山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

時には母のない子のように

2013-02-11 08:30:49 | 「レミング」2013
◎「もぐらたたき」について【場面5】

見習いコックの部屋では床下に母親が住み着いていた。
床下に隠されていたのであれば殺人現場となるのであるが、母は床下で生きているのである。
しかも、母は床下で畑を耕している。「今年も豊作だよ!息子よ。」
母というものは子どものためにはなりふり構わなくなるものの極地だ。
息子はそんな母にうんざりすることもある。特に出来の悪い息子には溺愛する傾向にある。
日本の母。・・・溺愛は近親相姦まで想像する。母と息子の危険な関係は甘味なる危険さがある。

1968年、寺山修司 作詞、カルメンマキの歌で「時には母のない子のように」の歌が流行った。
東京大学の全共闘の学生たちにキャラメルを配りながら「おとなしく勉強しておくれ。」とママたちが息子たちをなだめていた時代だった。
息子たちの乳離れの時代だった。親子の断絶の時代とも言われていた。

2013年「レミング」上演に際し、当時の子どもたちは爺、婆になった。
劇は時代を映す拡大鏡になり得るだろうか。
当時の母たちももぐってしまっている。介護されたり、墓参りされたりする今。
もぐらたたきも暴力ではなくなった。暴力と愛は紙一重。
キャラメルを配っていた国防婦人会は復活するのか?そんな時代を感じているのだが。

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