山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

山形Q 洗心庵演奏会(中島記)

2016-05-29 17:50:51 | 演奏活動
 「山響アンサンブルシリーズ」ということで、今年度3回企画されている、団員による弦楽四重奏の演奏会の第1回目に今日、山形Qで出演しました。

 「洗心庵」というのは美しく手入れされた庭園にある、山形県が管理する多目的ホールです。

 椅子を並べると最大で50席ほどの会場として使えます。ガラス張りの側面からは庭園が見渡せるので、緑に囲まれた高原の別荘でコンサートをしているような感じ。住宅街にありながら、贅沢な空間です。

    

 響きもなかなか良くて、弦楽のアンサンブルにはうってつけの会場です。実は今回、私は初めて来ましたが、自宅のすぐ近くにこんな所があるとは知らなかった。

 高田三郎・佐藤敏直・ベートヴェンという山形Qらしい(?)プログラムで聴いて頂きましたが、いかがだったでしょうか。

 前半の邦人作品は、現メンバーでも何度か演奏したこともあり、レパートリーになっていると言えるのではないかと思っています。この曲を知っていた人はいなかったでしょうが、「いい曲だな」と感じてもらえたら嬉しいです。…作曲家にも感謝してもらえるはず。

 「ラズモフスキー3番」は、本番にかけるのは初めて。なかなかスリリングな曲です。これもレパートリーになるぐらい、何度も演奏するべき名曲です。

 さて、次からいよいよ「第60回定期」の練習に取り掛かります。
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山形Q 練習日誌60-vol.5(中島記)

2016-05-26 22:05:21 | 練習日誌
 今日は午前中が酒田でのスクールコンサート。午後に山形に戻ってのリハーサルでした。

 日曜日の「洗心庵」公演に向けての最後の練習です。


 前回の練習の録音をチェックして、改めて手直しを。


 オーケストラと室内楽での演奏の心得における一番の違いは、アンサンブルのためのバランスの取り方かもしれません。オーケストラでは、特に弦楽器の場合、注意深くアンサンブルするということは「周りの音を聴く」ということです。しかし、室内楽の時はそれだけでは足りない。自分の音を相手にきちんと聴かせるということを同時にしなければなりません。

 一方向では絶対に成り立たない。合わせ合わなければ(ややこしい日本語ですね)、それはアンサンブルとは言えないのです。

 自分で大きな音を出しながら人の音を聴く…なかなか難しいことです。しかしこれは両立できる。

 科学的にはどういうことなのかわかりませんが、その場にピッタリとマッチする音をしっかりと出せている時にこそ、人の音がよりきちんと聞こえるのです。観念的なようですが、「響きあう」とは、そういうことなのでしょう。

 「アタシについてこい」でも「仰せのままに従います」でも、良いものはできないのです。


 それなりに「寄ってきた」ところで、本日の練習は終了。あと2日。各自、気持ちの良いアンサンブルのための音を磨いて、本番を迎えるべく、頑張ります。
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山形Q 練習日誌60-vol.4(中島記)

2016-05-24 21:53:42 | 練習日誌
 山響は仙台でのコンクールが終わり、久しぶりに4人合流しての練習です。

 するのはもちろん、今週末の「洗心庵」コンサートのための練習。


 おかげさまで、40席限定のところに60超の応募を頂いたようで、ありがたい限りです。山形Qの時だけ閑古鳥が鳴いているようでは老舗としてのメンツが立たない。ホッとしつつも、抽選で外れてしまった皆様、申し訳ありません。ぜひ、文翔館でやっている定期演奏会に来ていただきたいと思います。


 ということで、練習はプログラム順に。

高田三郎「山形民謡によるバラード」
佐藤敏直「弦楽四重奏曲第1番」
ベートーヴェン「ラズモフスキー第3番」

です。


 メインプログラムのみ、山響定期にちなんだ「ベートーヴェンしばり」ですが、その他は自由。我が山形Qは邦人作品にも力を入れているのがウリでもあるので、今まで手がけた曲の中でも選りすぐりの2曲を。

 高田三郎は、山形出身の作曲家ではありませんが、庄内町の子守唄の、なんとも言えないノスタルジックな旋律に衝撃を受けて書かれた作品です。
「お前の両親は天人だそうだ。会いたければ天に通じる梯子を上って行くがいい」
という、どのように受け取ってよいかわからない不思議な歌詞の子守唄だそうです。

 そのせいか、超現実的な浮遊感のある、切ない曲です。


 そして山形が誇る作曲家、佐藤敏直。「邦人作品=現代曲=聞きにくい」というイメージを壊してくれる、意欲的な作品です。しかしもちろん底に流れているのは、山形の風土と民謡、そこに生きる人々の力強さ、そして現代の私たち。

 それぞれの楽章の中に現れる、やはり郷愁のようなものをきちんと浮かび上がらせたいところ。


 ベートーヴェンは、改めて語る必要もないと思います。「運命」と同時期の、言わずと知れた名曲。

 勢いに流されず、脂ののったベートーヴェンならではの、充実した「構築感」を出したい。


 以上を踏まえて、残された練習はあと一回。明日からは山響スクールコンサートの日々ですが、各自、練習に励みます。
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山形Q 練習日誌60-vol.3(中島記)

2016-05-16 21:19:51 | 練習日誌
 さて、いよいよ5月29日の、洗心庵公演が迫っています。もちろん今日もその練習。


 メインのプログラムは、今年度の山響の定期演奏会にちなんで、ベートーヴェン。我々が担当するのは「ラズモフスキー第3番」。折しも、昨日・一昨日に演奏した「運命」と時期の近い作品です。


 ベートーヴェンを演奏する時に、いつも感じることでもありますが、作品のエネルギーがあり過ぎて、弾いている方まで力んでしまいそうになる。

 何百年も前に楽譜に残された筆致に、現代の我々がここまで縛られてしまうというのは、ベートーヴェンの凄まじさであるとしか言いようがない。気をつけないと、降霊術をやり過ぎて頭がおかしくなってしまう人のようになってしまいます。アクセントやスフォルツァンドがある度に、取り乱したようになる。

 楽譜に乗りうつった執念のせいなのか、我々がもつベートーヴェンへの先入観や畏れに過ぎないのかは、わかりません。

 しかし本当は、ベートーヴェンも、モーツァルトやハイドンを受け継いだ、古典派の人なのです。音楽がまだまだ唯一の娯楽であり、ポップスと芸術の区別がない時代。純粋で軽妙なものがあるはずなのです。


 構え過ぎずに、音楽づくりをしたいと思います。
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山形Q 練習日誌60-vol.2(中島記)

2016-05-10 21:37:09 | 練習日誌
 5月29日の洗心庵での演奏会は、ベートーヴェンがメインですが、前半の邦人作品にも注目していただきたい。

 今日の練習でも、もっとも時間をかけたのがその邦人作品。佐藤敏直の「弦楽四重奏曲第1番」。ご存知、山形県鶴岡市出身の作曲家の曲で、もちろん有名ではない。

 しかし、山形の作曲家の弦楽四重奏曲を、山形弦楽四重奏曲団が演奏しないわけにはいきません。ベートーヴェンもハイドンもとても大切ですが、それはみんな、しかももっと上手い人たちがたくさん弾いてます。

 私たちでないとできないもの、私たちがやらなければいけないもの、そうしなければ無くなってしまうものにこそ力をかけるべきです。


 ということで佐藤敏直。山形Qとしては3回目の演奏ですが、じつに奥が深い。

 沈鬱な第1楽章、日本民謡調の第2楽章、そして突然ロックになってしまう第3楽章のフィナーレ。

 このフィナーレは本当に斬新だと思います。エレキギターを模したようなビートが本当にカッコいい。邦人の四重奏曲として衝撃的な作品です。これこそ、本当の意味での「現代曲」。


 「現代曲」という言葉も少し考えてみたい。不協和音と変拍子主体の、聞いてわかりにくいものが現代曲の主流です。「いままでにないもの」という部分にだけ着目すれば、どうしてもそうなってしまうのでしょうが、それが「現代」らしいかというと、そんなことはない。

 ロマンティックなのが「ロマン派」だとすれば、現代の世相・風俗を反映したものが「現代曲」のはずです。本来、現代人にわかりにくいはずがない。

 そういう意味で、現代人がワクワクできる「本当の現代曲」、佐藤敏直作品をぜひ、多くの人に聴いてもらいたいと思います。
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山形Q 練習日誌60-vol.1(中島記)

2016-05-07 21:40:13 | 練習日誌
 (写真)2005年10月16日北海道にて。

 今回、つまり7月23日(土)の、山形Q第60回定期は私(中島)の担当なので、それまでこの練習日誌も中島が書きます。

 第1回の練習の今日は、まず、5月29日の「洗心庵」でのコンサートのためのリハーサル。

 「予定」のページでお伝えしているように、ベートーヴェン「ラズモフスキー第3番」がメイン。

 今年度の山響定期は、ベートーヴェンの交響曲をすべて演奏するという、勝手な企画で構成されています。

 それにちなまされて…いや、積極的にPRするべく、山響の団員による弦楽四重奏の演奏会が3回、予定されています。

 メインの曲目はベートーヴェンという「しばり」付き。

 その初回を命じられた…いや、ありがたく仰せつかった山形Qが、まず演奏させてもらうわけです。心してかからねば。

 プログラムは、高田三郎「山形民謡によるバラード」、佐藤敏直「弦楽四重奏曲第1番」、そしてラズモフスキー「第3番」です。前半に「しばり」はありませんが、「山形」「邦人」というキーワードで組み立てるあたりに、山形Qらしさを感じてもらいたい。

 ということで、しばらく「第60回」は後回し。ベートーヴェンにどっぷりつかります。
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