山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

山形Q 練習日誌77-vol.8(中島記)

2020-09-30 23:57:00 | 練習日誌

 コミュニティ・センターの周りの田んぼも、稲刈りが終わりました。稲の香りに包まれて練習。…山形の秋の良さです。

 さて、いよいよ本番までリハーサルも残り3回。

 今日はモーツァルトから。オーボエ抜きの4人で最終確認。難しい箇所の音程を合わせました。

 最近あらためて思うのは、音程を合わせるのに必要なのは、音程だけてはないということ。音量のバランスと、さらに大切なのは音色。要するに、個人ではなく団体として、どういう音を作りたいのかという意識を統一するということです。

 これがなかなか難しい。曲の中では、自分の演奏がうまく運ぶかどうかばかりに注意が向いて、全体の音を聴くことが疎かになる。

 倉田氏の提案によって、全員で音階練習をしてから合わせています。初心に帰って「ドレミファソラシド」。音程を合わせることから、響きを合わせることに、耳がシフトしてゆきます。

 やはり演奏家に一番大切なのは、耳です。当たり前のことですが、これが実はそうでもない。音を聴く時には耳を澄まさないといけません。音よりも深いところにある「響き」を聴くには、同じように耳のもっと深いところ…「心」と言ってしまうと精神論みたいでズレてしまいますが、頭の中が静かでないといけない。緊張などのストレスがかかると、この静寂は、あっという間に失われます。

 あらゆる分野に通じることでしょうが、この「静寂」を作り出すことこそが大切で、集中とか精神統一とか心眼を開くとか言われるものなのでしょう。

 鍛錬ですね。あと12日。頑張りましょう。

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山形Q 練習日誌77-vol.7(中島記)

2020-09-25 18:00:00 | 練習日誌

 練習会場の「研修室3」も、ようやく冷房が必要ない季節になりました。しかし、おそらく、すぐに暖房が必要になってしまうんでしょうね。こうして幾年月を過ごしてきたことか。…やはり秋は少し、しんみりとするものです。

 さて、今日もベートーヴェンから。各自、やや疲れが見えるものの、大分まとまってきました。
 
 ここから本番に向けて、すんなりいくようになった所を、すんなりやってしまわないように気をつけないといけない。疲れていたりすると陥りがちですが、むしろそこを、どれだけ印象的に創れるかが大切なポイントです。本番だけ入れ込んでも失敗するのは、経験上、よくわかっているので。
 
 そしてオネゲル。降り番の倉田氏に聴いてもらい、思う存分、客観的に指摘してもらいました。
 
 こちらも、気をつけるべきは先ほどの通りで、「このページは普通に行ける」という所ほど、単調でつまらなくなってしまいがちなのです。気が入っていない所を、しっかり見抜かれました。
 
 当たり前のことですが、四重奏よりも三重奏、さらに二重奏となれば、ひとり当たりが作品に要求されるエネルギーは、どんどん増すものです。
 
 そしてこの「エネルギー」とは、音の大きさや強さではない。「音楽の量」です。これは、頭で考えても、逆に力にまかせても、増えるものではない。
 
 オーケストラでの演奏との「切り替え」がなかなか難しいものだと、今さらながらに感じます。
 
 あと二週間ちょっと。忙しい中ではありますが、頑張りましょう。
 
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山形Q 練習日誌77-vol.6((中島記)

2020-09-20 22:02:00 | 練習日誌

 昨日までの1週間の疲れをやや引きずりつつ、今日も練習です。

 
 とはいえ、思いのほか体調が良いのはやはり涼しくなって来たからでしょう。この勢いで、忙しい芸術の秋を乗り切りたいところです。
 
 何しろ、今回の定期のスケジュールを決めたのは半年前。その頃は「この先いったいどうなってしまうんだろう?」という不安の中。山響のスケジュールは詰まっているものの、目先の予定は片っ端からキャンセル。しかし、予定を立てなければ何も始まらない。ということで、「県民芸術祭」とスクールコンサートの谷間の、空いた10月12日に、「とりあえず」文翔館を予約してみた感じなのです。
 
…どうせ、前も後ろもキャンセルになるだろう。そもそも、この山形Qの演奏会だってやれるかわからないし。
 
 ところが。
 
 完全なる通常営業。…いや、たいへん有り難いことなのですが、こんなに忙しくなるのなら、もう少しちゃんと日程を考えるべきだった。
 
 
 という弱音はさておき、まずはオネゲルから。
 
 だいぶ、仕上がって来ました。あとは、本番の感じを予想して、力まないで音楽が進んでいくように、イメージを含めたトレーニングをするのみ。やはり二人だけで、しっかりと3楽章まである作品を演奏するのは経験があまりないので。
 
