山形弦楽四重奏団 ブログ

演奏会のお知らせ・日々の活動など

山形Q 練習日誌55-vol.7(中島記)

2015-03-26 22:14:34 | 練習日誌
 今井嬢の楽器から見た練習室の風景。入り乱れるおやじ達に、若干辟易。

 それはともかく、本日も元気に山形Qのリハーサル。本番までひと月をきりましたので、休んでいる暇はありません。

 
 ということで、本日もハイドンから。少しずつ面白くなってきました。今回の作品71は、正直言って難しい。単純に音を並べるのも難しいが、音楽の躍動感を共有するのがさらに難しい。しかし、それでも割と仕上がりが早いように感じるのはやはり、「無限に続く大宇宙」のようにも思われたハイドンシリーズが、もう終盤に入って来ているからでしょう。…いつの間にか、長い道のりを歩いてきました。

 続いてオネゲル。ヒトの聴覚というのは不思議なもので、理解できないものがたくさん重なり合っていると「うるさく」感じるが、わけがわかって聴き分けられるようになると、スッキリと澄んで感じられる。

 初めは「怒涛のカオス」だったものが、ベートーヴェンを思わせるような、密度は高いが整然としたものに聴こえるようになってきました。ベートーヴェンよりも純粋で「いじらしい」。

 「なんと美しい…」と思えるまで、もう一歩(私はマニアなのでカオスの時からそう思っていますが)。


 ということで、あとひと月。良い演奏会になるように、各自、精進しましょう。

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山形Q 練習日誌55-vol.6(中島記)

2015-03-24 23:46:49 | 練習日誌
 山形Qの練習の合間にもスマホをいじる「おやじ」。そういえば、高校受験が無事に終わった息子にも、先日、最新のスマホを買わされたばかり。早くも操作の速さでは先を越されております。

 ということで、おやじの方は不器用に、何を一生懸命やっているのかというと、ネットショッピング…全国各地の銘酒をお取り寄せ…ではなくて、山響の組合関連の雑用。

 山形の新聞でも記事になっている、楽団員の「定年制」についての交渉と揉め事がピークに達しており、オーケストラの休日もその事にかかりきりになっています。…組合の代表などをやらされていると、心が休まる時がありません。こういう事から離れるために、この業界に入ったようなものなのに、何の因果なのか…。


「フォーレの音楽は、死者としてではなく生きながらにして死んでいるような我々を、すなわち醜くて不愉快きわまりない死骸のような我々を、不安から解放してくれるのである。意地悪な人をその怒りから、怯える人をその恐怖から解放するとともに、テロリストや恐怖に震える人が、ともに同じ暗い湖に落ちないように、道を照らしてくれるのだ。」
(ジャンケレヴィッチ著 「フォーレ…言葉では言い表し得ないもの」より) 

 フランスの哲学者、ジャンケレヴィッチのフォーレ論の中の一節です。素晴らしい。まったく同感です。
 
 フォーレの「弦楽四重奏」を聴いていると、魂が浄化されます。ほんの一瞬この世に生を受けた、朝露のようなものに過ぎない私たちに、端金を争っていがみ合う無駄な時間は無いはずなのに。

 …失礼。練習日誌から離れてしまいました。

 
 さて、しつこいようですが、とにかくフォーレの四重奏は素晴らしい。弾けば、すぐに呼吸が深くなるような気がする。広くて柔らかい世界にふわっと引き上げられます。

 以前に、定期演奏会で弾いた時よりも、自然に入っていけるような気がするのは、私たちが経験を重ねた「たまもの」であると思うことにします。

 今日はハイドンとフォーレを中心に合わせました。明るく爽やかなハイドン、憤りと祈りのオネゲル、そして魂の浄化のフォーレ…今回のプログラムは素晴らしい(自画絶賛)。

 4月25日、ぜひたくさんの方々に聴きに来て頂きたいと思います。

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2014/15年度の演奏会全て終わりました。

2015-03-19 23:59:59 | 演奏活動
 今年度は、演奏会の予定全て終了しました。
 
 まだリハーサルや指導している子達の発表会などの予定は入っていますが、山形Qとしての演奏会の予定は3月いっぱいありません。

 今年度はヴィオラ奏者の五十肩で始まり、2ndヴァイオリンの右手の故障などメンバーに色々と災難がありました。おかげというか営業をほとんど行うことが出来ませんでしたので演奏回数としては、今井氏が加入してから一番演奏会数が少ない結果になりました。

