山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

2017/18年度の演奏会全て終わりました。

2018-03-31 23:59:59 | 演奏活動
 今年度の山形Qの演奏会は、全て終わりました。

 今年度は、定期演奏会では、L.v.ベートーヴェン・J.ブラームス・M.モーツァルト・A.メンデルスゾーン・P.ヒンデミット・M.ラヴェル・黛敏郎・佐藤敏直などを取り上げ、毎回のように充実したプログラムに取り組むことが出来ました。同時に定期演奏会のプレコンサートでは若い方々に登場いただいて、フレッシュな演奏を聴いてもらいました。

 昨年度と同じく、母体の山形響からの演奏依頼や自分たちに直接演奏会依頼などがあり、オーケストラの休みの日はほとんどと言っていいほどクァルテット漬けの日々を送ることができました。

 山形Qの18回目のシーズンに明日から突入してゆきます。

 来年度まずは、4/14(土)の第67回定期演奏会に向けて、頑張っていきます。それともう一ついよいよ山形Q結成以来の大がかりな企画〜F.J.ハイドン 弦楽四重奏曲全曲演奏〜が第68回で完結します。達成出来ないかもと思っていた企画をやり遂げる瞬間はもうすぐです。

 応援ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします!
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山形Q 練習日誌67-vol.8(今井記)

2018-03-29 23:08:49 | 練習日誌
 三月の練習も、気付けば今日が最後。いよいよ追い込みをかけていかねばなりません。
 
 さて、今日の合わせはお待ちかね、武満から。日本の作曲家で、多分一番、世界的に名を知られている方でしょう。
 
 武満作品と言えば、やはり代表作「ノヴェンバーステップス」を思い起こす人も多いことと思います。琵琶、尺八といった日本の伝統楽器をオーケストラと共に演奏する形はやはり印象的ですが、その響きは、彼の初期の作品にあたる、今回演奏する「ランドスケープ」にも通じるものがあります。武満は早くに父を亡くし、子どもの頃は箏の師匠をしている叔母の家に住んでいたので、こういった楽器には馴染みがあったのでしょう。もっとも武満自身は「後に日本の伝統音楽を聞いても、戦争の苦い体験がよみがえるだけだった」と述懐していますが、彼の音楽の音色には、明らかに和の響きがあります。さらに、日本美術には「余白」という特色がありますが、それと同じく「間」という概念が、日本文化にはあります。明確な始まりと終わりを示さないところも含め、「間」の概念は、武満の音楽を味わう、一つの大切な要素と言えます。
 
 さて「ランドスケープ」、響きを合わせると、やはり武満らしい音がします。この起伏、静けさの中の激しさ、是非お伝えできるようにしなければ。
 
 その後はハイドン、そしてメンデルスゾーン。こちらも少しずつ、音色、スピード感など、それぞれの擦り合わせの成果で、良い絵を描けつつあります。場面場面でではなく、連続して重なっていけるよう、難所を含めて更に磨いていきたいと思います。

チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動をしています。
 ただいま16箇所及び山形市内公民館
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山形Q 練習日誌67-vol.7(今井記)

2018-03-26 23:24:56 | 練習日誌
 まさに春来る!というポカポカ陽気。ストーブなしで練習です。何ヶ月ぶりかしら。。。

 今日もメンデルスゾーンを中心に、残りの時間でハイドンの難所を合わせました。
 
 今回のメンデルスゾーン、2楽章がスケルツォになっています。イタリア語で冗談やいたずら、戯れといった意味を持ちますが、いかにもメンデルスゾーンらしい、まるで鳥が軽やかに飛びまわりながら遊んでいるような、晴れやかな気分に満ちた楽章です。スケルツォは、彼の弦楽八重奏曲の3楽章にも出てきますが、メンデルスゾーンの十八番といっても良い曲想だと思います。
 
 しかし子どもの頃はともかく、大人になるにつれて「スケルツォ」の気分からはだいぶ遠ざかった気がします。私も酒が飲めればまた違ったかもしれませんが。。。。ありし日の「子ども心」を引っ張り出して、なんとかうまく表現したいと思うのですが、下手をするとあざとくなってしまいます。技術的にも、羽の如き軽さを表すのは、実は大変な努力と工夫が要するのです。本番もいよいよ来月、ここが踏ん張りどころですね。
 
 ようやく待ち望んでいた春の到来、鳥が春を謳歌するように、美しい歌をさえずりたいと思います。四羽の鳥がどのような会話をしているか、是非会場にいらして耳を傾けてみて下さい。
 
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山形Q 練習日誌67-vol.6(今井記)

2018-03-22 23:16:43 | 練習日誌
 春分の日の翌日。あいにく天気は雨模様ですが、昨日のように雪でないだけマシというものかもしれません。寒いのは苦手です。。。というわけで、気を取り直して練習開始。
 
 今日はお楽しみアンコールの合わせから。内容についてはつまびらかにできませんが、確認の為にも是非、14日に会場までお越しくださいませ(笑)。名曲中の名曲とだけ言っておきましょう。きっとお気に召して頂けると思います。美しく、そして深いです。
 
 その後はハイドンを、より丁寧に細かく見ていきました。次回のハイドンクァルテット全曲演奏ファイナルの布石となるだけあって、やればやるほど、底なしのように「新たなる課題」が次々と出てきます。特段長いわけではなく、もの凄く複雑なことを弾かされているわけでもないのに。。。。それだけよく磨かれているということでしょう。大吟醸と同じですね。って、下戸の私が言うのも何ですが。
 
 メンデルスゾーンは、やはり特有の華があります。若さゆえというところもあるでしょうが、そもそも育ちがよく、しかも溢れんばかりの才能を持つ人が放つオーラというのは、パアッと周囲を照らす明るさがあります。それは短調であっても損なわれることはありません。かの有名なヴァイオリン協奏曲もホ短調ですが、決して湿っぽくはならない。あくまでも光を感じます。しかも、あざとく魅せるためではない技巧が色々と使われています。なので弾き手は、それと感じさせないよう、涼しい顔でそれをやらなければいけないわけで。。。どうやって?勿論地味に練習(基礎練含む)を重ねるしかないのです。まだまだ道半ば、引き続き頑張りますよ!!

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山形Q 練習日誌67-vol.5(今井記)

2018-03-13 22:59:07 | 練習日誌
 山形Qの練習が終わっても、まだ日没まで時間があるようになってきました。気温はまだまだ落ち着きませんが、日が長くなっただけでかなり嬉しい。太陽の力は偉大です。

 今日の山形Qの練習は、ハイドンの1、4楽章とメンデルスゾーンを中心に。
 
 ハイドンは、膨大な作品を残しているので、なんとなく継続的にコツコツと作曲し続けていたイメージがあり、実際そうだったと思うのですが、その能力が開花したのは、今回のOp.20の曲集からと言えるでしょう。齢40ですから、遅咲きの天才です。色々と実験的な試みをしているところからも、その充実ぶりが窺えます。フィナーレのフーガもその一つ。Op.20では、6曲中3曲がフーガになっています。フーガと言えば、バッハやベートーヴェンを連想して、壮大で厳粛な、どことなくいかめしいイメージを持つかと思いますが(実際演奏する側からしても、フーガは独特の難しさがあります)、ハイドンのそれは、表情が違います。音量一つをとってもなかなか盛り上がらず、ご丁寧にsempre sotto voce とまで記載されています。連綿と続くフーガのやりとりを、力こぶを作らずに織りなしていくのは、いつもとは違う神経を使います。
 
 メンデルスゾーンも、若い意欲がそこかしこに滲み出ており、アクセントやsf一つとっても、抜き加減一つで色が変わります。作曲家に負けず、こちらも意欲的に試行錯誤したいと思います。

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山形Q 練習日誌67-vol.4(今井記)

2018-03-06 23:17:11 | 練習日誌
 日差しもかなり春めいてきました。花粉症の方々には辛い季節でしょうが、今のところその兆しのない私にとって、いよいよ春の到来かと晴れやかな気分の今日この頃です。
 
 さて、今日の山形Qもメンデルスゾーンから。
 
 メンデルスゾーンは早熟の天才として知られていますが、その家柄の良さもあり、大変な教養人でした。文学に精通していたのは勿論、語学も堪能で英語、フランス語、ギリシャ語やラテン語など、数カ国語に通じていたと言われています。更に見事な絵を描き、その残された作品を見ると、目を見張るものがあります。典型的な「天が何物をも与えた」ような人だったのです。
 
 写真は彼が書いた絵を収めた本の表紙です。写真がよくないもので(スミマセン、、、)わかりにくいかと思いますが、非常に精緻な絵を書きます。デッサンなども正確で、まさに玄人はだし。同時に、彼の音楽も絵画的な一面を持っていることに合点がいきます。「真夏の夜の夢」など、序曲を聞くと目の前にうっそうとした森が広がるのは、メンデルスゾーンのそんな特性がよく表れていると言えるでしょう。
 
 弦楽四重奏というジャンルではありますが、彼の「絵画的」な表現は、この曲の中にも生きているように感じます。それぞれの情景は是非、会場でお客様に想像を巡らせて頂きたいと思いますが、変わり行く場面の詳細を、より深く掘り下げていかなければなりません。大変ですがこれもまた楽しい作業です。

 瑞々しい若さを感じるメンデルスゾーンの後は、成熟のハイドン。といっても、長生きだった彼にとっては、作曲家としては青年期と言って良いかもしれませんが。シンプルなのにこの厚み。メンデルスゾーンの後に弾くと尚更、なるほど、弦楽四重奏はやはり彼が原点なのだと納得がいきます。誰が聞いても「良い曲だ」と思える名作です。和声感、相応しい音色など、個人的な課題を山ほどみつけて練習終了。次回までに、更に作品を向かい合っていきたいと思います。

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