山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

山形Q練習51-vol.7(中島記)

2014-02-24 23:51:38 | 練習日誌
 さて今日は、51回定期のオールモーツァルト・プログラムを練習。特に15番を重点的に。

 「ハイドン・セット」中、唯一の短調の名曲です。伝わってくる感情はもちろん、切なく憂鬱な面がありますが、音楽や音色は、あくまでもモーツァルトの軽やかさがないといけません。そのへんが実に難しい。

「わかるよっ!俺の胸で思う存分泣くがいい。さあ、一緒に声をあげて泣こうじゃないか!」

・・・と、やってしまうとブチ壊しになってしまう。かと言って、胸にうったえかけるような切々としたこの詩は、機械的には処理できない。・・・ウエットでもドライでもなく。凡人が移入しにくいところにある感情です。

「今日の月の光は、なんと悲しい色をしてるんだろう・・・」

 強いて言えば、こんな趣でしょうか。月自身は別に悲しくも何ともない。ただきれいなだけ。しかし、その美しさの質が哀愁を帯びたものに感じられる、というような。

 ではそれをどう表現するのか、と言われると自分でもわかりにくい。しかし、とにかく言えることは、まず「音」として即物的に美しくないといけない。フワフワでもゴリゴリでもなく、キラキラしてないと。・・・ああ、語彙が貧困ですね。


 ということで各自、要研究。次回からは、3月の庄内定期の準備に入ります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

街なかコンサート

2014-02-22 16:06:15 | 演奏活動
 気温が低くて風は冷たいながらも、天気の良い週末になりました。こんな時は買い物がてらに中心街をぶらぶらと散策するのが吉です。街なかで、ふと目をとめた演奏会の案内にひかれて、ほんのひととき、室内楽などを楽しむ・・・おしゃれな過ごし方ではありませんか。

 というコンセプトなのかどうかはわかりませんが、先ほど、山形市の中心街である七日町の楽器やさん「富岡本店」で、山形Qによる「街なかコンサート」が終了しました。

 店内のショールームで20~30人を前にして、さらに商店街に聞こえるように外にもマイクで演奏を流します。30分のステージを2回。街の活性化にはどれほど貢献できたかわかりませんが、足を止めて下さった方々は熱心に聴いてくれました。


 実は本番前に、作曲を習っている子供たちのために、レクチャーも行いました。「演奏会で取りあげる曲のアナリーゼをお願いします」と。ヤマハの系列の楽器店なので、そういうコースもあるんですね。

 しかし「アナリーゼ」ってなんですか?お恥ずかしい事ですが、私は音楽に関する学歴が低いので、その手の話になると尻込みしてしまいます。国語や算数の授業ならできますが、作曲はちょっと・・・どうせなら母親に教わっておけばよかった。

 ということで、山形Qが誇る「2高」、Vcの茂木の出番でございます。高身長・高学歴。残念ながら我々の仲間なので「高収入」は無理ですが、音楽で大学院まで出た逸材です。・・・任せたっ!

 集まった小さな作曲家たちは17人。小学校中学年が主体ですが、後ろで親が見ているせいか、みんな真剣にレクチャーを聴いていました。題材は「クラリネット五重奏曲」の第1楽章ですが、確かにこんな感じで間に実演を入れながらやると、飽きずに聴けるのかも知れません。なかなか良い試みだったのではないでしょうか。


 そしてその後、二回の本番も和やかに終了。この企画は、今までにも他の団体で何度か催されているようですが、出入り自由な気楽な街かどで、クラシックのコンサートが聴ける街というのは、本当に素晴らしいと思います。主催の関係各位に感謝しつつ、ぜひ、続いてゆくことを願っております。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山形Q練習51-vol.6(中島記)

2014-02-21 23:46:07 | 練習日誌
 まだまだ寒い日が続いておりますが、山形Qは本日も元気に練習です。「インフルエンザでダウン」など、体調不良でメンバーの誰かが欠席するということがこの団体には、ほぼありません。「○○は風邪ひかない」といいますが、もう長いことひたすら、年がら年中カルテットをやっている人たちは、やっぱり「○○」だということの証でしょう。


 前回に引き続き、まずは明日のコンサートの準備から。モーツァルト「クラリネット五重奏」より第1・2楽章など。クラリネットの川上氏はいつもながら、豊かで太い音色の、ゆるぎない音楽をします。しかし今日は風邪気味。・・・まだまだ「○○さ加減」が足りないようです。むしろ、私たちが頑張って感染させてあげないと。

 ・・・それはともかく、明日はお客さんと共に楽しみたいと思います。(お客さんには感染らないので、安心して来て頂きたい)。


 川上氏が帰った後は、51回定期に向けて、こちらもモーツァルト。今日は「14番」を重点的に合わせていきます。

 「春」の別名がある爽やかな曲です。爽やかな音色で弾きたいところ。聴く人がハッピーになるような演奏を心がけたいと思います。そのためには、まず弾く我々がハッピーな気分でやらないといけません。・・・たとえ私生活でハッピーでないとしてもです。このあたりが演奏家に要求される「根性」なのですね。


 ということで、本日は終了。ということで私は帰りがけに、ハッピーを買い求めに酒屋へと向かうのでした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山形Q練習51-vol.5(中島記)

2014-02-19 20:07:48 | 練習日誌
 山形Qは今月、いや今週、演奏会があります。山形市の中心商店街のイベントによるコンサート「街なか音楽会」という企画で、七日町の富岡本店にて。2月22日。13時と14時から各30分ほど。

