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だらだらぼちぼち

押尾コータロー アコースティック・ギター・コンサート (1)

2006年07月20日 23時07分17秒 | 音楽

今さら、古い話になるのは承知のうえだが、

5月20日 三木市民会館での押尾コータロー アコースティック・ギター・コンサート に出かけてきた。

思い起こせば、ちょうどその頃、
信じられないくらいに絶好調だったセリーグ在京球団があった。
その頃は、同一カード3連戦では必ず勝ち越していたので、3連戦を消化するたびに貯金がどんどん増えていき、絶対に今年は楽勝のはずだった、、、、、、、

イヤイヤ、その話は、もういい

話を押尾コータローのコンサートに戻そう。
開演前の会場付近で、ちょっとしたハプニングに遭遇したのだ。

          


同じ兵庫県の三田市までは、日帰りドライブで出かけた事があり、今回も、てっきり三田市でのライヴだとばかり思い込んでチケットを買ったのだが、会場は三田市ではなくて、地図を見ると三田市より遠い三木市の市民会館だった。
三田市三木市、同じ兵庫県に属し、同じという文字が付くので、イナカモノにとっては似たような物に感じられてしまった。
このように、チケ買いの段階でワタクシのちょっとした勘違い(場合によっては大事件になる可能性もあった、、、、、笑)があったのだが、両市の距離は何百キロも離れていなかったというのが、とてつもなく幸いな事で、実際のライヴ会場の三木市へも日帰りできる距離だった。

初めて行くライヴ会場には必ず早めに到着して下見を済ませておくのが、ワタクシの主義である。
いや、チケットを買う前に、まず会場の所在地を確認する事は常識以前の問題であるが、、、、、、、

のんびりと開演時刻ギリギリに到着して、チケット片手に駐車場探しに奔走する、などと言う醜態だけは、絶対に避けなければならない。
この日も、午後6時の開場時刻よりもうんと早く、4時過ぎには到着してしまった。
いくらなんでも、早過ぎた。

会場の三木市文化会館は、三木市役所のすぐ近くにあり、500台収容という自慢の無料駐車場も市役所や周辺の市営の各施設と共用している。
無料だから、駐車場の出入り口は、いちいち駐車券を入れて現金を支払うゲート(踏み切りの遮断機みたいなやつ)方式ではなく、入り口と出口の通路の幅がそれぞれがクルマ1台分の幅で、ごく普通の駐車場の出入り口だったが、いかんせん、その出入り口は1ヶ所にしかない。
クルマは500台、出口は1ヶ所、、、、、、、、
ワタクシが1ヶ月前に買った座席が後ろから3列目だという事態から察すると、この日のライヴは、満員御礼完売のため当日券は発売しません状態が予想された。
おそらく、終演後の駐車場は、我先に出ようとするクルマで大混雑する恐れがあった。

MIー2のトム・クルーズよろしく、会場周辺の様子をひそかに観察した後、近くのファミレスで早めの夕食を済ませて、再度、先ほどの駐車場にクルマを置いたのが5時過ぎ。
(イーサン・ハントは、自ら下見などしないか、、、、?)
先ほど4時過ぎに到着した時よりはクルマの数が増えつつある駐車場の中を見渡し、さらに、終演後に、少しでも早く駐車場を出る事ができるような駐車位置を考えて、いったん停めた位置から、帰りの混雑時に一気に出口への流れに乗れそうな位置に停めなおした時、開けたままの運転席の窓越しに誰かが話しかけてきた。
知らない間に、ワタクシのクルマのすぐそばに立っていた人物は、推定年齢20代半ば~30代半ばの青年だった。
以後、初対面のこの人物の事をと呼ぶ事にする。

『失礼ですけど、コータローさんのファンの方ですか? 今日のコータローさんのコンサートにいらしたんですか?』

と聞かれたので

『イヤ、ファンと言うほどではありません。
誰のファンかと聞かれれば、綾戸智絵や、ケイコ・リーや、山下達郎や、寺井尚子のファンです。
が、押尾コータローは、ワタクシの好きなギタリストの一人でもあります。』

などと、正直に答えてしまうと話が長くなりそうだったので、

『はい、そうですが、、、、』

と、答えると、
彼は、安心したように、ショルダーバッグから何やら虹色に光るプラスティックの円盤が入ったケースを取り出しながら、こう言った。

『実は、ヤフー・オークションで、コータローさんの去年のPanoramaツアーの完全版の音源が2枚組CDで出てたんで買ったんですけど、その時にうっかりクリックし損ねてしまって、2組買ってしまったんですよ。
という事情で、1組余っているので、よろしかったら買っていただけませんか?』

と、彼はこう言いながら、四角いCDケースを開いて、どう見てもPCを使って作ったらしいジャケット写真や、収録曲目が印刷された紙切れをはさんだ四角いケースから、これまた表面に押尾コータローの写真を印刷したデータ用のCD-Rを手渡してきた。

『このクルマのオーディオは、CDを聴けますよねぇ?
どうぞ、試聴してみて下さい。』

今から思うに、この時点で、手渡された2枚組CDを奪い去って逃走するという手もあったのだが、このCDの中身が何やらわからない状態で逃走してしまうと、かんじんのライヴを楽しめなくなってしまう。

ワタクシの自慢のカーオーディオシステムは、10枚のCDを一気にセットできるCDチェンジャーを備えているので、CDチェンジャーの中のCDを入れ替えるためには、クルマのトランク部分まで行かなければならない。
(今時、i podさえ持っていれば、今時、CDチェンジャーなど必要ないなどと言われたって困る)
そのためにクルマを降りようかと思ったが、カーナビのDVDディスクを取り出してCDを放り込んでもCDを聴ける事に思い当たった。
カーナビ経由でCDを聴いてみると、予想したよりは音質は良さそうだった。
少なくとも、ライヴ会場に持ち込んだMDやカセットでこっそりと録音した物ではなさそうだった。

『これはオフィシャルな物なんですか?』

と訪ねると、
彼は、ゆっくりと首を左右に振り、手作りの曲目リストの中の1曲を指差しながら、こう言った。

『TVで放送された時に1曲カットされた曲があるんですけど、放送でカットされたこの曲も、このCDに収録されています。
ですから、完全版なんです。
僕がオークションで買った時の半値でいかがでしょう?』

ワタクシが、どうしようかと黙り込んでいたら、

『コータローさんのコンサートには、いつも来られるんですか?』

と訊ねてきたので、

『いや、押尾コータローは、今日で2回目ですね。
2年位前に、尼崎で聴いた事がありますけど。
今日のチケットは、1ヶ月前に買ったんですけどね、すっごい人気ですよね~、座席は後ろから3列目ですよ。』

と答えた。
すると、彼は、

『僕もチケットを買うのが遅くなったので、今日のチケットはオークションで買いました。
前から3列目の席なんですけど、ヤフーオークションで¥13,000で落札したんです。』

全席指定席のこの日のチケットの定価は、¥4,500だった。
果たして、3倍近いお金を出してでも前の席に座りたい、と言うのがファン心理なのだろうか?

さらに続けて、

『あ、それから、コータローさんのインディーズ時代のライヴ音源の完全版も、ヤフーオークションで買ったんですが。
これも間違って余分に買ってしまったんですが、、、、、、、、、』

と、ショルダーバッグから、別のCDを取り出そうとしだした。


なんとかやり過ごして、クルマの中で雑誌を読みながら少し時間をつぶしていると、バックミラー越しに、先ほどの彼が別のクルマをつかまえて何やら話しかけている姿が映っていた。

後日、友人にこの話をしているうちに、気付いた事があった。

まず、第1に、

この時に話しかけてきた彼は、本当に、この日のコンサートにやってきた観客だったのだろうか?
と。
オークションで前から3列目のチケットを落札したと言ってはいたが、ワタクシにそのチケットを見せてくれたわけでもない(そんな義務も必要も無いが)し、この会場の前から3列目の座席に座っている姿を確認したわけではない。
もっとも、後ろから3列目のワタクシの席からは、前の方の座席に誰が座っているかなどと確かめる事などできないし、前半後半の2部制ではなく途中休憩無しのぶっ続けライヴだったため、休憩時間に席を立つ事もできなかった。
もしや、物品販売だけを目的として駐車場を周回していたのでは?
という疑惑も生じてきた。
彼がショルダーバッグに入れていた物は、その気になれば何百枚でも焼く事ができるCD-Rだというから、なおさらだ。

そして、第2に、

TV放送の時にカットされた曲も収録しているという、去年のライヴの完全版CDとやらだが、
この去年のライヴがTV放送されたとすれば、おそらくNHKのBSだろう。
彼がカットされたという曲が、実際に放送でカットされていたのかどうか?
イーサン・ハントが気合を入れて調査活動を行えば解明される可能性もあるが、今となっては、立証する事も大変そうである。
つまり、単純にTV放送された音源をCDに録音したという可能性も、なきにしもあらず。

真偽のほどは、
いったいどこまで人間を信じる事ができるか?
という、ワタクシ自身が持つ人間性の根底に潜んでいるのかも知れない。

この日のライヴの中身については、近いうちにいずれまたエントリーする予定にしている。
本当は、5月中にしておかなければならなかったのだが、、、、、


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