山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

山形Q 練習日誌77-vol.2(中島記)

2020-08-29 22:23:00 | 練習日誌
 250年。…とてつもなく長い期間のような気もすると同時に、少し前のような気もする。何と言っても、私がもうすぐ「人間五十年」に近づいている。あっという間だった気がするので、それを5倍しても「そんなもんか」と思ってしまう。

 ベートーヴェン生誕250年。江戸時代中期と言われると、途方もなく昔のような気もしますが、実はそうでもないということです。

 …私も50年ちかく生きてきましたが、たとえもう50年生きたところで、多分ほとんど変わらない。人間なんてそんなものです。だからこそ、ベートーヴェンの音楽が色あせないのでしょう。


 さて、今日のリハーサルは、モーツァルト「五重奏曲」から。ヴィオラのゲストの田中さんも加わってオーボエ以外の4人での練習。

 この曲は何度も弾いていますが、いつも、ベートーヴェンかと思ってしまいます。ハ短調の重々しさのせいかもしれませんが、曲調もモーツァルトらしくない。これが本当にモーツァルトの作品だとすると、やはり、ベートーヴェンは突然変異ではなくて、普通に「進化の過程」のなかにいたのだと思います。モーツァルトはそれだけ凄かったのだとも言えますが。

 曲の中身は至ってシンプル。リハーサルは大した問題もなく、終了。


 そしてベートーヴェン。よく練られた曲なので、少しでもバタバタすると、全体に影響が出ます。3人が同じウエイトなので、各自のさらなる精進が必要。

 最後はオネゲル。全体的な曲づくりは見えてきました。2人だけの世界なので、ここから先は、お互いがどれだけキャパを広げられるかで、可能性が決まってきます。自分の限界で曲の広がりが損なわれないよう、まとめに入る前に、もう少し頑張ってみます。


 ところで、山形はコロナが収まっているので、山響もこの秋はほぼ通常営業。指揮者が替わったり客席を減らしたりすることはあっても、予定通りの忙しい日々が始まっています。ありがたいことです。感謝しつつも、自粛で緩んだ体をしっかりと引き締めないと、この秋は乗り越えられません。…頑張ります。
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山形Q 練習日誌77-vol.1(中島記)

2020-08-23 17:40:00 | 練習日誌
 …ディスタンスとともに、山形Qは10月の第77回定期に向けて今日から再開です。


 日曜日だというのに、コミュニティ・センターは人影もなく、閑散としています。世の中の、いろいろな活動が自粛されているのを実感。

 …早くどうにかならないものですかね。


 さて、ベートヴェン・イヤーの最後を飾る、「弦楽三重奏曲第4番」から。ベートーヴェンはこの曲で、実験的な三重奏曲の作曲を終わりにして、本格的に弦楽四重奏に取り組んでゆきます。そして、人類の宝とも呼ぶべき作品群を後世に遺すことになるわけです。

 なので、この「第4番」は、内容的には弦楽四重奏の作風に、かなり近づいています。実際、メロディの断片などは「作品18」の四重奏曲で耳にしたような気になる部分も多い。

 そして「ハ短調」。ベートーヴェンが気合入れた時に出てくる調整です。まさに「運命的」。頼まれて作る音楽から、自分の人生のテーマを表現するスタンスへ移行しようとしているのが分かる曲想になっています。

 曲の完成度としても、「作品18」や「ラズモフスキー」にひけを取らないクオリティー。名曲と言える風格があります。

…要するに、「ベートーヴェンのカッコいいところ」が、しっかりと感じられるのです。


 それを3人でやるわけですから、難しいのも確か。どの声部も、欠かすことのできない重要度があります。つまり、しっかりと聴かせなければならない。

 要練習。


 そしてオネゲル。ヴァイオリンとチェロの二重奏。これが美しい曲です。

 今日は全体像を掴む感じでの練習。2人だとまた自由度も高く、面白い。

 こちらも、じっくり仕上げていきます。
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