lizardbrain

だらだらぼちぼち

We love you, Mr. Sonny Rollins!

2005年11月04日 00時04分25秒 | 音楽
ちょっと昔は、すっきりと『大阪厚生年金会館』と漢字8文字で表現できたものを、いつのまにやらウェルシティ大阪厚生年金会館などと長ったらしい名前になってしまった。
しゃれたつもりでカタカナ名前を付けたんだろうが、「明日、どこへ行くん?」と尋ねられて「ちょっとウェルシティ大阪厚生年金会館まで」などと、こっ恥ずかしい返事をしなければならない方の身になって、ホールの名前を考えてもらいたいものだ。

ソニー・ロリンズ最後の日本公演の大阪公演が、11月2日、そのウェルシティ大阪厚生年金会館もちろん大ホールで開催された。
もちろん、ワタクシも参戦してきた。
さっそくひなびたブログにアップしようと入力しているのだが、大興奮いまだ覚めやらず、なかなか冷静な文章が浮かんでこないのだ。

会場内の張り紙でも最後の日本ツアーという事が強調されていた。
1930年ニューヨーク生まれのジャズ・テナーの巨人、ソニー・ロリンズも既に75歳。
年齢から考えると、ツアーから引退しても誰しも納得するところだ。
だが、日本でツアーするのがこれが最後、、、、、なのか?
本国アメリカではツアーに出る、、、、、、のか?
ライヴツアーなどという大掛かりなものではなく、地元のジャズクラブでの演奏だとかレコーディング活動などは続けて行く、、、、、のか?
ライヴツアーはもちろん、地元のクラブ出演も、レコーディングも、一切の音楽活動に終止符を打つ、、、、、、のか?
という疑問が浮かんでくる。

唐突に、話は変わるのだが、(イヤ、必ず元の話に戻ってくるので)
「人間が一生の間に獲得することができる幸運の総量は、万人において平等なのだ。」
と言ってはばからない先輩がいる。
彼は、どういう意味で言っているのかというと、
例えば、商店街の年末大売出しのガラガラ抽選会で、一緒に抽選の列に並んでいる他のオバサン達は参加賞のポケットティッシュ1袋しか当たらないのに、自分だけスーパー目玉商品価格298円相当の洗剤1箱が当たってしまったり、
例えば、お得意さんの会社へ行くのにうっかり道を間違えてしまい、その間違えた道を歩いていたら歩道の端っこにシワクチャになった千円札が落っこちているのを見つけたり(ネコババじゃないよ、個人的に一時的に保管しているだけだよ)、
例えば、5千円分の宝くじを買ったら、6千8百円が当たったり、
そういった、どうでもいいような小さい幸運の数を自慢しているヤツは、本来自分が持っている幸運の総量がドンドン目減りして行って、人生の終わりには、結局、大した大きさの幸運が形としては残っていないのだ。
と。
その先輩は、だから自分はそんなチマチマした幸運だとかツキなどは必要ない、ドリームジャンボ宝くじの1等前後賞総額3億円獲得の機会が2回もあれば充分なのだ。
と。

この説からすると、ワタクシの場合、どうなのだろうか?
ソニー・ロリンズの名前はもちろんかねがね知っていたし、過去の代表的なアルバムも何枚か聞いたことがあり、それなりに尊敬も敬愛もしているのだが、ライヴそのものへは一昨年(大阪サンケイホール)に初めて行っただけで、今回がたったの2回目なのだ。
その今回のライヴへ行くのにも、チケットぴあのメールマガジンを読んでみて、ちょっとした気まぐれで今年のロリンズの大阪公演のチケットを先行抽選販売で買ったのだ。
ただ、マウスをクリックしただけ。
そうしたらば、思いもよらず、前から2列目ほぼ真ん中の座席が手に入った。
そのコンサートが、どうやらロリンズの大阪での生涯最後のライヴになるのかも知れないとは
このチケットを買えたという事実は、幸運なのだろうか?
いったい、どれくらいの大きさの幸運なのだろうか?

演奏が進み、ロリンズのアドリブプレイが白熱を帯びてくるにつれて、ロリンズはステージ上を歩き回りながら演奏しだす。
年齢のためかやや足元がおぼつかない気配があるものの、それでも一昨年の時よりはしっかりとした足取りで、前後へ左右へと歩き回りだす。
若かりし一時期には、ロリンズがあまりにも演奏中に動き回るのでマイクスタンドから離れてしまい、ライヴレコーディングが出来なかった頃もあったらしい。
大丈夫、今はワイヤレスマイクがあるから。
時には前のめりになり、時にはのけぞりながらもテナー・サックスを吹き続ける。
そうするうちに、吹き続けながらステージの一番前まで歩いてきた瞬間、前から2列目の座席に座っているワタクシから約2メートル18センチ前の所にロリンズがいる。
あのソニー・ロリンズが
途中休憩も取らず、約2時間吹き続けた。
もちろん他のメンバーのソロもたっぷり聴かせてくれたものの、やはりロリンズのソロ・スペースが一番多かった。
その中で、ワタクシの目の前、約2メートル18センチのあたりに、ロリンズは4~5回やってきたのだ。
いったい、これは、ワタクシにとってどれくらいの大きさの幸運なのだろうか?

会場ロビーで大量に売られていたツアー・グッズの中から、1枚4千5百円もするTシャツ(高いなぁ~)を2枚も買ってしまった。
Tシャツのサイズがアメリカンサイズなので、SサイズとMサイズを1枚づつ。
過去の経験から言うと、アメリカンサイズというヤツがこれまたエエ加減で。
場合によっては、アメリカンサイズの一番小さいSサイズでも、通常は日本サイズでLサイズのワタクシにはダブダブになる恐れがあるのだが、家に帰って袋から出してみると、それほど巨大なサイズには見えないので、とりあえず安心した。
しかし、このTシャツは、着るにはもったいないような気もするのだ。
だが、着なければTシャツを買った意味が無い、ような気もするのだ。



このTシャツを持っている、これはいったい、どれくらいの大きさの幸運なのだろうか?

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