッキングからGDPRまで

2018年04月13日 | 情報法
情報法制研究会第7回シンポジウムを、5月19日(土)午後に神田・一橋講堂で開催します。
今回は、施行予定が目前に迫っているGDPR施行に向けた最新動向のほか、政府による要請によりISPが著作権侵害サイトへの接続を緊急避難としてブロックできるとするという方向が示されて大きな波紋を呼んでいるところ、曽我部真裕・京都大学大学院法学研究科教授に「通信の秘密を巡る現状と課題」としてご講演いただきます。
また堀部政男・一橋大学名誉教授(個人情報保護委員会委員長)にもスピーチをしていただくほか、Pマークについてのスペシャルトークも予定されるなど、盛りだくさんの内容です。
私は総合司会を務める予定です。
ご参加は無料です。
下記のサイトからお申し込みください。
https://www.dekyo.or.jp/kenkyukai/symposium7.html


プログラム 総合司会 湯淺 墾道  情報セキュリティ大学院大学 学長補佐・情報セキュリティ研究科教授
13:00-14:20 報告1 通信の秘密を巡る現状と課題(仮)
 曽我部 真裕 京都大学大学院法学研究科教授
14:20-14:30 休憩
14:30-15:50
(質疑応答20分含む) 報告2 GDPR施行に向けた最新動向(仮)
 板倉 陽一郎 ひかり総合法律事務所 弁護士
  (理化学研究所AIP客員主管研究員)
15:50-16:10 スピーチ 「データ保護分野における情報過多の中の情報空白」(仮)
 堀部 政男 一橋大学名誉教授(個人情報保護委員会委員長)
16:10-16:20 休憩
16:20-17:20 スペシャル
トーク ゲスト:
 篠原 治美 一般財団法人日本情報経済社会推進協会
  (元経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 法執行専門職)
聞き手:
 小堤 康史 一般財団法人日本データ通信協会
  Pマーク審査部長(JISQ15001原案作成委員)
17:20-17:30 まとめと
 閉会挨拶 鈴木 正朝 新潟大学 教授
  (理化学研究所AIP情報法制チームリーダー)
17:40-19:30 懇親会 (一橋講堂3階「レパスト」(定員 100名) 会費:3,000円/人(税込))
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八女・福島

2018年03月21日 | 自治体
先日、福岡県八女市の福島地区を散策しました。
福岡県の八女市は、八女茶で有名なところですが、「日本一」が2つあります。
一つは、八女市の伝統工芸である仏具や仏壇の制作技術を活かした日本一の大きさの仏壇。



もう一つは特産の八女石を使った石灯籠で、これも日本一の大きさとのこと。





福島地区は必ずしも賑わってはいませんが、川越のような観光地として発展する余地はあるように思いました。
日本酒の蔵元である喜多屋も、ここにあります。






ところで今回の旅の足は福岡空港で借りたレンタカーのマークXで、まだ1000キロも走っていない新車でした。



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インターナショナル・オープンデータ・デイ2018 @横浜

2018年02月27日 | 情報法
3月3日(土)午後、「インターナショナル・オープンデータ・デイ2018 @横浜 ― データ活用とオープンイノベーションで切りひらく新しい横浜」が開催されます。
私は、セッション-4 13:45~15:00「横浜は電子国家・エストニアを超えることが出来るのか~マイナンバーと情報セキュリティを中心に」に登壇する予定です。

◎セッション-4 13:45~15:00
「横浜は電子国家・エストニアを超えることが出来るのか~マイナンバーと情報セキュリティを中心に」
電子国家・エストニアをモデルにして、マイナンバーと情報セキュリティを基軸にして、横浜が世界に通用するデジタルシティになる道を探ります。
▽登壇者
湯淺墾道(情報セキュリティ大学院大学情報セキリュティ研究科教授)
長谷川孝(内閣府大臣官房番号制度担当室 番号制度担当室参事官)
市川博久(アクセンチュア株式会社 執行役員セキュリティコンサルティング本部 統括本部長)
大迫館行(富士ソフト株式会社 執行役員)

全国初の官民データ活用推進基本条例に基づく横浜市官民データ活用推進計画(素案)についての説明もあり、情報法の関係者にとってもご関心のあるところかと思います。

お申し込みは、下記サイトからどうぞ。

http://yokohamaopendata.jp/2018/02/21/iodd2018/
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1月27日(土)情報セキュリティ大学院大学説明会

