山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

市街劇「ノック」Ⅱ

2012-03-14 02:44:43 | 阿部定2012
■3.13(火)「サダ~」稽古場より。


(1)
「2メートル4方1時間 国家独立宣言」

自分の歩幅で2メートル4方の「路上国家」を区切る。
原始的な方法で狩猟に出る。獲物を得る。
火を創る。鍋に湯がたぎる。料理を作る。食べる。

コンクリートの壁に「歴史の記述」をはじめる。
書かれたことを実行する。
再びコンクリートの壁に「歴史の記述」をはじめる。
書かれたことを実行する。
三度コンクリートの壁に「歴史の記述」をはじめる。
書かれたことを実行する。

繰り返しながら、人口を増やしていく。領土を拡大していく。
国家では言葉が作られ、歌となってオドリ、壁の記述が加えられていく。


(2)
「スパイとしての2時間」

「私は尾行者です。4月1日の午前11時より午後1時まで河原町のあなたを徹底的に尾行して、あなたの行動をあるところに報告しなければなりません。
むろんそれだけのことです。危害を加えることも、一定の距離以上近づくこともいたしません。
4月1日は振り向かないでお歩きになることをおすすめします。外出しなくても同じことです。私は窓の外から見張ることもできるのですから。」


(3)
「世界のサイズは間違っている」

歩行者の歩幅を図り記録する。
河原町から世界の果て(サンパウロ市)まで何歩あるか。
家から会社まで何歩あるか。
食卓のすみからすみまで何歩あるか。
ビルの入り口から出口。人の身体。などなど。
記録された数字が非社会的であることを問題にする。
肉体による測量は現在のままで良いか。問いかける。


(4)
「人間時計」

河原町には二つの時間が存在する。
一つは現実による時間。
もう一つは空想的時間である。
俳優はもう一つの空想的時間を告げる。
時間が人を管理することに対して、俳優が時間を操作しようとする。
路上に人間時計(分と秒の早さ)を作り出す。


(5)
「キャベツの訪問」

「こんにちわ、一寸調査したいことがあって参りました。この調査はあなたが幸福になるためにとても大切な調査です。つまり、このキャベツです。
このキャベツに見覚えがありますか。男でしょうか、女でしょうか。このキャベツを危険物だという人がいます。ちょっと持ってみますか?
キャベツと熊本市政令都市の関係について真剣に述べてみて下さい。
消防署では、このキャベツを火薬物とは認定しませんでした。
実はお願いがあります。このキャベツをしばらく預かってもらいたいのです。重たくはありません。どうぞ。
このキャベツとあなたとの関係はこうして生まれるのです。
このキャベツを愛してくれとは言いません。どちらかというと私を愛していただきたい。
私の名前はキャベツです。それでは私を愛して下さい。
これであなたの幸福になるための調査は終わります。」




寺山修司テキストを参考に・・・
4月1日(日)am11-pm1:00の間に、
熊本市河原町問屋街路上にて

尚、出演者は劇団夢桟敷の誰か。共演者はその場で作られていく。

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