吉田一氣の熊本霊ライン 神霊界の世界とその源流

FC2BBSから移動しようと目論んでいます。
http://reyline.web.fc2.com/index.htm

日本国家鎮魂の奈良の毘盧遮那仏 No401

2015-05-17 18:48:25 | 神霊界考察
奈良の大仏は聖武天皇の発願で
745年に製作がはじまり752年に完成しているが
この大仏は毘盧遮那仏とされる。
『華厳経』から日本国家鎮魂の仏として導き出されたという。
毘盧遮那仏については真言密教第五祖の善無畏三蔵が
724年に『大毘遮那経(大日経)』を漢訳しているが
当時顕密双方で最新の仏ということになる。
ちなみにこの善無畏三蔵が『虚空蔵求聞持法』も漢訳している。
毘盧遮那仏はvairocanaヴァイローチャナ光明遍照と呼ばれ
もともとはインド神話でアスラ(阿修羅)族の王 
光の神とされる存在とされる。
日本においては天照大神 大日如来と習合垂迹されている。

インド神話のヴァイローチャナは悟りにおいてインドラ神に後れを取り
戦いにおいてもインドラ率いる神々の軍と世界の覇権を巡って戦い
その結果負けて戦死したとされる。
戦いの理由はヴァイローチャナの娘のシャチーをインドラに強奪され
陵辱までした後結ばれたからだという。

またvairocanaとvirocanaとを区別する場合は
vairocanaはvirocanaの息子とされる場合もある。
この息子とはバリbaliのことでマハーバリで知られてている偉大なる王である。

しかしながら華厳経において
ヴァイローチャナが宇宙の真理を全ての人に照らし
悟りに導く最上階の仏にまでどうやって昇華したのだろうか?
この経緯は謎であるが、
奈良の大仏の偉大なる大きさは世界の遺産と言っていい。
この毘盧遮那仏が真言密教では無限宇宙の全一絶対たる
大日如来のこととされている。
こうなると宇宙最高神ランキングを競い、
ゼウスやヴィシュヌやヤハウェなどと肩を並べるような
権威付けという感も濃い。

『阿字観』等で大日如来に感応出来る真言密教の高僧であれば
種子の成長の真実も知っていようが、
まあそれは秘密なのだろう。

さて話しが戻って知る人ぞ知る息子マハーバリは父の仇討でインドラ軍を倒し
天界・空界・地上界の三界を掌握する。
マハーバリの治世は喜びに満ち世界はあまねく光り輝いて富にあふれ、
三界のどこにも飢える者はなかったという。
しかし最高神ヴィシュがインドラの母の願いを聞き入れ
マハーバリを騙し討ちすることになる。
小人のヴァーマナに化身したヴィシュヌに
三歩分の土地を分け与えるとマハーバリは約束してしまう。
ヴァーマナは巨大化し、1歩目で大地を跨ぎ、2歩目で天を踏み、
そもはや3歩目を踏み降ろす場所を無くしたヴァーマナの前に、
マハーバリは3歩目の領地として最後に残された領地である
自身の頭を約束として差出し踏み殺されてしまう。
その律儀に感心したヴィシュヌは
冥府黄泉の国を支配することを許すという。

  

どうも日本の素戔嗚尊や西洋のルシファーにも繋がるストーリーだ。

ところで弘法大師空海の伝承では
大日如来が出てくる話をあまり聞かない。
空海を助ける神霊は不動明王であったり八大龍王神であったり
虚空蔵菩薩であったり大黒天であったりする。
特に空海が日本で広めた不動明王との縁は深かったように思える。
不動明王はアチャラナータといい、シヴァ神の異名とされる。
インド神話(ヒンズー教)では暴風雨神ルドラであり
ヴァイローチャナよりはるかに強大な破壊神である。
不動明王は右手に利剣 左手に羂索を持つ像が一般的であるが
空海が持つ金剛杵(ヴァジュラ)はルドラ=シヴァもしくはインドラの持つ武器なので
空海が招来した不動明王はまさにルドラ=シヴァを暗示したものになろう。
インドラはヴァイローチャナとの関係で流石に敵対しているので
ヴァイローチャナ≒毘盧遮那仏=大日如来をTOPに据える以上は
通説のインドラ由来の武器を持つとは考えづらい。
ここまで考えてくるとあることに気付く。
シヴァ神は別名のひとつがマハカーラで日本では大黒天とされる。
空海招来の不動明王と大黒天とは微妙な関係だ。

東寺に残る三面大黒天は空海自らが彫ったものという。
四国88霊場第12番札所焼山寺にも大師爪彫りの三面大黒天があるということになっている。
千葉の鋸山日本寺にも大師爪彫りの三面大黒天があるということになっている

成田山新勝寺の御本尊不動明王は
弘法大師空海が自ら一刀三礼の祈りをこめて敬刻開眼したものといわれる。
神護寺護摩堂の不動明王像も空海作だったが現存しない。
金閣寺にある石不動明王も空海作とのこと。

封印には大黒天を使い、救済には不動明王という使い分けがなされている。
大黒天の背後にシヴァの霊力があることには異論がない。
しかし空海が招来し祈願する不動明王の実体は何であろうか?
火炎を背負うのに水の氣が強い御神霊だ。
大日如来の加持身という通説を特に否定するつもりは無い。

福岡の志賀島に元寇の退散祈願をしたという火焔塚がある。
空海が長安にいるときに恵果より材木を与えられて、
空海が自ら彫り恵果によって開眼されたという
空海にとって最も大切だったと思われる波切不動明王を
高野山よりここに持ち出して祈願したらしい。
この火焔塚は国家鎮魂の大聖地であるが
この地で祈るときに感じる神霊は人型ではあるものの
艶めかしい龍王神である。
先達がこの龍王神を倶利伽羅龍王と呼んでいるので
私もそう呼ばせていただきたいと思う。

不動明王の変化身ではなく逆にこの倶利伽羅龍王が
空海が感応した不動明王の本当の姿だと思っている。




      







この龍体は乙姫ではなかろうかとも思われる。

コメント (58)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする