山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

夢のつづき【メッセージ】

2015-02-23 02:17:59 | 透明人間三部作-2014-2015
エピローグ ヘッ!
劇団夢桟敷は昨年2014年より「透明人間 三部作」として公演を取り組んできました。その第一弾は人間不在の「未来篇」(5月・熊本)、第2弾が「古代篇・火の君、鳥の物語」(2014年12月・東京ー2015年1月・熊本)を果たし、いよいよ第3弾「完結篇」と参ります。日本列島、南の熊本から北の札幌ヘッ飛びます。時代は東西から南北に入った。

夏の日のリアリズム。
メメクラゲに左腕を噛まれた青年は静脈が切断され、漁村を「イシャはどこだ。」と彷徨い続けていたのだった。シリツ(手術)は産婦人科の女医さんによって血管をネジで結び付けられた。
「ねじ式」つげ義春 より。

これは高熱にうなされて見た夢だったのだろうか?
「ねじ式」(つげ義春)は月刊「ガロ」で1969年に発表された。
1960年代末当時は自主上映のATG、前衛美術、フォークゲリラ、演劇界ではアングラ劇の登場で同時多発的にサブカルチャーが咲き乱れた時代だったと言える。
団塊世代は、「あの時代は良かった。」と振り返る者たちも多いことだろう。時代は混沌としていた。青年たちはふらつき、悩み迷い、政治闘争にも疲れ果て、もっと面白いものはないか?と既成概念を壊すような世界観との出会いを待ち望んでいたのだった。
商業への反発、権力や権威への反発、青少年たちのエネルギーは反発することで高熱を発していた。とりわけ、表現の分野では結果的に新しい文化が数多く生まれた。メディアもサブカルチャーを受け入れていく。数の論理に包囲される。結果、反発から生まれたサブも主流になる。主流になると商業化され権威付く。認知されることで「あの頃は良かった。」も正論となるのである。
問題はそれ以降だと思う。認知されるための情報戦、メディア戦略へと引き継がれた1980年代がある。競争や数による偏差値社会まで小劇場が巻き込まれるハメになったと考えます。つまり、小劇場が商業の原理原則に流されていく時代を経験した。

ポスト アングラ劇!
アングラ劇から始まり、着地点が見えないまま飛び続けている劇団夢桟敷の36年目。
登場する人物たちは透明人間であることを前提にしている。「ねじ式」の夢の中の夢とは何か?メメクラゲに左腕を噛まれて彷徨う妄想の劇である。高熱にうなされて見る夢。
痺れる感覚は苦痛と快楽がピッタリと重なる。身体もこころも溶けてしまうような痺れ(麻痺)である。
「透明人間」では「避難すること」を考えてきた。現実逃避ではない。避難はポジティブな行動だと考えているからです。現実に反発する力がいる。妄想や想像は現実への反発力だと思うからです。反発するからには勇気がいる。生きるためだ。この国のおエライさんたちは信用ならねえ。見よ!バカが通りますよ。


工藤慎平(「ねじ式」では主演の青年役で登場します。)
尚、札幌は彼の出身地である。言わば、ふるさと公演でもあります。九州熊本より初見参、ご来場の程、宜しくお願い申し上げます。

劇団夢桟敷 第67回公演
透明人間三部作 完結篇
「ねじ式~夢日記より」
原作◎つげ義春/作◎山南純平/演出◎さかもとまり





(注)ここに掲載されている写真は2011年「ねじ式~復活篇」の舞台写真より。

■熊本公演
5月29日(金)19:00開演
5月30日(土)15:00開演/19:00開演
会場:ギャラリーADO
熊本市中央区河原町2

■札幌公演
6月6日(土)15:00開演/19:00開演
6月7日(日)15:00開演
会場:実験演劇集団「風蝕偉人街」
   アトリエ阿呆船
札幌市中央区南4西9 栄輪ビルB1 

【登場人物・・・出演】
青年・・・工藤慎平
菊池さよ子・・・坂本咲希
千代次・・・肥後丸.
新田のマサジ・・・太郎ピーチマンション
天狗堂・・・海幸大介
金太郎飴の母・・・夢現
無能の人・・・山南純平
【スタッフ】
東田まなみ/KAREN/坂本冬馬(音楽)/タカハシユウジ(音楽)/のわーる(音楽)
工藤慎平(舞台監督)/坂本咲希+太郎ピーチマンション(宣伝美術)
肥後丸.+海幸大介(舞台美術)/さかもとまり(音響)/山南純平(照明)

木戸銭◎前売り2000円(当日2500円)
※予約開始は4月2日より。宣伝チラシは3月上旬より配布予定です。
(問)09045815190(制作)09028576099(塚崎)
   yumesajiki@ybb.ne.jp