山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

第55回定期終了

2015-04-25 23:59:14 | 演奏活動
 うららかな春の週末、ようやく55回定期が無事、終わりました。地味でしかもマニアックなプログラムでしたが(毎度すみませんね)、それなりにたくさんのお客様に来ていただき、感謝しています。

 個人的には、大好きな曲ばかりを並べたものだったので、当然楽しみましたが、聴いた方々はいかがだったでしょうか?辛くなかったら嬉しいのですが。


 終演後に話しかけてくれた方からは、オネゲルを絶賛していただきました。大役を果たしたような気になります。

 また、フォーレを褒めてくれた方もあり、これも嬉しい。「いい曲だった」と感じてもらえると、ホッとします。それがなければ、いくら演奏を褒められても仕方ありませんから。「こんな素晴らしい曲があるとは知らなかった。CDを探して買って聴きたい」…これが一番の「やり甲斐」です。さあ、これからも恐れることなく、マニアックに行きますよ!

 それはともかく、次回56回は、7月20日、「海の日」です。曲目はもちろんハイドン Op.50-3、あとは尾崎宗吉、そしてベートーヴェン「ラズモフスキー」第1番です。是非おいでいただきたいと思います。

 ということで、次回の担当は2ndVnの今井嬢です。練習日誌もバトンタッチ。私、中島はまたしばらく晴れて「お役御免」となります。今までお付き合いいただき、ありがとうございました。
   
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山形Q 練習日誌55-vol.13(中島記)

2015-04-24 21:36:30 | 練習日誌
 山形 Q55回定期、明日で~す!よろしくお願いします!…by美男美女。

…さすがに美男美女は無理があるか。今井嬢は美しいですが(念のため)。

by父と娘。

…似てない。たぶん。

お嬢様と執事。

…蝶ネクタイでもしてくるんだった。

姫とじいや。

…近いか。山形Qではそんな感じ。


 さて、つまらない話はともかく、55回定期に向けた練習もいよいよ今日で最終回。あとは明日の本番を待つばかりです。

 今日のリハーサルは、全曲のチェック。各自の個人練習の苦労の跡がよくわかります。しかし、個人で詰めれば詰めるほど、他のメンバーとのギャップが出てくる部分もあり、改めて、アンサンブルを確認する作業が必要でした。弾くことと聞くことのバランスの難しさは、アンサンブルに常について回る問題です。


 ということで、明日25日、夜7時開演です。ヴィオラとフルートのデュオによるプレコンサートは6時半から。文翔館議場ホールにてお持ちしています。

 折しも、明後日は山形市議会議員選挙。「最後のお願いに上がりました!」みたいな宣伝カーが、演奏中にうるさくならないことを祈りつつ、お客様をお待ちしています。

 それでは、また明日。皆様とお目にかかれることを楽しみにしております。

   
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山形Q 練習日誌55-vol.12(中島記 )

2015-04-20 21:24:44 | 練習日誌
 いよいよ今週末に本番を控えて、練習が煮詰まっている様子がよくおわかりでしょう。


 ということで、第55回定期演奏会に向けての練習も今日が「ラス前」。あとは前日金曜日の一回を残すのみ。

 全ての曲を確認しつつ、録音していきます。


 まずはハイドン。この「作品71」は、ハイドンがロンドンの大ホールで演奏することを念頭に作曲しただけあって、シンフォニックな響きがします。つまり、メロディが第1ヴァイオリンでチェロが通奏低音で内声がハーモニーを刻む…というような定番の構成ではなくて、各パートに重要なモチーフや対旋律がちりばめられたり、ユニゾンが多く出てきます。

 今、録音を聴いてみると、昔よりもユニゾンが合うようになってきたような気がします(…軽く安堵)。


 次にオネゲル。書かれている音符が多くて複雑なので各自、聴き取れている音がまだ足りないかも。バランスのせいもあって、やや乱雑な印象になりがちです。これはあと五日間、さらに個人練習をして自分の耳に余裕をひろげるしかないでしょう。


 そしてフォーレ。刻々と色合いを変化させてゆくハーモニーが美しい曲です。それだけに、音程はその「良し悪し」よりも「表情」が求められます。難しいところですが、これももう少しつきつめておきたい。

 
 さあ、もうひと息。素晴らしいプログラムです。良い演奏会にしたいと思います。

~チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動しています。~
 ただいま11箇所及び山形市内公民館
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山形Q 練習日誌55-vol.11(中島記)

2015-04-13 18:27:19 | 練習日誌
 練習中に携帯の緊急警報が鳴りました。
「地震とは音が違うみたいだけど…」
「ま、いいか」

…どんな時にも練習第一。身の安全よりオネゲル。


 ということで今日の練習は、命よりも大切なオネゲルを中心に。

 冒頭から、突如フルスピードで走り出さなければ、何かに食べられてしまうような第一楽章。この「切迫感」を表現するのが難しいですが、弾いてる人がパニックになってしまっては、本当に破綻してしまいます。落ち着いて緊迫する…演奏に演技力が求められます。


 休憩時に警報を確認すると、蔵王の火山活動が活発化してるらしい。「火口付近に近づかないように」ということでした。自然災害のない山形…これからもそれが続くことを祈ります。


 そして、痛切に神を求めるような第二楽章。静かな中にも、強い気持ちが持続して流れるように、激しい中にも、希望の糸が途切れないように…精神力が必要です。

 さらに第三楽章。最後の祈りが心からの安息と救済につながるように、その前までの引き締まった構築感が必要です。「きちんと作って、ハッキリ壊す」そのドラマ作りが難しいところ。


 さて、いよいよ本番まで2週間を切りました。…こうして音楽に専念できるのも、平和と安全があってこそ。蔵王が末長くおとなしくしていてくれることを祈ります。

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 ただいま10箇所及び山形市内公民館
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山形Q 練習日誌55-vol.10(中島記)

2015-04-09 23:59:59 | 練習日誌
 さて、4月25日日の定期まで、いよいよあと二週間。今回担当の私がそろそろ急がなくてはいけないことは…打ち上げ会場の予約…も大切ですが、プログラムノートの入稿です。簡単な曲目解説ですね。

 大層なものは書けませんが、CDについている解説を丸写しするわけにもいかないので、オネゲルやらフォーレに関する本を読むわけです。その中で間接的に、作曲家の人となりを知ることになります。それが、演奏に役立つかどうかはわかりません。

「作家や芸術家は、その人間にまで立ち入ってみると失望させられることがよくある。そして、作品を照らすのに役立つどころか、矛盾と晦渋さが表れるだけのことも多い。だが、芸術的才能が、類まれな人格に呼応しているとき、われわれはこの人格を思い起こしたいと願わずにはいられない。」(フェンショット「オネゲル」より)

 たしかに…美しい作品を創る人は心も美しいと思い込みがちですが、決してそんなことはない。モーツァルトのように下品だったり、ベートーヴェンのように頑固で偏屈だったりするものです。

 しかし、オネゲルとフォーレに関するかぎり、それは無いようです。オネゲルについて言えば、本当にまじめ。そして慎しみ深い。フォーレは、おしゃれで品があり、そして謙虚ないい人です。どちらも「友達になりたい」と思える、珍しい作曲家です。


 昨日の練習は、ハイドンから一通り。やはりハイドンは「健康的な」人柄だったのだと思います。最初のロンドン旅行から帰った直後の作品ですが、そこで得た自信による明るさと「やる気」に満ちています。貴族のサロンから、大きなコンサートホールへ打って出る勢いを感じて弾きたいところ。

 続いてオネゲルの第三楽章。混乱と破綻、そして祈り。真剣な平和への祈りが、より美しく響くよう、もうひと工夫必要です。我々が混乱して破綻してはいけません。

 そしてフォーレ。残り少なくなった人生を静かに、優しく愛おしむような、ゆったりと持続する息遣いが必要です。懐かしんで弾くぐらい、この和音のグラデーションが、体に染み込んでいなければなりません。