 実はチラシなど詳細をもらっていないので、確かなことはお問い合わせ頂きたいのですが、とにかく演奏いたします。言われたとおりの場所に行き言われたとおりの時間演奏する・・・コンサートの趣旨もよく知らずに・・・演奏家などそんなものです。

 曲目はモーツァルト「クラリネット五重奏曲」より第1・2楽章を中心に。クラリネットのゲストはおなじみ山響の首席、川上一道氏です。


 言わずと知れた、室内楽では数少ない有名な曲。山形Qでももちろん、過去に数回演奏していますが、川上氏とは初めて。楽しみでもあります。

 川上氏とは前回の庄内定期で、ブラームスの五重奏を共演しました。重厚で複雑なブラームスとは違い、モーツァルトはとにかくシンプルなところが逆に難しい。細かい打ち合わせなしで、音楽を合わせていきます。

 ・・・何度弾いても難しい。しかし、何度弾いても良い曲です。


 コンサートでは、さらに楽しめるように頑張りたい思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山形Q練習51-vol.4(中島記)

2014-02-11 18:47:35 | 練習日誌
 さて4回目。

 まずは「51回定期」の曲目から。モーツァルトの「15番」「16番」。以前の定期でもすでに演奏していますが、初回と再演では曲がまったく違って見えるものです。


 初回では「曲を知る」という作業が練習の大部分を占めます。構造を理解する、とか、流れを覚えるとか。すると、そのつもりは無くても、おのずと受動的な姿勢になるのです。本を読むとか映画を観るような。それが少しずつ、人に聴かせるための「朗読」のようになって本番を迎えるわけです。

 ところが、再演の場合は「曲をつくる」ことから入れます。筋も台本も頭に残っているので、「役づくり」から入れるような感じ。それも、「前回よりも活き活き動かしたい」という欲がはじめからあるので、能動的になります。

 
 ということで初期の練習は、破綻を恐れずに「つくってきた役」をぶつけ合う感じになります。これがまた楽しい。前に楽譜に書き込んだ通りのことを漫然とやると、他のメンバーから見事に裏切られたりする。またそれに説得力があったりすると、気持ちのよい「やられた感」につながる。

 先日受けたレッスンで出された、「表現の幅を広げる」という課題をそれぞれに意識しているのもわかります。


 さすが名曲の数々、一度きりでは味わえないものだということがよくわかりました。4月の本番まで充分に楽しんで、それをお客さんと分かちあえるようにしたいものです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山形Q練習51-vol.3(中島記)

2014-02-06 23:59:46 | 練習日誌
 豊かな起伏、聴いてわかりやすい変化、音楽のより大きな振れ幅・・・簡単に要約してしまうとこういうことになるかと思います。しかし、実際に豊富な経験を積んだ先輩の言葉は、説得力が違うものです。指揮者などにありがちの「だったらお前やってみろ!」と言いたくなるような、現場を知らないがゆえの無茶な要求がない。本当に貴重な経験を分け与えてもらうことができたような気がします。


 ということで今日の山形Qは、平尾先生のレッスンを受けることができました。曲目はベートーヴェンの「第13番」。教材としてはこれ以上無いほどのボリュームです。六つの楽章は、どこをとっても「最難所」。最上川船下りにたとえれば、どこで船が大破してもおかしくないような急流ばかりです。

 しかしそこは百戦錬磨の名船長が見守ってくれていますから、破綻上等でぶつかってゆきます。ところが、出てくる指導は「もっとハッキリと」「もっと極端に」というものがほとんどでした。そしてその後の集合の仕方などは、「さすが」と思えるような示唆に富んでいて、勉強になります。


 今まで数回、このようにレッスンをつけて頂いてきましたが、言われることが少しずつ変わってきているのは、山形Qがそれなりに成長してきている証拠でもあり、嬉しく思います。と同時に、行っても行ってもゴールの遠さをさらに感じるのは、クァルテットというものの奥深さでしょう。

 今後の演奏会に活かしていきたいと思います。
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山形Q練習51-vol.2(中島記)

2014-02-05 23:59:20 | 練習日誌
 さて、いよいよ練習開始。なんだかずいぶん休んだような気がします。

 次回の定期演奏会は4月26日(土)。オール・モーツァルトのプログラムです。しかし、その前に3月16日の庄内定期。ベートーヴェンの「第13番」、モーツァルト「フルート四重奏第3番」、そして山田耕作「第2番」です。


 ベートーヴェンは先日の「第50回定期」で演奏しましたが、これだけの大作、1回弾いただけではまだまだレパートリーとは言えません。なので、こうして続けて演奏する機会が頂けることは実にありがたい。個人個人としても四重奏団としても、せっかくのチャンスですから、何とかこの機会を利用して、あともう数センチでも「カルテットの奥義」に近づきたい。

 しかし、どんな世界もその深奥へ向かう道は険しく、そう簡単には人をよせ付けない峻険さがあるものです。高みへ上ろうとする道の周りには、中途半端な者をつき落とす深い谷が口を開けているのです。・・・「お願いです、だれか助けてください!」(「世界の中心で愛をさけぶ」より)。


 ということで、久しぶりにレッスンを受けることにしました。カルテットの偉大な先達、以前から私たちが師事しているニュー・アーツ弦楽四重奏団の平尾氏です。

 そこで、そのレッスン前日の今日は、ベートーヴェンを中心に練習しました。

 前回の本番の録音をチェックした感想を元に、「今の自分たちでできること」を確かめておきます。一度本番を経験したとはいえ、正直に言うと、うまくいかないところはうまくいかない。


 あとは明日のレッスンで、ぶつかってみるのみです。高みへと続く「足場」を、少しでも多く見つけたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする