山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

山形Q 練習日誌60-vol.9(中島記)

2016-06-25 23:23:34 | 練習日誌
 新潟旅行が終わり、山響の大阪・東京公演が終わり、明日から九州2週間の旅…。エルニーニョ現象の影響なのか、今年は観測史上初と言ってもいい旅行続きのスケジュールです。

 そんな中でピクリともブレないのが山形Q。山形に戻っての貴重な1日は、もちろんそのままリハーサル。…「人生をかけている」のと「人生を捨てている」のには、はたから見ると大きな違いはないのだということがわかってきますね☆


 ということでハイドンから。♯5つに苦労させられます。合わせようと思うばかりでは合わせることはできない。包容力のある響きを、各人が出さなければいけません。相手に余裕のない時こそ、召使いでも主人でもない、パートナーとして振る舞えるかが、その奏者の真価です。…深いですね。

 そしてアンコールを挟んだ後に武満。

 これはまだまだ。それぞれが溺れながらではシンクロはできない。…それは当たり前。まずは各自、笑顔で立ち泳ぎが続けられるところまでは個人練習が必要ですね。


 旅行中に合間を見つけて練習するしかありません。「アウェイ・アローン」には、「それぞれの流れが次第に一つになり、やがて大きな流れとなって海に向かう」というようなイメージがあるようです。

 よどまずに流れられるよう、精進しましょう。

~チラシを貼らせていただいたり、置かせてもらう活動しています。~
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山形Q 練習日誌60-vol.8(中島記)

2016-06-18 17:43:59 | 練習日誌
 練習場所として使わせてもらっているコミュニティ・センターの研修室も、だいぶ暑くなってくるこの季節。ついこの間まで、「ひと桁度C」からの温めスタートだったのが嘘のよう。こうして季節ごとに年4回、定期演奏家をしているのも、風流なことです。

 ということで、今夏の「第60回」のリハーサル。

 ハイドンの作品64から。モーツァルトもそうですが、短調の曲は少ないながらも名曲が多い。この作品も、小ぶりではあるものの作品76に劣らない完成度の高い曲です。バタバタせずに弾きたいところ。

 次に、極秘のアンコール(超名曲です)を挟んでからのドビュッシー。このメンバーでも再演になりますが、新鮮味があります。それは、前回に積み上げたものをすっかり忘れてしまっているから…ではありません(たぶん)。以前よりもさらに深くまで、分け入って行きたいものです。

 おしまいは、いよいよ武満徹。

 本日はスコアを見ながらの合わせ。パート譜だけでは訳がわからない「8分の3.5拍子」なども、他の動きを見てみればその必然性がわかります。独りで「さんとっと」とか考えることはないのです。

 それを、もう少し滑らかに、自然なフレーズにするには、まだまだ練習が必要。


 …度重なる旅行の合間に、どれだけ鍛錬できるかが勝負どころ。頑張りましょう。

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仙台の施設でホルン五重奏曲。(中島記・倉田補足)

2016-06-17 23:59:59 | 演奏活動
 山響が休みの日は、山形Qのリハーサルになるのがいつものパターンですが、今日は違いました。

 以前も山響定期の「プレ・コンサート」で演奏した、山響首席ホルンの八木氏を中心としたホルン五重奏で、仙台の病院への慰問演奏。

 一回きりの本番のためにあらゆる準備をし、全身全霊で臨むのが演奏家の本分です。わずか数十分のために何十時間を費やす。演奏会は「花火」のようなもの。

 とはいえ花火と違うのは、やろうと思えば二日続けてできるところ。そうすることで、むしろクオリティが上がるし、コストパフォーマンスも向上する。つまり、一回こっきりで終わらせてしまうのは、あらゆる意味でもったいないのです。

 ということで、このホルン五重奏も山形だけでなく、米沢でもやりましたし、今回の仙台でもお披露目することにしたわけです。今日は老人ホームでの演奏でしたが、最もクオリティが高かったのではないかと自負しております。

 とにかく、いろんな場所で数多く演奏してこそのものなのです。聴衆が演奏家を育てると言われるのも、そのためでしょう。

 今日も入所している高齢者の皆さんに、育てていただきました。

 やっとお休みの今井氏・・・美容院に行けたでしょうか??
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山形Q 「樫の木」公演(中島記)

2016-06-10 23:59:59 | 演奏活動
 昨日、コミュニティセンターでの練習を昼過ぎに切り上げて向かう先は、山形市内の老人ホーム。4月に演奏会をしたカフェレストラン「アランフェス」の近くにあり、そのご縁で依頼されたものです。

 山形Qは、次々にやってくる定期演奏会に追われているのが実情ですが、本来は、このような慰問演奏にも力を入れているのです。山響などの演奏会に足を運べないような方のためには、身軽な室内楽が出張して演奏する…それこそが、地域を音楽で満たすという演奏家の役割。

 という偉そうな事を言いつつ、忙しさにかまけて実に久しぶりのボランティア演奏です。

 本日、訪れたのは「樫の木」という、小ぶりなホーム。到着するとすでに会場となる広間にはたくさんのお年寄りが集まっていました。

 軽く「アイネク」などのクラシックを弾いた後に、日本民謡。休憩を挟んで映画音楽からの、締めは皆さん大好きな唱歌。

 やはり、最終的に心に沁み入るのは、幼い頃に親から教えられて口ずさんだ唱歌なのです。目に涙を受けべているおばあちゃんもいて、こっちが逆にジーンとしてしまいます。

 心がキレイになった私たちは、「また、ぜひ来てください」という気持ちのこもったお願いに、ついつい力強くうなずいてしまうのでした。
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山形Q 練習日誌60-vol.7(中島記)

2016-06-09 21:41:45 | 練習日誌
 山響の休日は、疲れを癒すべくのんびりと起き出して、ガウン姿のまま朝刊を片手にモーニングコーヒーをすすりながら半熟玉子ができるのを待つ…わけはなく、取るものもとりあえず、朝10時に公民館に集合。山形Qの活動に休日の文字はございません。あっても半熟玉子は食べないと思いますが。

 さて、つまらない話はさておき、実は次回の記念すべき「第60回定期」までに残された練習はわずか6回。洗心庵公演もありましたし、この先は「ふっ、ご冗談を」と思うほどの旅行続きなので仕方がないのです。

 しかも今日は、練習の後にボランティアの演奏会を控えています。その模様は次の記事に書くことにして、早速、定期の武満「アウェイ・アローン」を。

 倉田氏トラブルのためヴィオラ抜きの3人で合わせます。合わせるとは言っても、さすがに武満。そのままでは、合ってるのか合ってないのかわからない。8分の3.5拍子とか4.5拍子とかもあって、「いちにのさん」では合わせられない。スコアを見ながら少しずつ少しずつ…。

 この曲は、東京クァルテットが武満に委嘱してできた作品ですが、東京さんはどうやって仕上げたのか?もちろん完成したCDは持っていますが、譜読みの時の様子はどんなだったのでしょうか?「いっとお、にいとお、さんとっと」とか、そういう「メイキング」があったらぜひ観たい。

 まあ地道に、牛歩のようにやっていくしかないですね。曲自体は、武満らしい宇宙的な響きが面白い作品です。

 定期の練習はここまで。あとは午後からのボランティア演奏の準備。本番の様子はあらためて。

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山形Q 練習日誌60-vol.6(中島記)

2016-06-06 22:25:56 | 練習日誌
 先日の洗心庵公演でも感じた事ですが、弦楽四重奏の名曲はどれも難しい。頑張って練習してようやく一度や二度、人前で弾いたぐらいでは、ものになりません。「この曲はレパートリーです」と胸を張って言えるようになるためには、日頃から慣れ親しんでいないとダメです。

 ということで、演奏会の直後の練習は、目先の曲ではなくレパートリーにしたい名曲を次々に取り出して、ひたすら弾くというエクセサイズをやっています。

 …遊んでいるだけ

とも言えないこともないのですが、これがなかなかためになる。「素」の状態でどうなるか、というのがクァルテットの真の実力を知ることにもなります。

 メンバーおのおのの、癖や弱点、または以前と比べて伸びたところも如実にわかり、怖くも面白い。

 前回の第59回を終えた時にはもう洗心庵の練習を始めていたので、今日はをその機会にあてました。

 弦楽四重奏作品における「2大B」、ベートーヴェンとバルトークを時間の許す限り弾くという贅沢企画。バルトークが「2番」だけなのは残念ですが、ベートーヴェンは後期から。特に「ご無沙汰もの」を中心に。

 個人練習をほとんどしないで「15番」が通る、というだけでも永年積み重ねた「たまもの」と言えるでしょう。

 楽しく合わせたところで、次回から第60回の練習に入ります。

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