 ということで、もうひと頑張り。私はまず、プログラムノートを仕上げます。 

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山形Q 練習日誌55-vol.9(中島記)

2015-04-07 23:53:33 | 練習日誌
「…われわれはアルテュール・オネゲルに出会ったことで、これら人類の歴史の偉大な人物たち、単に偉大な芸術家、偉大な思想家、偉大な学者、偉大な人、というだけでなく、神がときおりわれわれに、われわれの存在の神秘的な意味を表すために生を与えるような完全な人の人の一人を、運命がわれわれに引き合わせてくれたのだ、と確信する…。」(フリッツ・ミュンシュ)


 さて、今日の山形Qのリハーサルは、オネゲルのみ。

 弾くほどに、素晴らしい曲です。とにかくカッコいい。


 冒頭から怒涛のような三連符(2ndヴァイオリンの大活躍にご期待下さい)が猛り狂う様子はまさに、「ディエス・イレ」。

 オネゲルは、第一次大戦に従軍しています。その経験もあってのことでしょう。宗教曲の「怒りの日」よりも、その凶暴さは不吉で禍々しく、リアルです。

 しかしその分、ときおり姿を見せる静かな部分の、清澄で美しいこと。そして、曲の最後に現れるのは、深い祈りです。敬虔なキリスト教徒だったというオネゲルの、若さと純粋さを感じます。


 この春の昼下がりに、コミュニティセンターの一室で、金属的な不協和音を炸裂させるのは、周りの部屋で静かに活動している他のサークルの皆さんを思うと心苦しいのですが、この敬虔な祈りに免じて許して頂きたいと思っております。

 そして願わくは、この響きにハマって、コンサートに来てくれたりしないものかと…(きびしいでしょうね)。

 
 本番まであと半月ほどですが、さらに楽しみたいと思います。

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山形Q 練習日誌55-vol.8(中島記)

2015-04-02 22:37:02 | 練習日誌
 珍しく和やかな雰囲気で談笑するヴァイオリン2人。

「最近、譜面が見えづらくて…」
「わかるわかる、老眼に楽譜はキツいよね~。遠近両用メガネは必需品だよっ!」
「私もリハの帰りにパリーミキに行こうっと☆」

…という会話ではありません。なんとか2人とも、まだ近眼だけで済んでます。…おっとこれは失礼…私はもうすぐですが、ピチピチギャルの今井嬢はまだまだに決まってます。


 ということで、今日の練習はハイドンから。

 やはりシンプルな曲の方が、音程を合わせるのがシビアです。それでも少しずつ、音楽が生きてきました。もうひと息。


 そしてフォーレ。今回のハイドンと同じく「後期」の作品ですが、こちらはさらに「遺作」。歌には精神的な「静けさ」と、ハーモニーには観念的な透明感が必要です。

 しかし難しいのは第3楽章のフィナーレ。リズムは軽やかで、音楽は天から降り注ぐような明るさがある。死を前に、これはどう捉えればいいのか。

 フォーレ自身が、こう語ったと言われています。
「『第3楽章』では、私の『ピアノ三重奏曲』を思わせる、いわゆる『スケルツォ』のような、軽快で楽しい気分を強調すべきです。」
(ジャンケレヴィッチ著 「フォーレ」より)

 これについて、ジャンケレヴィッチは、さらにこう書いています。
「数々の苦難や試練は、時の流れとともに成熟した第二の青春に認められる、輝かしくも荘厳な静けさの中において、その形を変えてきたのであり、その結果、人は熟成するのだ。」
「死について沈思する人は、必ず生の意味についても考えるのであり、つまるところ、我々の中では、生と死は、同じ一つの運命の神秘を啓示するものだと言えるのである。」

 言葉が饒舌で逆にわかりにくいですが、遺作だからこそ「生命の素晴らしさ」が、客観的に美しく描写されているのだと、そういうことでしょうか。


 透明感のある明るさを、さらに追究しようと思います。

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