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だらだらぼちぼち

北杜夫

2018年04月18日 10時51分16秒 | 無駄話

ブックオフ、あるいはそのカテゴリーの古書店兼古CD店に行くのが好きだ。

ブックオフで入手した、『どくとるマンボウ航海記』を読んでみたら、なかなかに面白かった。
あまりにも頼りなくはかないワタクシの記憶によると、何故か北杜夫の作品を読んだ記憶がないのに気付いた。
もう少しこの人の世界を探ろうと欲していると、幸いにもブックオフで立て続けに何冊か入手できた。
で、『楡家の人々』も探してみたのだが、この店の需要と供給とワタクシ自身が来店するタイミングがあわずに、なかなか見つからなかった。




ある日、上巻下巻2分冊の下巻の方だけ見つかったので、とりあえず買い求めた。
下巻だけ先に読むわけにもいかないのだが、いずれ必ず残った上巻を手に入れると心に決めての行動だった。

すると、あまり日をおかないうちに、全巻揃った『楡家の人々』に出会った。




だが、この『楡家の人々』は、第1部、第2部、第3部と3分冊になっていた。
推察してみると、先に入手してた上巻下巻2分冊の下巻は、3分冊の第2部の後半と第3部の全部と同じ内容になっているはずだ。

当然、ここで、
「同じ作品が2分冊になったり3分冊になったりしてるのは何故だ?どうしてだ?」
との疑問が生じたのだが、3分冊の第2部を半分に引きちぎって買うわけにはいかないし、
かといって、2分冊の上巻に出会える日を待ち続けるのも辛いので3分冊全てを購入した。
つまり、先に買っていた上下2分冊の下巻を開く日は無かったわけだが。

この人の作品を発表時系列に沿って読んだわけでは無いが、『楡家の人々』を読み進むにつれてこれは凄い作品だと思った。
最初の頃は、それまでに読んでいた、『どくとるマンボウ』シリーズやエッセイめいた作品以上に、(何人か実在の人物をモデルとしているにせよ)よくこんだけのバラエティーに富んだ人物像を創造できたものだと感心して。
どちらかというとユーモアを込めたストーリー展開と感じたのだが、関東大震災のあたりからの描写が凄まじく、読んでるワタクシにとっては、途中から全く違う世界に引きずり込まれた。

何十年も前、NHKは、朝の連ドラとは別に、1本20分くらいで平日に毎日放送される連ドラ枠があった。
『楡家の人々』もその枠でやってたと思われるのだが、その時は観ていない。
この作品を20分枠の連ドラで処理できるはずがない。
あの時、NHKでは『楡家の人々』をどのあたりまで映像化していたのだろうか?
エンディングまでたどり着いているとは思えない。

それよりもっと前、中学校の図書館に北杜夫の作品が所蔵されていたのは記憶している。
もしもあの頃に、どくとるマンボウあたりを読んでいたなら、今とはもう少し傾向の違うオトナに育っていたのかも知れない。


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