山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

山形Q 練習日誌85-vol.4(中島記)

2022-09-25 23:59:59 | 練習日誌

 オペラ「魔笛」では、序曲の後に幕が上がるとセットの巨大な大蛇がまず目につきます。これで、子供もぐっと惹き込まれる。ファンタジーとして素晴らしい「つかみ」だと思います。

 どこかの国の王子様が、いきなり大蛇に襲われているわけです。これは見ないわけにはいかない。
 
 戦うでもなく逃げまどう王子様、このまま食べられるのかと王子は気絶。すると、これまたいきなり大蛇がやっつけられる。見れば3人の女が魔力で一撃で蛇を倒したらしい。
 
 …オペラか。退屈かも知れないな。
 
 と思っていた半端な観客に平手打ちを喰らわすようなド派手な導入は、現代でも充分に通用するもので、江戸時代に考えられたとは到底思えない。
 
  さて、秋めいたきた山形です。台風は過ぎましたが、嵐のような芸術の秋がこれから始まるという静けさにも似た休日に、山形Qのリハーサル。もちろん「魔笛」を中心に。
 
 だいぶこなれてきました。あとは、フルートを入れて、音楽作りを深めたいところ。気をつけるべきは、器楽の部分と声楽の部分の役割が入り混じっているので、それをわかった音の処理をする必要があること。さらに要研究。
 
  ところで、これもいつも思うのですが、大蛇を一撃で倒した女たちは、夜の女王の侍女です。すごい魔力です。侍女でさえこんなに強いのですから女王はさぞやと思います。
 
 …それなのに、大蛇の前で気を失う「へなちょこ王子」の助けを請うのが、どうしても納得いかない。夜の女王も、娘にナイフを渡してる暇があったら、是非とも、ザラストロと直接のバトルをして欲しかった。稲妻と太陽光線の応酬とか。
 
 しかし、もちろん、そんなことは起きない。少年ジャンプではないので。
 
 この物語の目的はそもそも、フリーメイソンの教義を寓話化して一般人に伝えるためのものだからです。その話はまた。
 
 チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。  
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山形Q 練習日誌85-vol.3(中島記)

2022-09-17 23:59:59 | 練習日誌

 前から思っていることですが、「魔笛」という日本語の題名は、今ひとつではないでしょうか?シンプルにそのタイトルだけで内容を想像すると、「魔弾の射手」のように、その笛を吹いてしまった者は特殊な力が与えられる代わりに魂が抜かれるみたいな「悪魔の契約」系の話かと思ってしまう。

 …私だけでしょうか?幼少の時に「悪魔が来たりて笛を吹く」のドラマのCMがよく流れていたのを見た記憶が強いせいなのかも知れません。古谷一行さんのご冥福をお祈り申し上げます。
 
 話を戻しますが、モーツァルトの「魔笛」は英語の題の「マジック・フルート」という方がピッタリくる、軽やかなファンタジーです。だから、その音楽にも、どこかで「軽さ」があるべき。横溝正史とは違うのです。
 
 ということで、練習の2回目。まだ弦楽器の男3人で下準備。
 
 軽いファンタジーである、ということがどの音のDNAにも入っているべきだということを忘れるべからず。
 
 それにしても、弦の3人で合わせるだけでも楽しい曲です。
 
 いつも伴奏でしかない私たちですが、時として歌手の役割が回ってきたりする。そんな時はすかさず、いつも聞いている歌手よりもカッコよく歌いたい。そういう欲求を、本番まで忘れないようにして演奏したいものです。
 
 お客さんと一緒に「ファンタジー」の世界を楽しみたいと思います。
 
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山形Q 練習日誌85-vol.2(中島記)

2022-09-06 23:59:59 | 練習日誌

 台風とか前線とか、いろいろな影響もあって暑い山形です。フェーン現象らしい。

 こんな時はコミュニティ・センターにこもらないと。
 
 …ということでもありませんが、今日は山形Qのリハーサル。ようやく、次回定期に向けた練習のスタートです。
 
 まずは弦楽三重奏のボッケリーニ「第6番」。
 
 さてどんな曲なんだろう。初合わせの時はいつも期待に胸が膨らみます。
 
 …相変わらず地味な曲だなあ。
 
 しかしこの時代の曲は、楽譜に書いてあることが全てではない。というか、勝手にいろいろと味付けしても怒られないような「余白」がたくさんある感じがする。もう、今までの定期で何曲か取りあげてわかってきました。
 
 そして退屈な曲であればあるほど、その余白が大きい。本番の日まで、あれこれ試して、じっくりと味わいたいと思います。
 
 そして「魔笛」。今日はまず3人で合わせましたが、それでも面白い。もう何度もオーケストラでは弾いているだけに、いつもとちょっと役割が違っているだけでも新鮮極まりない。
 
 特に弦楽器はオーケストラだと、それぞれが大勢なので、音量の変化は幅が出ますが、細かい部分ではモヤモヤしやすい。それが完全にひとりだと、きちんと聴かせられるのは楽しいのですが、シビアでもある。
 
 バランスの調節も、個人が自分の耳できちんとしなければいけない。
 
 つまり、コンパクトな4声になった分、全体を「手の内」に入れる必要があります。
 
 今日は、初回だということもあって、オーケストラで弾いた記憶をなぞった感じで終わりました。四重奏で演奏する意義や楽しさを、これからじっくり見つけて味わっていきます。
 
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