2018年01月22日 | 情報法
情報セキュリティ大学院大学では、秋葉原コンベンションホールにて下記の日程で「大学院(情報セキュリティ研究科)説明会」を開催いたします。

当日は、カリキュラムの特色や育成人材像、通学プラン、入試などについての説明に加え、本学での講義やゼミの雰囲気を少しでも感じていただけるよう、本学の専任教員による模擬授業も実施します。

2018年4月入学をお考えの方はもちろん、次年度以降の進学を検討されている方もぜひお気軽にご参加ください。

日時
2018年1月27日(土)14:00~16:30【開場:13:30】
会場 秋葉原コンベンションホール 5Fカンファレンスフロア
 (JR秋葉原駅西口・電気街口より徒歩1分)
 http://www.akibahall.jp/data/access.html  
主な内容
14:00~14:50 大学院紹介 (50分)
(カリキュラム/育成人材像/4コース概要/学生生活/修了後の進路/入試
/学費・奨学金制度について等)
14:50~15:30 専任教員による模擬授業 (20分×2)
大久保隆夫教授「「安全」なシステム設計のためのセーフティ/セキュリティリスク分析について」
稲葉緑准教授「組織における消極的なセキュリティ行動の心理的背景(仮)」
15:30~16:30 個別相談 個別相談対応者(予定):
       後藤厚宏 学長・研究科長・教授、有田正剛 教授、大久保隆夫 教授、大塚玲 教授、
       土井洋 教授、原田要之助 教授、松井俊浩 教授、湯淺墾道 教授、稲葉緑 准教授、橋本正樹 准教授

お申し込みは、下記からどうぞ。

http://www.iisec.ac.jp/event/20180127setsumeikaiform.html

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横浜市と北九州市の官民データ活用推進基本条例

2017年12月23日 | 情報法
12月21日に、北九州市官民データ活用推進基本条例が制定された。
http://www.city.kitakyushu.lg.jp/sigikai/g0401031.html

政令市における官民データ活用推進基本条例としては、3月28日に制定された横浜市官民データ活用推進基本条例に続く2番目の条例ということになるだろう。
http://www.city.yokohama.lg.jp/ex/reiki/reiki_honbun/g202RG00001908.html

北九州市条例をみると、条文の立て方などは横浜市の条例のそれを踏襲しており、横浜市の条例が強い影響を与えているものと思われる。あらためて横浜市官民データ活用推進基本条例の先駆者としての意義を感じる。他方で北九州市の特性から入ったと思われる文言もあるので、両者を比較しつつ、簡単な検討を試みたい。



第1条(目的)
横浜市条例、北九州市条例ともに、官民データ活用推進基本法(平成28年法律第103号)の第1条の条文におおむね倣った形となっているが、北九州市の場合は官民データ活用推進基本法に基づき制定すること、市が直面する具体的な課題として急速な少子高齢化と人口減少を具体的に例示しているところに特色があろう。

第2条(定義)
両条例ともに、用語の意義は官民データ活用推進基本法の例によるとしているが、北九州市条例は法第2条の定義の部分のみを参照する構造となっている。
なお、「インターネット・オブ・シングス」については、両条例では官民データ活用推進基本法の定義を参照している。

現時点で、インターネット・オブ・シングスについて規定している法律としては、2法がある。
最初にインターネット・オブ・シングスについての定義を置いたのは、特定通信・放送開発事業実施円滑化法の改正法(平成28年4月27日法律第32号)である。

附則第5条第2項第1号
新技術開発施設供用事業 インターネット・オブ・シングスの実現(インターネットに多様かつ多数の物が接続され、及びそれらの物から送信され、又はそれらの物に送信される大量の情報の円滑な流通が国民生活及び経済活動の基盤となる社会の実現をいう。)に資する新たな電気通信技術の開発又はその有効性の実証のための設備(これを設置するための建物その他の工作物を含む。)を他人の利用に供する事業をいう


官民データ活用推進基本法(平成28年法律第103号)は、次のような規定を置いている。

第2条第3項
この法律において「インターネット・オブ・シングス活用関連技術」とは、インターネットに多様かつ多数の物が接続されて、それらの物から送信され、又はそれらの物に送信される大量の情報の活用に関する技術であって、当該情報の活用による付加価値の創出によって、事業者の経営の能率及び生産性の向上、新たな事業の創出並びに就業の機会の増大をもたらし、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与するものをいう。


両者のインターネット・オブ・シングス自体の定義は、「インターネットに多様かつ多数の物が接続され、及びそれらの物から送信され、又はそれらの物に送信される大量の情報の円滑な流通が国民生活及び経済活動の基盤となる社会」(改正特定通信・放送開発事業実施円滑化法附則)、と「インターネットに多様かつ多数の物が接続されて、それらの物から送信され、又はそれらの物に送信される大量の情報」(官民データ活用推進基本法)というように、若干異なっている。
特定通信・放送開発事業実施円滑化法の改正法は、「社会」までを定義に含めており、その点では官民データ活用推進基本条例が参照する官民データ活用推進基本法の定義よりも広範な射程を有している。


第3条(官民データ活用推進基本計画)
両条例の最大の特色は、この部分である。
官民データ活用推進基本法第9条は、都道府県に対して都道府県官民データ活用推進計画の策定を義務づけているが、市町村(特別区を含む)には、努力義務としている。これは地方公共団体の規模を勘案して中小団体の負担に配慮したものと思われるが、本来、住民や事業者等に関するデータを豊富に持っているのは、基礎レベル自治体である市区町村であろう。特に政令市は、その人口と規模からみて、県よりも多くのデータを持っている場合も少なくないと思われる。
この点で、政令市である両市の条例において、都道府県と同様に基本計画の策定を義務づけたことは画期的である。
ただし、横浜市条例の場合は、施策の具体的な目標及び達成期間を定めることにつき「原則として」としているのに対して(第4項)、北九州市条例の場合は、「原則として」の文言がない(第4項)。これについて、北九州市条例のほうが官民データ活用の具体的な推進を強く求めたものと解することもできるが、「原則として」の文言を欠くことから、逆に期間内に確実に達成できるような目標だけを掲げるようになる恐れもあり、どちらのほうが良いのかは検討の余地があるところである。
また、官民データ活用の推進に関する事項として、北九州市条例は「市民の安全・安心に資する情報の利活用」が挙げられている(第3項第6号)。北九州市安全・安心条例を定めるなど、安全・安心に取り組んでいる北九州市の特性を反映していると思われる。
また、横浜市条例が官民データ活用推進計画の案を作成したときには市会に対して報告すると共にインターネットの利用その他適切な方法で遅滞なく公表することを求め(第5項、第6項)、変更したときも準用する(第7項)としているのに対して、北九州市条例は計画案の作成及び変更について市会の所管常任委員会に報告することを求めている(第5項)という違いがある。、

第4条(推進体制の整備等)
両条例は、官民データ活用推進計画を作成し、及びその実施を推進するために必要な体制の整備及び財政上の措置を講ずる努力義務を定める。市の名称の部分を除いては、全く同じ条文である。

第5条(協働による官民データ活用の推進)
両条例ともに、官民データの利用に係る需要の把握を努力義務としている。
また、人工知能関連技術、インターネット・オブ・シングス活用関連技術、クラウド・コンピューティング・サービス関連技術その他の先端的な技術の活用等官民データ活用の推進の取組について、協働により積極的に当該取組を推進することを努力義務としている。協働の相手方について、横浜市条例は「企業、大学、市民等」、北九州市条例は「事業者、大学、市民等」としている違いがある。

第6条(官民データ活用に関する調査及び研究)
連携して広く官民データが活用されるための在り方について、調査及び研究を行うことを努力義務としている。
第5条と同様、相手方について、横浜市条例は「企業、大学、市民等」、北九州市条例は「事業者、大学、市民等」としている違いがある。

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国際会議「Hacked Election」

2017年12月05日 | 選挙制度
11月27日(月)・11月28日(火)の両日、ドイツのコンラート・アデナウアー財団(Konrad Adenauer Stiftung)主催による国際会議「Hacked Election」が東京で開催された。
その結果が財団のホームページに掲載されている。
http://www.kas.de/politikdialog-asien/en/publications/50936/

ドイツ、アメリカ、インド、モンゴルその他各国のサイバーセキュリティ専門家、政党関係者、研究者による非公開の発表と討議が行われた。私もスピーカーとして招聘されたので、日本における現状と規制の可能性について報告した。
必ずしも選挙法自体の専門家が集まっているわけではなかったので、まず日本における選挙運動規制の厳格さ(戸別訪問の禁止、ビラ配布制限、インターネット選挙運動が解禁されたのが2013年のことであること、選挙運動期間の短さと事前運動の禁止)に驚く参加者が多かった。それと同時に、政治活動としてであれば選挙運動期間以外でも一定の活動は可能であるという点の説明にも苦慮し、十二分に説明することができなかった(この点は、外国人からみた日本の選挙運動規制のわかりにくさの大きなポイントである)。また報告時間の関係で、インターネット選挙運動の解禁に伴って改正されたプロバイダ責任制限法の内容等も割愛せざるを得なかった。

最終日、参加者が2グループに分かれて討議し、政府や政党に対する勧告をまとめたが、正直なところ、時間不足という印象が否めなかった。その原因は、「Hacked Election」はあまりにも多層的なレイヤーに関係する問題であることであろう。最大の問題は、国民主権(その中には、対外的独立性という契機を含む)と民主主義という立憲主義の中でも最も重要な理念を脅かすような行為が外国政府も含めた勢力によってサイバー攻撃からフェイクニュースの流通まできわめて多様な手段によって行われているとみられるとき、それに実定法レベルでどのように対処するか、分野横断的に統合的な対抗手段をとることがきわめて難しいという点にある。

なお先日、第16回情報科学技術フォーラム(FIT 2017)において「デジタルゲリマンダーの脅威 ~ネットとAIから民主主義は守れるか~」という分科会が開催された。この分科会では各パネリストが報告し、またその後の質疑応答でディスカッションした内容は、十二分に第一級の水準であることが確認できたと思う。
https://www.ipsj.or.jp/event/fit/fit2017/FIT2017_program_web/data/html/event/eventA7.html
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期日前投票の導入と投票率上昇効果

2017年11月29日 | 選挙制度
久々に選挙制度の話題。

アメリカの選挙法の専門雑誌であるElection Law Journalの14巻2号に、"Early Voting: Do More Sites Lead to Higher Turnout?"という論文が掲載されている。
http://online.liebertpub.com/doi/full/10.1089/elj.2014.0259

アメリカでは、一般に日本の期日前投票・不在者投票を合わせたような制度として早期投票(early voting)という制度があり、多くの州で導入されている。また年々利用者も増えており、1/3の有権者は何らかの制度を利用して投票日よりも前に投票しているという。
ところでこのような早期投票が投票率を向上させる効果があるかという点については、さまざまな研究が行われている。
本論文では、郡(カウンティ)レベルで見た場合には早期投票を実施するだけではなくて早期投票所の数を増やすことで投票率を向上させることができるとする。
このような研究は政治学の領域では特に珍しいものではないと思うが、それが法律の専門雑誌に載るのがアメリカらしいというところか。

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11月11日(土)情報セキュリティ大学院大学秋季オープンキャンパスのお知らせ

2017年11月02日 | 情報法
来たる11月11日に情報セキュリティ大学院大学のオープンキャンパスを開催いたします。
毎年、卒業生によるスピーチは、セキュリティ領域の仕事の実際についてお話いただく貴重な場となっています。
参加される方は、下記からお申し込み下さい。
https://www.iisec.ac.jp/event/opencampus17aform.html

日時 11/11(土) 11:00~17:00
会場 情報セキュリティ大学院大学
(横浜市神奈川区鶴屋町2-14-1 横浜駅きた西口より徒歩1分)
主な内容(予定) 11:10~12:00 大学院(情報セキュリティ研究科)説明会(2018年4月入学 入試情報 他)
12:10~13:30 所属院生等による研究室紹介
           (暗号技術、セキュアシステム、リスクマネジメント、セキュリティ心理 他)
14:00~14:40 卒業生&在学生スピーチ
本学卒業生と在学生によるスピーチです。現在の業務概要や関心領域、これから本学を目指す方へのアドバイスなどをお話させていただきます。
16:00~17:00 同窓会共催企画セミナー
本学の同窓会「IISEC alumni」との共催企画による公開勉強会です。セキュリティに関する最近のトピックスについて、セキュリティエンジニア、実務リーダーとして活躍中の本学卒業生が講師を務め、参加者とディスカッションを行い、知見を共有します。学生の方も社会人の方も、ぜひお気軽にご参加ください。

11:00~17:00 ポスター展示
13:00~16:00 授業見学
          「特設実習(Windowsセキュリティ)」
14:00~17:00 教員・在学生等による個別相談(入試・学生生活・研究テーマ・オススメ講義等)
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