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だらだらぼちぼち

高中正義 SUPER LIVE 2017 ”渚 モデラート”

2017年09月25日 16時40分41秒 | 音楽


82年のSAUDADEツアーの時のチケットが、なぜか今、手元に残っている。
ふむふむ、鳥山雄二がギター、鳴瀬善博がベースで参加していたのか、
この頃はどのアーティストもアルバムが出るたんびにツアーを打っていたので、高中正義のライヴにはこの前後に3~4回行った。
たぶん大阪フェス(だったと思う)での『虹伝説』ツアーも観戦したはずである。
『虹伝説』の時のバンドメンバーはすっかり忘れているが、キーボードとコーラスにミミちゃんがいた記憶が飛び抜けて鮮烈なのはどうしてか?



          


とにかく、高中正義のライヴは80年代のその頃以来となる。
9月24日、つまり昨日、森ノ宮ピロティホールにおいて、
およそ30年ぶりで、高中正義(以下、社会常識に従って高中と呼ばせていただく)と対面を果たした。
ここ何年かこの時期にこのホールで高中がライヴをやっていた事には気づいていた。
アクセスの良さを自慢しているピロティホールだが、高中があの古くて狭いホールのどこを気に入ったのかが良くわからない。
その理由を探り出すべく、今年、ようやく行動に移した。




開場前、
ホール入り口手前で物販コーナーが営業していたので、冷やかしに行ったら、うっかりとハンカチセット¥2,500を購入してしまった。

開場前に行列している時に既に気付いてはいたが、ピロティホールに集まったのは一見してワタクシよりも年長の世代の、かつては一癖も二癖もあったであろうと想像に難くないファッションセンスで、しかも気持ち良くてカッコ良い音楽を探し出すセンスにも長けたであろう紳士淑女が多かった。
あの頃、単なるブルージーンズTシャツ小僧だったワタクシの青臭かった時代を想い出したりしているうちに開演。

なかなかに好位置の座席だったので、曲の合間に演奏を始める前に出力をオフにして弦をはじくPAを通さない生音までがはっきりと聴きとれる。
そんな距離感で、およそ30年ぶりに目の前で目撃した高中は、ワタクシの乏しい過去のライヴ記憶に反して、いかにも楽しそうにギターを弾く人であった。
マイクには乗せないが、アマゾンズのコーラスパートを一緒に唄いながら演奏したり、一瞬、空いた右手でアマゾンズの手振りをマネて踊ってみたり。

そうそう、
アマゾンズといえば、ナマで動いて唄っている彼女達を目撃するのも初めての事で、前述した『虹伝説』の頃は参加していなかったはずである。
ステージ真ん中でギターを弾いている高中よりも、右手奥で優雅に歌って踊っているアマゾンズの3人の変わらぬ美しいシルエットに、ついつい目を奪われてしまった。
(それを察してかどうか、途中でアマゾンズが退場してしまいコーラス無しのインスト曲がしばらく続いた。)

気付いたのだが、30年ほど前とギターの弾き方にも変化が見られた。
アルバム『高中正義 ON GUITAR』と連動した教則楽譜本で一生懸命練習した、ブルー・キュラソーの指使いがワタクシのとはかなり違っている。
これはきっと時の経過がなせる業であろう。

しかし、ホントに楽しそうにギターを弾いている。
こんだけ楽しそうにされると、こっちも楽しくなってしまう。

高中のギターで、もひとつ気付いた事があって、
ステージ後半、トレードマークの青いヤマハSGでカポらしき物をフィンガーボード上で移動させていたが、あれは何だったんだろうか?
派手な装飾のゼロフレットかとも思っていたら、確かにゼロフレットから2フレットあたりまで滑るように移動させて、その後ゼロフレット位置に戻していた、その間もちろん演奏は続けていたわけで、
2フレットの低音弦の解放音が欲しかったのかもしれないし、テンションを調整してニュアンスを変えていたのかもしれない、
はたまたカポではなくて、消音器なのかも知れないという説も立てられるが、高中の演奏技術で消音器など必要とも思えない。
ワタクシには解明不能である、どなたかご存じないだろうか?

ワタクシにとっておよそ30年以上ぶりの高中ライヴ前の重要なテーマとして、『黒船』を演奏してくれるのだろうか?
という事だったが、今も昔も変わりなく『黒船』は重要な位置を占める楽曲である事を確認できた。

汗だくだくになった高中はアンコールも演り遂げた後も、バッハのブーレから何曲かウクレレサイズのギターを弾いてのいわばダブルアンコールという構成も後味良かった。

ライヴ後半に、
「今日はプレゼントがあります」
「キットカットですけど」
とか言って、ステージ上からキットカットを投げ始めた。
小さい物なので、なかなか後ろの席までは届かない。
キーボードの小島良喜と手分けして、客席まで投げている。
まるで(最近はあまり見ないが)餅投げ状態である。
まさか飛んでこないだろうと思っていたらば、前の席の女性が取り損ねて跳ね返ったヤツが偶然にワタクシの膝の上に落ちてきた。
休憩時間にでも前の女性に差し上げようと思っていたら、休憩時間の無いステージ構成だったので、差し上げる機会を逸してしまった。



つまり、キットカットをそのまんま持ち帰ってしまったわけで、なるほど、大阪仕様の特注らしき包装がなされている。
少しの間、冷蔵庫に隠しておいて、こっそりと食っちまうつもりである。

アンコール終了後、例によってバンドメンバーがステージ前列に一列になって集合。
後半に再度ステージに登場していたアマゾンズの3人が美しいシルエットを保って目の前で微笑んでいる、なんかシアワセであった。

家に帰ってから、開場前に購入した¥2,500のハンカチセットを袋から出してみた。
アルバムジャケットを16枚分プリントしたハンカチが2枚入っている。
なかなかに美しいデザインで、ツアーグッズだから品質的にはさほど期待していなかった事を反省し、額装したい欲求にかられている。