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2013年埼玉県所沢のまちづくり=建築審査会で建築基準法ただし書きの規定に基づく許可の審議

2017年02月01日 | studywork

2013 埼玉県所沢のまちづくり=建築基準法第43条(敷地等と道路との関係)第1項、第48条(用途地域等)第1項(第1種低層住居専用地域)ただし書きに基づく許可 /2017.1 (ホームページと内容はほぼ同じ)

 2013年度から所沢市建築審査会委員になった。当時はまだ現役で、所沢から建築指導課長がおよそ2時間かけて説得に来てくれたので、熱意に応え引き受けた。
 
5月の第1回の建築審査会では、建築基準法第43条第1項ただし書(敷地等と道路との関係)の規定に基づく許可について(報告)が議題だった。
  建築基準法第43条第1項では、建築物の敷地は道路に2m以上接しなければならないと定め、ただし、その敷地の周囲に広い土地を有する建築物、その他国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上および衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可した場合は、建築が可能としている。
 建築基準法上の道路とは、建築基準法第42条(道路の定義)第1項で幅員4m以上と定めている。
 ところが様々な理由で4m以上の道路ができない場合、該当する敷地の一部を提供して幅員4m以上の通路をつくり、前述のただし書きを適用するか否かを建築審査会で審議することになる。
 本来なら、建築確認申請が提出されたその都度、建築審査会を開き審議することになる。しかし、所沢市では申請件数がきわめて多いため、1999年に建築基準法第43条第1項ただし書(敷地等と道路との関係)の規定に基づく許可に関する包括同意基準を定めた・・埼玉県やほかの市でも同様に包括同意基準を定めている・・。
 これにより、幅員4m未満の道路に接する敷地の確認申請が出された場合、建築指導課で包括同意基準に該当するか否かを審査し、許可を判断したうえで、翌年度第1回建築審査会に報告、質疑応答・意見交換を行うことになった。

 所沢市の包括同意基準では、4m以上の通路を避難および通行の安全等の3タイプに分類している。
 ①通り抜けできる通路
  ②通り抜けできない=袋路で長さが35m未満の通路
 ③通り抜けできない=袋路で長さが35mを超え、将来、35m以内ごとに転回広場を設ける通路
 2013年度第1回審査会に提示された許可案件は14件で、図面、写真を確認しながら許可に至った経緯の説明を聞き、質疑応答、意見交換を踏まえて、了解された。
 大規模な開発であれば道路、公園などの整備を組み込むことができようが、個別の住宅建設のための道路整備はなかなか難しい。
 今回の14件はいずれも個別の住宅建設で、私有地を通路として幅員4mを確保せざるを得ない状況だった。直下型大震災や大規模な火災の場合の安全を確保するためにも、消防車、救急車などがスムーズに入って来れる道路、通路の整備を期待したい。

 2013年11月に第2回建築審査課が開かれた。議題は、建築基準法48条第1項ただし書きの規定に基づく許可について(諮問)と建築基準法第43条第1項ただし書きの規定に基づく許可について(報告)だった。 
 建築基準法第48条第1項は、第一種低層住居専用地域内域内における規定で、別表第2(い)項に掲げる建築物以外の建築物は、建築してはならない、と定めている。
 別表第2(い)では、1住宅、2住宅で事務所、店舗その他これらに類する用途を兼ねるもののうち政令で定めるもの、3共同住宅、寄宿舎又は下宿、4学校(大学、高等専門学校、専修学校及び各種学校を除く。)、図書館その他これらに類するもの、5神社、寺院、教会その他これらに類するもの、6老人ホーム、保育所、身体障害者福祉ホームその他これらに類するもの、7公衆浴場(風俗営業等で規制された営業を除く)、8診療所、9巡査派出所、公衆電話所その他これらに類する政令で定める公益上必要な建築物、10前各号の建築物に附属するもの(政令で定めるものを除く)
 ただし、特定行政庁が第一種低層住居専用地域における良好な住居の環境を害するおそれがないと認め、または公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない、としている。 
 今回の案件は、第1種低層住居専用地域+準住居地域における事務所の新築である。第1種低層住居専用地域では事務所の建築は認められていない。
 1973年、この敷地に寄宿舎+事務所が建てられた。そのころの用途地域は住居地域で、寄宿舎も事務所も建築は認められていた。その後の都市計画法の改正で、不適格になった。
 今回、事務所の老朽化に伴い、事務所部分だけを新築する。前面道路は幅員13.9mの国道だが、幅員16mの都市計画道路が決定している。そのため、計画道路予定線から25mまでが準住居地域、25mを超えた奥が第1種住居専用地域なる。
 新築予定の事務所はおおむね準住居地域に位置する。この事務所は、所沢市と「応急復旧業務に関する協定」を結んでいて、これまでも台風・大雨による倒木撤去、路面清掃、道路陥没の応急措置、降雪時の除雪など、公益的な業務を行っている。

 などの説明を受けたのち、現地調査に向かった。現地でも同様の説明を受け、質疑応答、聞き取り、状況確認をしてから会議室に戻り、審議を再開した。
 建て替える事務所が従前とほぼ同規模であり、良好な住居の環境を害する恐れがないこと、周辺住民から同意を得ていること、応急復旧業務といった公益的業務を行っていること、おおむね準住居地域に位置していることから、全会一致で許可について同意した。
 議題2の建築基準法第43条第1項ただし書きの規定に基づく許可について(報告)は9件の許可案件が報告された。いずれも第1回審査会と同様に戸建て住宅で、幅員4m以上の通路に面した敷地に新築する案件である。
 図面、写真を確認しながら許可に至った経緯の説明を聞き、質疑応答、意見交換を踏まえて、了解された。

 審議終了後、自動車修理工場に係る規定の許可準則、技術基準の説明を受け、質疑応答、意見交換のち、閉会となった。
 議事録は公開されているので、詳細は所沢市に問い合わせを。

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