 W.A.モーツァルトのハイドンセット全曲を始め、クラ5やフルート4など掘り下げながら重点的に演奏しました。依頼演奏会をあまり行えず、集中して定期演奏会に臨めた事で、不幸中の幸い??団の成長にも繋がったと・・・いい感触をつかんでいます。

 来年度は、少し傾向をかえて、もちろんF.J.ハイドンの全曲演奏企画は継続しますが、近代・現代まで幅広い曲を演奏する予定です。今のところ予定されているのは、定期演奏会4回プラス庄内定期。及び音楽鑑賞教室2回などなど。

 より成長した姿を毎回見せられるようにします。14回目のシーズンが終わるということは、人間でいえば第二次成長期にさしかかっていますから・・・・・・。

 いつも応援して下さっている皆様、ありがとうございました!!
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山形Q 練習日誌55-vol.5(中島記)

2015-03-18 21:54:29 | 練習日誌
「最近、めまいがすることが多いんですけど、どこか悪いんでしょうかね?」
「それは、ここを見てみると…う~んやっぱ肝臓障害かな。せめて一日3合までにしとけば?」
「…それはキツい。もう一声!」
「じゃあ4合で‼︎」
「さすが、話わかるなぁ…」

山形Qの練習の合間も、持参の「家庭の医学」をひもといて、健康管理に余念がない「おぢさん」たちの図

…ではありません。


 資料が少ないオネゲルについて、手持ちの文献を持ち寄っているわけです。プログラムノートを書く私への気遣いですね。ありがたい。


 ということで、今日の練習はオネゲルを中心に。

 とにかく素晴らしい曲です…と言いながらも、ようやく通るようになってきた段階です。まだまだこれから。

 その後はフォーレ。魂が曲に吸い込まれそうになるほどの名曲です。

 我田引水もはなはだしいことはわかってますが、山形市のはずれの、畑に囲まれたこのコミュニティセンターで、オネゲルとフォーレの四重奏曲が響くというのは、なんとも画期的なことだと思います。(隣の部屋の利用者は、眉をひそめている可能性も…)

 しかし中には、「なんと素敵な音楽だろう。こんなの聞いたことない。もうフォーレの事しか考えられない」と開眼する人もいるかも知れません。

 
 とにかく素晴らしい。あと一ヶ月ちょっとですが、楽しみたいと思います。

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山形Q 練習日誌55-vol.4(中島記)

2015-03-11 18:50:36 | 練習日誌
 山形は、今日もまだ冬。今週は雪の日が続いていたらしい。

 しかし…花粉の舞い散る東京を、今朝出てきた私は、もう発症中。コンタクトがザラザラ感じるので、本来の「メガネ姿」で山形のリハーサル。まだ冬の山形で花粉に苦しまなくてはいけないとは…損した気分です。


 さて、練習の方は、爽やかにハイドンから。

 今回は作品71-2。ニ長調の明るい曲ですが、これがなかなか難しい。後期の作品だけに完成度は高いのですが、スキが無い。輝かしい響きを創るために、音のモザイクが縦横無尽に広がっています。

 しかし、まだまだ転げ落ちてしまいます。…ひたすら練習あるのみ。


 そしてオネゲル。…しつこいようですが、素晴らしい曲です。戦争を思わせる「怒りの日」のような第1楽章は、入り乱れて複雑な曲ですが、それでもだいぶ立体的になってきました。

 その後の第2楽章は、ゆったりとした曲ですが、「安らぎ」とは程遠い。行き場のない怒りや絶望、しかしその中にある諦めきれない希望が渦巻く名曲です。しかしそれだけ内容が濃く、和音も難解でつかみきれていない。まだまだ祈りは立ち上がりませんでした。…要理解。


 もう少しオネゲルを愛さないと。ということで、本番まであと50日ほど。頑張りましょう。

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