 続いてベートーヴェン。こちらもそれなりに仕上がって来ていますが、曲の内容が濃いだけに、練習が進んでくると各自が、より一段さらに魂を注ぎ込みたくなる。しかし、長年の経験から言って、直前になってにわかに芽生えた自我を盛り込もうとすると、全体のアンサンブルに良い影響を与えない。少しでも余裕が出たなら、他のメンバーがよりやりやすくなるように、サポートすることを練習するべきです。
 
 
 あと3週間。忙しい中ではありますが、頑張りましょう。
 
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山形Q 練習日誌77-vol. 5(中島記)

2020-09-14 21:45:00 | 練習日誌

 季節の変わり目です。一昨日までは猛暑だったのが、いきなり秋の気配。天気も不安定で、急に雨が降った途端に晴れて虹が出る。

 
 ニュースで見ましたがアメリカでは、猛暑の次の日に雪が降った所があるとか。…異常気象が当たり前になってきています。これは、レジ袋を有料にして収まるものとは思えないのですが。
 
 
 さて、そんな異常気象の中でも、山形Qはリハーサル。…世界が不安定な時こそ、音楽が必要なのです。
 
 とはいえ、やはり涼しくなるのは嬉しい。芸術の秋らしくなってきました。
 
 
 ということで、今日は今回のゲスト、オーボエの柴田氏を迎えての初合わせ。モーツァルトの五重奏曲から。
 
 私たちにとっては、なじみのある弦楽五重奏曲ですが、本来は木管八重奏のために作られた曲だそうですね。
 
 山響の演奏を聴いたことのある人ならお分かりでしょうが、彼のオーボエはとにかく豊かな音がします。負けないように響かせたいところです。
 
 
 ややベートーヴェンを思わせるような重々しい出だしで始まる曲ですが、力任せにならないよう気をつける必要があります。もともとが八重奏だったからなのかもしれませんが、モーツァルトにしてはユニゾンが多くて、一本調子になりやすい曲だと思います。
 
 ベタつかないように、注意するべきでしょう。
 
 
 コロナも落ち着きつつあり、山響もだいぶ忙しくなってきたので、自己管理が大切なシーズンです。本番まであと一月。頑張りましょう。
 
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山形Q 練習日誌77-vol.4(中島記)

2020-09-07 22:47:00 | 練習日誌

 とにかく暑い。車に乗ったときに、シートベルトのバックルで火傷しそうになり。

 涼しくて快適な、天童のVc茂木邸でリハーサル。


 ということで、まずはオネゲルをVa倉田氏に聴いてもらいます。前回の私もそうだったことでしょうが、メンバーが楽器を持たずにすぐ近くで聴いているというのはなかなかプレッシャーのかかるものですね。

 案の定、力みがあることを指摘され、シュンとなる私たち。…でも、こういうのが良いのです。向上心とマゾ気は、脳の同じ部分にあるのかも知れません。オネゲルについては、後でじっくりと傷に塩を塗りあうことにして、ベートーヴェン。


 この曲は本当に良い。ベートーヴェンらしさがピュアに詰まっていて、いつまでも練習する気になる。楽しいのです。もっとこうしたいが止まらない。

 素晴らしい古典の曲に飽きが来ないのは、ひとつに「難しいから」。そしてもうひとつが「やっぱり良い曲だから」。

 もう良いか…と思えない。人を熱くさせるけれども、無駄に熱くなってしまってもむしろ遠ざかる。近寄ろうとしてもはじき返される。しかし、近寄らずにはいられない。これは何でしょう。


 ベートーヴェン・イヤーの最後を飾るにふさわしい曲であることは間違いない。

 三重奏最後の名曲。じっくりと楽しみたと思います。

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山形Q 練習日誌77-vol.3(中島記)

2020-09-03 18:59:55 | 練習日誌
 もう9月…とは思えない暑さ。世の中のウイルスも死んでくれると良いのですが。


 ということで、しっかりと冷房をかけ水分を補給して、今日も山形Qのリハーサル。

 ベートーヴェンから。この音楽がまた熱い。

 だいぶ音が並んできて、周りの音も耳に入るようになってきたので、3人がそれぞれ主張し始めます。各自の思い入れや、個人的な事情などが交錯する。

 すると、エントロピーがやや増大するわけですが、この状態を通過しないと、真に見通しの良い一体感のある音楽は創れない。

 これからが音楽づくりです。


 そしてオネゲル。こちらは音を並べるのも難しいので、それぞれの事情を吸収し合う感じで進めていきます。

 少しずつ、自分が頑張って弾くことから離れて、相手の音楽を感じるために耳を澄ますことが大切です。

 自然に音楽が動き出すまで、もう少しかかりますね。


 これから忙しい中ですが、熟成させていきましょう。
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